グローバル帝国の時代

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先日、こちらの本を読みました。

サピエンス全史。世界中でベストセラーになっている一冊です。

 

ホモ・サピエンスの歴史という大局的な観点から、現在世界で起きている様々な事象について考察がなされており、非常に面白かったです。忙しない現代社会に生きる私たちはどうしても短絡的な視点で物事を見てしまう傾向がありますが、俯瞰的に見るとまた違った「絵」が見えてくることに気づかされます。歴史を学ぶって、すごく大切ですね。

まだ上巻しか読んでいないのですが、下巻も読もうと思っています。

上巻のなかで、特に最後の一節が印象に残ったので、紹介します。

 

私たちの眼前で生み出されつつあるグローバル帝国は、特定の国家あるいは民族集団によって統治されはしない。この帝国は後期のローマ帝国とよく似ていて、多民族のエリート層に支配され、共通の文化と共通の利益によってまとまっている。世界中で、しだいに多くの起業家やエンジニア、専門家、学者、法律家、管理者が、この帝国に参加するようにという呼びかけを受けている。彼らはこの帝国の呼びかけに応じるか、それとも自分の国家と民族に忠誠を尽くし続けるか、じっくり考えなければならない。だが、帝国を選ぶ人は、増加の一途をたどっている。

 

現在の世界の情勢が後期ローマ帝国に似ているという点、面白い指摘だなと思いました。ただ、何百年もの月日を経て支配民族と被支配民族が一体化していった後期ローマ帝国に対して、現代のグローバル帝国は、恐ろしいほどの速度で形成されていっている点は、大きく違いますね。

私には帝国に参加する資質はないけど、子供たちには、帝国から参加のお誘いがくるような大人になってほしいなと思います。帝国を選ぶか、母国を選ぶかは、私が決めることではなく本人が決めることです。親としての私の役割は、どちらも選択できるように環境を整えてあげることなのでしょうね。

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