インターの学校生活

国際バカロレア:MYP1年目を振り返って

我が家の長女は、現在12歳。国際バカロレアのインターでは、Grade 5 までがPYP (Primary Year Programme)、Grade 6からMYP(Middle Year Programme)、そしてGrade 11、12の最後の2年がDP (Diploma Programme)となっています。(※学校によっては、Grade 6までがPYPのところもあります。)

昨年夏にGrade 6になり、はじめてMYPを体験してみて(・・・って私じゃなくて娘がですが!)分かったことや感じたことなどを、まとめておきたいと思います

楽しいPYP、きついMYP、地獄のDP

国際バカロレアの3課程をひとことで表すと、多分上記のとおりになるのではないかと。

最初のPYPは、とにかく楽しいです。「探究学習」主体の学校生活は毎日がワクワクの連続で、我が家の2人は家にいるよりも学校に行く方が楽しいといつも言っていました。授業内容をみると、学習というよりは遊びの延長のようです。学年があがるにつれ宿題が多少出るようになりますが、テストはありません。

これがMPYになると、様変わりします。PYPはクラス担任のもとでほとんどの授業を受けますが、MPYは科目によって先生がすべて異なります。語学と算数はレベル別クラス。そして課題が頻繁に出され、テストも増えます。課題や宿題はすべて0-8の9段階で評価がつきます。他の日本人のお子さんをみていると、PYPのときには「インター楽しい!」と言っていたのに、MYPになってから「やっぱ日本の学校の方がいいかも・・・」と言い出す子が結構いたりします。プレゼンや劇などパフォーマンス系の課題もありますし、グループワークも多いです。テストも基本的にすべて記述式なので(Mathですら「なぜそうなるか」を文章で論じさせる問題がかなりの部分を占めます)、日本人的に見れば「優秀」だけど、思うように成績が伸びないお子さんもいるようです。

最後のDPはさらに大変なようです。経験をしたお子さんいわく、「2年間毎日が期末試験みたいな状態」だとか。すべての課題の積み上げで成績が決まるので、気が抜けない状態のようで、それが2年続くということです。そしてとにかく「書く」ことが多いのだとか。2年間しっかり勉強すれば、そこらへんの大学生より論述力はつくようです。

MYPの科目

科目はIB本部によってざっくりした方針が決まっていますが、学校によってやや違いがあるようです。

Grade 6の長女の場合、次の9教科でした。

① 英語(レベル別にGAL、EAL、English Literatureに分かれている)
② ドイツ語(EALを出たお子さんは必修、4段階のレベル別)
③ 中国語(フランス語、スペイン語も選べる。EALを出たお子さんは必修)
④ Math
⑤ Science
⑥ Humanities
⑦ Art(Drama、Visual Art、Musicで半年毎に内容が変わる)
⑧ Design
⑨ PE(体育)

9科目のうち3科目が語学です。英語とドイツ語はレベル別。長女は英語はEnglish Literature(3段階の1番上のネイティブ向けクラス)、ドイツ語はPhase 3(4段階の上から2番目、ノンネイティブ向けで一番難しいクラス)でした。クラスは先生が前年度の成績をみて決めていますが、年度途中でクラスアップになることもあります。インターによっては第三言語で人工言語(プログラミング)を選択できる学校もあるようです。子供たちのインターはないので、その点少し残念でした。

語学のほか、Mathもレベル別のクラス編成になっています。インターによっては優秀なお子さんは1~2学年上のカリキュラムを先取りすることができるような仕組みになっている学校もあるようなのですが、子供たちの学校では先取はなし、全員が同じカリキュラムで学びます。ただしレベル別のクラス編成にすることにより、上位クラスの子たちはより難しい問題に取り組むことができるようになっています。子供たちのインターでは4つか5つのレベルに分かれているようですが、一番上のクラスはアジア人ばかり、特に日本人率が高いです。

ちなみに9科目のなかで本人が一番好きなのはDesignの授業でした。日本の学校ではDesignの授業はないので、すごく残念です・・・。

成績

国際バカロレアのMYPでは、普段の課題やテストは0-8の9段階で成績がつきます。テストや課題提出に先立って、達成度合いと評価の数字がチャートになった表(Rubric)がイントラに掲示されます。先生が鉛筆舐め舐めで数字を決めているのではなく、かなり細かな基準に基づき評価をしていることが分かります。

一方、期末の成績は1-7段階で評価されます。普段の評価→期末の成績への換算は、ちょっと複雑です。どの科目も4つの評価要素があり、達成度に応じて0-8の点数がつきます。たとえば英語の場合、A(Analysing)、B(Organizing)、C(Producing Text)、D(Using Language)の4要素。各8点で4要素ですので、満点だと32点になります。合計点が28点以上とると、期末の成績が「7」になります。下記は長女の英語の成績です。7まで1点足りずでした。残念!

日本と違うのはテストだけではいい成績がとれないこと。宿題もきっちりやる必要がありますし、グループでの課題も評価対象。テストも前述のとおりほとんどが記述式。このため、日本から来たばかりで英語力が足りないお子さんの場合、MYPの年齢ですと1~2学年下にダウングレードするケースが多いです。

なお、長女の学校では表彰はないのですが、他のインターだと平均スコア6.0以上でHonor、6.5でHigh Honorがもらえることが多いようです。表彰がないのは残念な気がしますが、子供たちのインターの場合、語学がかなり細かい進度別クラスになっているので、点数だけで能力を測るのは難しく、表彰がないのも仕方がないと思っています。

さて、長女の年度末の成績は、英語、ドイツ語、体育が6で、それ以外はすべて7、平均スコアは6.7でした。MathとScienceは満点の32点で余裕の7取得。中国語とDesignの7も予想どおり。これらに加えて、最後のテストで時間中にガッツリ居眠りをしてしまったHumanities(このテストの成績は悪かったです)や、大根役者ぶりを披露しDramaの実技が散々だったArtも、結果的には7がついていて、本人は少し驚いていました。もしかしたらMYP1年目ということで、全体的に甘めに成績がついているのかもしれませんが、よく頑張りました。

国際バカロレアの教育は、子供たちに考えさせ、実践させることが重視されています。我が家の長女はテストが得意な典型的アジア人タイプなので、合わないのではという気もしていたのですが、そうでもないのかな。長女の場合、本帰国後はとりあえず日本の教育に戻る予定ですが、今回の成績をみて、海外大学を本気で目指すなら、高校入学のタイミングでIBインターに戻すことも考えた方がいいのかもしれないなと思いました。

国際バカロレア:MYP1年目を振り返って” に5件のコメントがあります

  1. >国際バカロレアのインターでは、Grade 5 までがPYP (Primary Year Programme)、>Grade 6からMYP(Middle Year Programme)
    うちの子が通っていたインター(2カ国で二校行かせました)では、
    G6までPYPでした。
    日本より半年ほどカットオフデートが早かったので、年齢に依るのかなぁと
    思っていました。
    IB機構もG5かG6までか、学校に依ると謳っていませんでしたっけ?

    >楽しいPYP、きついMYP、地獄のDP
    うちは、最初の学校はG6前にがっつりエキシビジョンの説明が
    あり(私は低学年で説明会に参加しました)、メンタルにくる子も
    いるくらいキツイので学校と親と一丸となって支えましょう、と
    言われました。
    その後、転勤で転校したのですが、そこでは楽しくエキシビジョンを
    終えました。学校のレベルは、前の学校の方が低かったので、児童の
    学力や英語力によって、キツイとか楽しいとか、印象が違ってくるの
    かなぁと思ったりしています。

    1. こんにちは!コメントありがとうございます。

      > IB機構もG5かG6までか、学校に依ると謳っていませんでしたっけ?

      IBでは年齢3-12が対象となっているので、学校やエリアによってはGrade 6までがPYPになりますね。ご指摘ありがとうございます。記事を修正しました。

      > 学校のレベルは、前の学校の方が低かったので、児童の学力や英語力によって、キツイとか楽しいとか、印象が違ってくるのかなぁと思ったりしています。

      PYPの場合、どこでも最後にエキシビションは入るようですが、学校によって気合の入れ方も進め方もかなり違うようですので、エキシビションの大変さで印象もかなり変わってくるかもしれませんね。子供たちの学校は、エキシビション、ゆるゆるでした。

  2. いつも楽しく拝読させていただいております。初コメです。
    我が子はまだ2歳なのですが小学生くらいで夫ともに海外赴任を目指しています。

    今すぐ赴任の話もあるのですが、このブログを拝見して、小学生くらいがいいかなと思い直しました。
    海外赴任中の教育方法などとても参考になります。
    そしてお嬢様お二人共優秀で羨ましいかぎりです。
    今後も楽しみにしております。

    1. こんにちは!コメントありがとうございます。
      お子さんが2歳だとすると、5~7歳くらいで本帰国でしょうか。そうすると、駐在中の日本語の教育+帰国後の英語の保持の両面で、語学面ではちょっと大変かもしれませんね。(小学校低学年での帰国の場合、帰国後相当努力しないと、あっという間に英語を忘れてしまうようです・・・。)
      なので、もし時期を選べるなら、お子さんが小学生になったくらいのときがベストと思います。

      とはいえ、最近はコストのかかる海外赴任を減らす会社が増えてきているので、チャンスがあるなら早めに行った方がいいのかもしれませんし・・・
      判断が難しいですよね。
      保育園ママさんとご家族のみなさまが、素敵な駐在生活を送れるよう、祈っています!

      1. ご丁寧なお返事ありがとうございます。
        やはり低学年で帰国はその後も大変なんですね・・・なんとなくそう感じておりましたが、そう言って頂いてさらに小学校入学後の赴任がいいなと思いました。
        幸い主人の仕事柄、好きな時期に赴任できるそうなので、もう少し先にしてもらうべく話し合ってみます。
        今後もブログ楽しみにしております!

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