親の進路、子供の進路

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中学入試もひと段落し、長女の進路について周囲から聞かれることが増えました。古くからの友人や知人などに長女の進学先がA校だと報告すると、「えっ・・・(しばし沈黙)・・・そうなんだ、意外。」「でも、A校もいい学校だよね!」と微妙な反応が返ってくることが多いです。

私は中学から大学までB校に通っていて、夫もB校出身であるため、友人や知人、職場の同僚たちの多くが、長女も当然B校を受験したと思い込んでいるようです。なので、A校に進学=B校残念組と勝手に脳内変換して、同情してくれている模様です。「いやいや、B校は受けてないから!」と言いたいのをぐっと我慢し、哀れみの視線にさらされながら、日々過ごしています(笑)

ところで少し前になりますが、東京カレンダーというサイトで、「御三家ウォーズ」というフィクションが連載されていました。中学受験で麻布を目指す港区ママが主人公の読み物なのですが、そこに薫子さんという「最強ママ」が出てきます。薫子さん一族では、代々、男は開成、女は桜蔭と決まっているそうです。彼女の決め台詞は「最高で開成、最低でも開成」。おそるべし薫子さん!

しかしですね・・・リアルの世界を見てみると、薫子さんのようなママ、いないと思うんです。親子で桜蔭や開成に入学するのはハードルが高すぎて現実的ではないというのももちろんあります。ただ、そもそも論として、教育熱心なご家庭ほど、「親がその学校出身だから」という最初から結論ありきの理由で学校を選ぶことはない気がしています。また自分の出身校については良い点だけでなく悪い点も熟知しているので、子供を進学させるのは慎重に考えてしまう傾向があると思います。ついでに自分の出身校以外の学校についても、当時のイメージ+その学校に進学した友人の顔がつい思い浮かんでしまって、躊躇する傾向が強い気がしています。

ちなみに私の周囲にはお子さんが現在御三家に通っている知人がそれなりにいますが、地方出身で中学受験未経験、大学から東京というパターンが多い気がします。逆に自身が中学受験を経験しそれなりの学校に進学した場合は、現在の中学受験の荒波に子供を放り込むことに躊躇を覚えることが多いのか、小学校から私立、インターへ進学、海外移住など、中学受験を意図的に回避する選択肢を選ぶパターンが結構多いような気がします。まさに「隣の芝は青くみえる」状態なのかなと思います。

さて、我が家が母校を選ばなかった理由ですが・・・別に母校が嫌いなわけではないです。理由はただひとつ。将来、長女に自由な進路選択をさせたかったからです。

大学までの一貫校というのは、いわば特急列車に乗るようなもので、楽ちんですが冒険もできません。たとえば将来なりたい職業に対応する学部がなかったり、あっても内部推薦を受けられなかったりすると、非常に難しい選択を強いられることになります。留学も制度はあるもののいろいろ制約があります。よって、長女の場合、B校へ進学すれば、足に錘がついたような状態になってしまうのではないかというのが私たち夫婦の危惧した点でした。彼女の場合、特急列車に乗るより、各駅停車で途中下車もしながら旅をした方が、たくさんの選択肢のなかから自由に将来を選べてよいのではないかと感じました。

長女の場合、おそらくB校を受験すれば、合格できただろうと思います。周囲にはA校とB校に合格し、B校進学を決めたお子さんがちらほらいるので、そういう話を聞くと正直複雑な心境になることもあります。でも、これが我が家が選んだ道。これからの学校生活で、自分の夢と目標を見つけて、未来という名前の白いキャンパスに存分に自分の想う絵を描いてくれればと願っています!

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