英検1級2次 長女(12歳)の結果

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先日、英検1級2次の合格発表がありました。

我が家は小学校6年生(12歳)の長女が受験しました。

英検の2次試験は、全体的に比較的高めに合格率が設定されていますが、1級については6割程度と言われています。1次合格者の6割ですから、かなりの難関です。

さて、試験の結果は・・・

赤い画面に一瞬びっくりしましたが・・・無事合格でした!

英検1級2次対策でやったこと

もともとスピーキング能力そのものには大きな問題はないと考えていたので、1次合格発表前は何もしませんでした。1次合格が分かった後に、あわてて2次の準備をはじめました。

まずはこちらの本を購入。英検1級2次の対策本は非常に少なく、事実上旺文社一択なのではと思います。ほかにAmazon Unlimitedで読める予想トピック集があったので、こちらもゲット。いずれの本も、長女の学習用というより、私が戦略を考えるために読んだという感じです。

 

英検1級2次試験では、最初に2分間スピーチがあります。5つのテーマから一つ選んで、スピーチをするというものです。予想トピック集を使って、早速試しに長女にやらせてみたのですが、45秒で終わってしまいました。さすがに「やばい、これは落ちるかも・・」と焦りを感じました。 長すぎても短すぎてもNGで、1分40秒~2分でまとめるようにしなければならないようのですが、よくよく考えてみれば、これって日本語でも準備なしでは難しいですよね。まずは英語力うんぬん以前の問題として、「2分」の感覚をつかむこと、そしてその間考えながらひたすら話し続ける練習が必須だと思いました。

そこで、1級2次対策をやっているオンラインの英会話教室探しを慌ててはじめたものの、これがかなり難航しました。まず英検1級2次を取り扱っているところが非常に少ないのです。たとえば大手オンライン英会話のDMMなども、英検対策は準1級まで。そして数少ない英検1級対応のオンライン英会話も、サブスクリプション方式(月ぎめ料金)のところが大半で、1週間で集中的に授業を受けたい我が家には合いませんでした。

結局我が家が選んだのは、バリューイングリッシュという小さなオンライン英会話教室でした。25分×2コマで約3000円。お試し1コマと有料で2コマ、合計3コマ利用しました。お願いした先生はフィリピン人でしたが、発音のなまりもなく、経済などの知識も豊富な方で、とてもよかったです。ただ先生の人数が少なく、3コマ終了時点で新たに2コマ追加購入しようと思ったら、すでに予約がいっぱいでした・・。結局、他の英会話教室の無料体験でプラス2コマを受講し、そのままなし崩し的に本番に臨むことになりましたが、そちらはバリューイングリッシュの先生に比べていまいちだったようです。

なお、当初は幅広くいろいろなテーマを潰せればと思っていましたが、時間も限られており、本人には難しい話が多かったので、「環境問題」にしぼってスピーチ対策をすることにしました。インターで色々勉強をしていて話もしやすいし、5つあったらひとつくらいは環境ネタが出るだろうということで、思い切って絞ってみたのですが・・・環境ネタ、本番では出ませんでした!(笑)

教訓:
・英検1級2次は、スピーキング力がある受験生でも、「2分スピーチ」の感覚をつかんでおくことが肝要。
1次合格後にオンライン英会話教室で集中的にレッスンするなら、早めに枠を抑えるべし
・準1級までと違い、1級ではテーマを自分で選べるため、すべてのテーマについて万遍なく対応できるようにする必要はない。自分の得意分野を中心に、定番ネタについて回答と理由を予め整理しておくとよい。

当日の様子と本人の感想

英検1級2次の試験内容は、自分が選んだトピック(5つの中から選択)についての2分間スピーチとそれに対する質疑応答です。雑談→5枚のカードを渡されトピックを選んで準備(1分)→スピーチ(2分)→質疑応答(4分)という流れで進みます。

・試験会場の様子
1級2次の試験会場には40人くらい受験者がいました。そのうち付き添いで親が来ていたのは長女のみ。中学生らしきお子さんは3~4人いました。
面接の流れは準1までと同じで、到着順に教室で着席する→順に呼ばれて試験を受ける感じでした。

・雑談
試験官は外国人男性と日本人女性の2人。挨拶の後でまず聞かれたのは年齢と学年。どうして英語が話せるの?どこの国に住んでいたの?もしかしてドイツ語も話せるの?というようなことを聞かれたそうです。

・スピーチ
準備の時間がなく、環境ネタ一本に絞って試験に臨んだ長女。残念ながら環境ネタは出題されず、本人は「クローン技術」を選びました。
「クローン技術は今後普及するか?」というような質問だったようで、本人は、NOという結論で、①クローン技術は倫理上及び法律上様々な問題がある、②お金がかかる、という理由を述べたそうです。①はうまく話せたようですが、②については話を深堀りすることができず、結果としてかなり短いスピーチになってしまったようです。多分1分20秒くらいなのではないかと本人は言っていました。また、途中で言葉に詰まってしまって、何度か試験官に「keep going」と促されたそうです。なので本人は、「スピーチは全くダメだった。失敗した」と言っていました。

・質疑応答
一方、質疑応答については、うまくいったようでした。
クローン技術についてはインターにいたときに色々調べたことがあったので、現在どのような研究がなされていて、どんな問題が起きているのか、最新の事例を交えながら、詳細に自分の意見を述べることができたようです。日本とアメリカのクローン研究の違いなども聞かれたようなのですが、そんな質問にもきっちり答えられたようです。2人の試験官はかなりびっくりした様子だったそうで、「どうしてそんなにクローンに詳しいの?」「あなた小学生よね?」「いったいどんな学校に通ってるの?」などなど、「クローンのことだけじゃなく、自分のことについて色々聞かれた」のだとか。確かに小学生がテクニカルタームを駆使してクローン技術について熱く語り始めたら、驚くかもしれません。たまたまその分野について詳しかっただけなんですけどね。ある意味とてもラッキーでした。

・試験終了
なぜか日本人女性の試験官がドイツ語を少し話せたようで、最後はドイツ語で話しかけられ、ドイツ語で応答したそうです。

終了後は、「スピーチは失敗したけど、質疑応答で挽回したから、大丈夫!!」と上機嫌でした。質疑応答の際に試験官2人から「Wonderful!」「Great!」とたくさんお褒めの言葉を頂いたため、本人はこの時点で合格を確信していたようです。

分野別得点

分野別得点は上記のとおり、38/40と、想像以上の好成績でした。本人は自信満々でしたが、そうはいっても小学生。29~30くらいでギリギリ合格かな・・・と予想していたので、驚きました。

分野別得点で一番びっくりだったのが、本人が失敗したと言っていたスピーチも9点だったこと。よどみなくきれいにスピーチできる人なんて多分ほとんどいないのでしょうね。問題集に掲載されている模範解答からほど遠いレベルでも大丈夫だし、「Keep going」を連発されても大丈夫なようです。言いそびれてしまったことがあっても、次の質疑応答で挽回できる感じです。

語彙力が9だったのも意外でした。長女は英検1級の頻出単語は半分も分からないと思います。選んだトピックが自分が詳しい分野だったので得したのだと思います。インターで「興味のある分野について深く調べる」経験を繰り返していたことが思わぬところで役立ちました。小学生には難関といわれる英検1級2次ですが、テーマを選べるので、興味のある分野について深く掘り下げて英語で勉強しておくと、スマッシュヒットが出る確率があがるのではと思います。

しかし38点で95%の出来でも、スコアに直すと680/850なんですね。「おい、ケチらずもうちょっと点数くれよ!」と思いました(笑)

長女の英検受験歴

2017年11月(小学4年生) 2級合格
2018年7月(小学5年生) 準1級合格 
2019年11月(小学6年生)1級合格 

英検にはじめてチャレンジしたのは2年前のこと。当時は2年後に1級をクリアできるとは、全く考えてもいませんでした。

こうやって振り返ってみると、一番大変だったのは準1級だったかもしれません。1次が慣れないロンドン受験でリスニングの一部が聞こえない等のハプニングがあったほか、2次のテーマが政党や選挙の話でちんぷんかんぷんだったため、ギリギリでの合格でした。それに比べれば1級は、比較的余裕をもって合格することができた気がします。1次は+5、2次も+4でした。

「英検1級」が示す英語力

数年前に試験内容の見直しがあってから、英検1級は小学生にも合格しやすくなりました。近年は帰国枠での中学受験が過熱していることもあって、長女の通う英語教室では、英検1級保持者がクラスにゴロゴロいるようです。このため本人は「やっと1級とれた」くらいの認識のようです。(※ただし1級保持者の多くは英語圏での滞在が長く日本語よりも英語が堪能なお子さんたちのようで、帰国子女ならだれでもサクッと合格できるというものではないです。)

なお、長女の場合、論理的思考力が比較的優れているため、説明文の類はかなり難解な内容でもスイスイ読みます。その一方、物語文や詩の読解などは大の苦手としています。比較的平易な文章でも、「登場人物の気持ち?知らんがな!」みたいな感じのようです。長女のようなタイプの場合、英検では比較的力を発揮しやすいのですが、中学受験だと結構厳しいのかもしれないと思っています。

数年前の試験内容の大幅改変により、英検でも4技能が測れるようになったとはいうものの、Writingはお題によって当たりはずれがありますし、Readingも説明文主体+語彙の比重が重く、内容に偏りがあるように思います。英検で測れる英語力は限定的なものにすぎないので、1級に合格してもそこがゴールなのではなく、慢心せずにさらなる英語力強化に向けて精進していくことが必要なのだろうと思います。

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