ひとりごと

どこででも生きていけるように

週末にギリシャのアテネまで行ってきました。長女に「もし旅行に行くとしたらどこがいい?」と聞いたら、「アテネに行ってみたい」とのこと。航空券はかなり高かったのですが、真夏の太陽の下での遺跡見学は厳しいので、最後のチャンスと思って行ってきました。

壮大な古代遺跡の数々はもちろん素晴らしかったのですが、それよりも印象的だったのは、そこで出会った人たちでした。

デルフィーまでのプライベートカーの運転手さんは、我が家と同じ年のお子さんがいらっしゃるとのことで、道中色々な話をしました。政治や経済の知識が豊富で知的な方でしたが、産業がないギリシャでは観光業しか選択肢がなかったとのことで、現在の仕事をされているとのこと。「観光業は季節によって大きな波があるし、いつどうなるかわからない。だから安定した雇用を生み出すのは難しいんだよ。国の未来のためには製造業やIT産業をもっと海外から誘致すべきなんだけど、政治家は次の選挙のために国民のご機嫌とりをすることしか頭にないから、10年、20年先のことは考えられないんだ。うちの子たちが大きくなったときにこの子たちが働く場所があるのかと考えると、不安しかないよ」と言っていました。

ヨーロッパの国はどこも税金が高いです。私たちも収入の約40%を税金として支払っています。ただ、ギリシャが他国と違うのは、税金が高いにもかかわらず、福祉や教育が充実していないという点です。国の財政がアップアップなので、そこまでの余裕がないのです。見返りのない中負担ばかり要求されたのでは、国民はたまりません。他国でもバリバリ働けるようなインテリ層はどんどん海外に出ていきますが、優秀だけどそこまでモビリティがないという人材は国内に留まるしかないわけで、国への不満と将来への不安を抱えながら、鬱々とした日々を過ごしているのです。

うーん・・・なんだかどこかの国の未来の話を聞いているようでした・・・

「申し訳ない、支払はキャッシュだとすごく助かるよ。数年前になるけど、銀行預金の引き出し制限がかかってしまって、1日60ユーロしかおろせないなんてことになってしまって。僕のような個人事業者は、本当に大変だったんだ。特に土日は危ない。混乱を最小限にするため、だいたいそういう発表は土日にやるんだよ。この国では銀行すら信用できないから、自分で自分を守らないといけない。」

そういえば3年前にギリシャを訪問したときには、道路に生ゴミが山積みになっていました。政府にお金がなくてゴミの回収に滞りが生じているらしいと誰かが言っていたっけ・・・。

ギリシャでひしひしと感じたのは、これからの時代、「ひとつの国でしか生きていけない」ということは、非常に大きなリスクになるということ。私たち日本人は「努力すれば報われる」と信じる傾向がありますが、日本にとどまっていたのでは、努力しても報われないことになる可能性が高いです。今後の子供たちの教育について改めて考えされられた、今回のギリシャ旅行でした。

ちなみに下記は、宿泊したホテルから見えた新築のアパートメント。3階以上は完成していますが、1階と2階は未完成のまま、そして4階と5階は未入居。3階のベランダは手入れが行き届いていて、おそらくそれなりに生活に余裕がある方が住んでいるのでしょう。一方で未完成の1階と2階は鉄筋がむき出しで、敷地内にはごみが散乱していました。いろいろな意味で現在のギリシャを象徴している建物だなと感じました。

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