パーフェクトでなくていい

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グループワークでいい成績をとるコツ

我が家の長女、11歳。日本では小学校6年生ですが、現在のインターでは昨年夏からSecondary School(中学校)に進学しました。

のんびりしていたPrimary時代と異なり、Secondaryでは、宿題やテスト、プレゼン、パフォーマンス等が頻繁にあり、都度0から8の9段階評価がつきます。長女の場合、宿題やテストは安定した評価をとってきますが(だいたい7か8)、プレゼンやパフォーマンスの類は5から8までかなりばらつきがあります。なぜ波があるのか以前から不可思議に思っていたのですが、最近ようやく原因が判明しました。

長女の場合、一人でプレゼンやパフォーマンスをやったときは、大抵いまいちの評価です。ところが、人前で何かをするのが得意な子と一緒のグループワークだと、評価がぐぐっとあがるのです。言い換えれば、「他人のふんどしで相撲をとっている」ということ・・・?笑

インターの課題は、個人で取り組むものもあれば、グループで行うものもあります。日本の学校でも、グループでリサーチをしてその結果を発表するという活動はよくあると思いますが、子供たちのインターでは、単なる学習発表だけでなく、「オリジナルのダンスを考えてみんなの前でパフォーマンスする」とか、「ドイツ語でミニドラマを作って演じる」とか、少し手がかかる+クリエイティビティが要求されるグループワークが多いです。

基本的にグループワークでも成績は生徒ごとに個別につくことになっているのですが、誰がどのような貢献をしたのか外からは分かりにくいこともあるので、現実には、グループ内の全員が同じ成績になっていることも多いようです。

さて長女の話に戻りますが、成績を見比べながら本人の話を聞いたところ、親友のスペイン人Sちゃんと組んだ場合に一気に評価があがっていることが判明しました。

Sちゃんはとても活発な女の子で、運動神経抜群、人前でパフォーマンスをするのが大好きです。一方、コツコツじっくり何かをやるのはちょっと苦手で、勉強はあまり好きではありません。いわば長女とは正反対のタイプです。2人で組むと楽しくグループワークができるというのもありますが、それ以上に、互いに欠点を補いあい、グループとして完成度の高いパフォーマンスができているのが大きいのだろうと思います。たとえばプレゼンの場合、ベースとなるリサーチをして文章にまとめるのは長女です。内容はよくまとまっているけど無難でつまらない長女の案を、Sちゃんがブラッシュアップして人を惹きつける内容にし、本番でもうまくリードしてくれているようです。

というわけで、「グループワークでいい成績を取るコツ」なんて大層なサブタイトルをつけましたが、答えは、「自分と違うタイプの子と組む」でした。全然コツじゃありませんね!すみません・・・(汗

「他人を頼る」という選択肢

インターに入ってかれこれ4年、苦手なプレゼンも本人なりに上達したと思いますが、そうはいっても、この手のことが生来的に得意な子たちには到底敵わないなと感じています。これは本人の性格による部分が大きく、これ以上伸ばすのは難しいだろうと感じてます。

でも、最近は、無理して苦手なことを頑張らなくてもいいのかなという気がしてきています。得意な分野に集中して、苦手なところは仲間の手を借りれば、チームとしては成果を出せるわけですから。もちろん入試など一人で結果を出さなければならないこともあるでしょうが、長い人生を通してみれば、「一人でなんとかしなければいけない」場面は限られてくるのかなと。大切なのは、「自分と違うタイプの人ともうまくやっていくコミュニケーション力」なのかなと思います。

ちなみに私のまわりでも、「パーフェクトをめざさない」「人を頼る」という方向性で成功している知人が何人かいます。ベンチャーの社長をやっているとある知人は、「周囲を巻き込む」のがとにかく上手。「俺はこうしたい」とビジョンを熱く語り、「誰か手伝ってくれない?」「●●に詳しい人、誰か紹介してくれない?」と広く語りかけて、人を集めてプランをグイグイ進めています。かくいう私も、いつの間にかリモートで彼の仕事を手伝うようになっていました。彼自身も、予備校や塾に全く行かず東大に現役合格したという素晴らしい頭脳の持ち主ですので、やろうと思えば大抵自分でできてしまうのですが、あえてそうせず、自分の得意分野に注力しています。彼のように本当に頭が切れるタイプの人は、「俺はここがわからない。教えて!」とズバッと人に聞けるのです。彼の真似ができればと思いますが、私が同じことをすると単なるアホになってしまうのが難しいところ。だから私は何か聞かれたら、こっそりググって知ったかぶりをしているわけですが、本当はこういうのはよろしくないんだろうなあ。

話がそれてしまいましたが、そんなわけで、プレゼンスキル上達については諦め気味・・・というか、最低限のことさえできればいいかなと感じるようになりました。嫌いなことや苦手なことを頑張るより、好きなことや得意なことを伸ばしてあげたいな、と。そしてたくさん自分と違うタイプの友達を作って、人生という大海を楽しみながら航海していく術を身に着けてくれればいいなと思っています。

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