中学受験あれこれ

外国人からみた日本の中学受験

いよいよ1月もなかば、本格的な受験シーズンの到来ですね。

年々ヒートアップする中学受験。もはや首都圏では、ゆったりとした普通の子育てはできないかのような雰囲気を感じています。帰国枠受験も、この5年ほどで著しく激化している模様です。

我が家の長女は小5ですが、長女と同じGrade 6に今年受験の小6のお子さんや昨年受験を終えている中1のお子さんが在籍しているため、日本人のお母さんたちで集まると、中学受験の話題がよく出ます。我が家も1年後には受験予定ですが、話を聞くたびに焦りを感じます。

 

一方、ヨーロッパで生活していると、逆に「こんなに勉強させていいのかしら・・」と、逆方向のプレッシャーも感じます。

というのも、塾に通っていることを長女の友人の親御さんたちなどに話さざることを得ないことがあるのですが、かなりの確率でドン引きされるのです。「火曜日の学校帰りにうちに遊びに来ない?ごはんのあと、送っていくから」「あー、その日は・・・」「じゃ金曜日は?次の日学校ないから、そのまま泊まっていって!」「あーーー、その日も・・・」みたいな感じです。

なお、cram school(=塾)というと「は・・・?」となるので(そもそも概念を理解してもらえない)、私はあえてJapanese after school (日本語の課外授業)という言い回しで説明しているんですが、それでも驚かれます。

人種によって反応は違うんですが、簡単にまとめると、次のような感じ。

 

アジア系:同調してくれる
「うちもそろそろ考えないと。今からしっかり勉強させておかないと、帰国後大変よね~。」
「インターの算数、簡単すぎるわよね。あれじゃ心配よね。」(byインド人ママ)
「うちの子も漢字はかなり怪しくなっているわ。漢字学習は本当に大変よね・・・」(by中国人ママ)

 

アメリカ人、イギリス人:自分とは違うけど、そういうもんだとわかってくれる
「あー、そうなのね。アジア人って本当にみんな教育熱心よねー。」
「親戚に中国系と結婚した人がいるから、アジア人が教育熱心なのは私もよく知っているわ。子供のうちからすごく勉強するのよね」(byうちの学校の校長、イギリス人)
「知り合いの日本人のご家庭のお子さんも、土曜日に日本の学校みたいなところに通っていたわ。日本人は最初は英語で苦労するけど、本当にみんなよく勉強するから、そのうち学校でも抜群の成績を取るようになるのよね。」(byアメリカ人)

 

大陸系ヨーロッパ人:ドン引きモード
「えっ!学校外で勉強してるの?なんのために?」
「入試?なにそれ?中学校から私立?なんのために?」
「日本語もそんなにやらないといけないの?」
「学校で英語をしっかり学ばせれば、将来仕事には困らないんじゃない?」
「うちの学校、宿題も結構あるでしょ?一日何時間寝ているの?うちの子は10時間は寝ているけど・・」
「子供は勉強だけじゃなくて運動も大切よ!」

 

ちなみに長女の場合、塾に通っているといっても、週2日/2教科のみ。宿題も最小限のものにしてもらっていて、自宅での学習時間は1日1時間程度ではないかと思います。ちなみにこの年末年始は2週間超の長期旅行に出たため、ほとんど勉強しませんでした。というわけで、普通の日本の中学受験組に比べれば、非常にゆる~いです。ゆるゆるです。

そんな状況でも、ドン引きされます。

国にもよりますが、ヨーロッパ人の場合、バリキャリ系のママでも、「子供には子供らしい時間が必要」という考えが強いように思います。大人の働き方についてもワーク・ライフ・バランスを重視しますが、子供についても同じ。学校は勉強する場所で、家庭はくつろぐ場所。小学生のうちは、家庭での教育は、学校での学習のフォローアップ程度にとどめているのが通常で、「先取り学習」も「塾」も、そもそも概念自体がないんじゃないかと思います。

そんなゆとり教育でも、国民1人あたりGDPは日本よりはるかに高かったりするので、「なぜそんなに勉強しなければならないの?」という彼女たちの疑問は至極もっとも。「英語と日本語は言語系統が違うから維持が大変なの」「Mathも日本は進度が違うから」などと言ってごまかしているものの、私も内心もやもやします。

 

周囲には、日本の教育制度に見切りをつけ、「子供の教育は海外で」という方向性の日本人家庭もあります。ただそういうご家庭は、親が海外でも十分に稼げる状況にあるか、家族が国内外で離れて生活することを前提とした計画を立てているかのいずれかで、我が家は真似することができません。いずれの日本の教育制度に戻すことを考えれば、日本の勉強も捨てられないのです。

というわけで、結局今は、以下のような方針になっています。

「日本の中学受験のための勉強(国算)は継続する。ただし、長期的視野に立った場合に役立たない勉強は、どんどん捨象する」

そんなこんなで、「やらなくていいこと」を見つけるのが、最近の私のお仕事になりつつあります。負け犬の遠吠えみたいでかっこわるいですが、背伸びをして難関校に入って深海魚になっても苦しいだけ。今の子供の特性を無理なく伸ばしつつ、無理のない範囲で勉強をつづけて、そこでご縁があった学校にお世話になろうと思っています。

外国人からみた日本の中学受験” に8件のコメントがあります

  1. こんにちは。久しぶりに書き込みさせて頂きます。
    中学受験準備中ですが、やりつつもこれだけの時間をかけることや、時間をかけて覚える内容に対しての疑問は正直払拭できないんですよね。。漢字のとめ、はねをかなり厳しくチェックしたり、日本中の地理を暗記したり。でも、それがルール。なので、我が家も国算英を中心とした方を注力するか、4教科で選択肢を拡げるべきか悩み中。いずれにしても、オンライン英会話で色んな方と話しても驚かれるので、やっぱ異常だなぁとは思ったりします。帰国前はまだまだ余裕じゃない?と思ってたら、日本でのみなさんの注力ぶりに驚かされました。
    ちなみに私も塾に行くという表現をcram schoolと表現していたのですが、通じないので使うのやめました。きちんとした英語発音できる長女がアメリカ人(他にもイギリスやオーストラリアの人)の方に言っても、ほぼほぼ通じませんでした。おそらく20人くらいには言ったはず。
    after schoolと説明することも多かったのですが、いつも授業を受けているアメリカ人の方に一番しっくりくる表現を教えてもらったら、prep, prep school, preparatory school と教えてもらったので、最近は “prep school”にしてます。長女にも伝えておきました。長女は私と一緒に辞書で調べたので。どれが正しいかの取捨選択できず。。。

    1. Sパパさんごめんなさい!最初に書いていただいたコメント、スパムフォルダに入った状態になっていました。コメントにスパムフォルダなるものがあることを知らず、今日まで気づきませんでした・・・ごめんなさい。

      そしてとても参考になるコメント、ありがとうございます。cram school、通じませんよね。辞書だと、塾=cram schoolになっているんですけどね。私はジャパニングリッシュなので、”Club school??”とか聞かれたりしました。で、rの発音を直して再度伝えてみても、通じたり通じなかったり。唯一分かってくれたのは、日本にいたことがあるアメリカ人の先生でした。なるほど、prep schoolという言い方もあるんですね。今度はそっちを使ってみようかな。

  2. すみません、いくつか追記させて頂きますー。

    >「入試?なにそれ?中学校から私立?なんのために?」
    20人くらいのアメリカ人や、イギリス人の方に中学受験のことを話したら、やっぱり驚かれますね。何というか中学は公立が普通でしょう。私の捉え方が間違ってなければ、何ともまぁ、セレブなことさせるのねぇというようなニュアンスも言葉に含まれているように感じます。

    >そんなこんなで、「やらなくていいこと」を見つけるのが、最近の私のお仕事になりつつあります。

    これも日本の中学受験だとなかなか大変だなぁと感じます。というのは、他の家庭もみなさんそうやって習い事をやめ、その労力を全て中学受験に注いでくるので、やらざるを得ないがやっても楽にならないという。。

    >周囲には、日本の教育制度に見切りをつけ、「子供の教育は海外で」という方向性の日本人家庭もあります。ただそういうご家庭は、親が海外でも十分に稼げる状況にあるか、家族が国内外で離れて生活することを前提とした計画を立てているかのいずれかで、我が家は真似することができません。

    私の周りにも何家族かいますが、今すぐ仕事やめても家族全員が一生暮らせて、子供をアメリカの大学卒業させるにも十分な資金のあるとても裕福な方々でした。。アメリカの留学費用は高い。

    1. こんにちは!コメントありがとうございます!

      ・英米人の反応
      なるほど~、確かに赴任をされている方でも、私立を選択されている方は少ないですものね。私はかなりぼやかして説明しているので、私の周囲のアメリカ人は補習校と塾の違いも分かってない感じです(汗)決まって「やっぱあなたもアジア人ね!」的な反応で、欧米大陸系の人と違うのが面白いです。

      ・「やらなくていいこと」さがし
      これは一般枠の場合は難しいですよね。「他の子が学んでいることを同じように学ぶ」のが鉄則になると思うので。
      我が家の場合は帰国枠だけど一般枠同様に四谷のテキストを使っているところに問題があるのかもしれません。先週は国語で文学史をやっていましたが、テキストにはかなりマニアックな作者/作品名がずらりと並んでいました。内容を知らずに作者と作品名だけ覚えても意味がないので、重要な作品に絞って解説し、覚えさせました。
      私が中学受験をした30年前、そして家庭教師をやっていた20年前と比べると、やっているテーマは大差ないものの、覚えるべきことはかなり増えている印象です。あと算数では、昔は応用問題だったような問題が普通に基本問題で出てきたりしている印象です。たぶんどこかの有名中学の入試に出ると、それが「デフォルト」化して、雪だるま式に増えているんでしょうね・・・。おそろしや。

      ・「海外教育」
      そうなんですよね、海外での教育、先立つものはお金です・・・。
      私の住む場所は質の高い高等教育がほぼ無料で受けられるので(大学もタダに近い金額)、現地校に子供を入れて、そのまま大学までというプランのご家庭も最近は増えてきました。なので富裕層ではなくても可能ではありますが、パパが現地雇用に切り替えるor家族別居のどちらかになりますし、学習言語が現地語になる点、リスクが残ります。難しいですね。

  3. こんにちは。
    >すみません、いくつか追記させて頂きますー。
    すみません、2つコメント書いたつもりで、自分が書いたコメントへの追記という意味でした。。。ただ、1つ目のコメントが失敗して反映するのが出来ていなかったみたいです。。Clematisさんの記事への追記でないので、すみません。。

    1. こんにちは!そうだったのですね~!こっちのサーバーが調子が悪かったのかもですね。済みません。
      いつも色々なことを教えていただき、本当にありがとうございます!

  4. 初めて拝読させて頂きました!我が家も日本の中学受験か、もしくは現地校へ思い切って行くか、悩み中です。。。文化の違い、とても参考になりました!ありがとうございました!

    1. こんにちは!コメントありがとうございます。
      kさんのところはこれから赴任でしょうか?
      現地校にして色々な経験をさせるか、日本人学校に入れてきっちり日本の勉強をさせるか・・・これは本当に難しい問題で、ご家庭によってかなり方針が分かれますよね。我が家の住むエリアでは、「日本語をしっかりやらせないと中途半端になって本人が困るわよね。子供をインター通わせている人達って、そういうこと何も考えてないのよね」みたいなことをおっしゃる日本人学校ママ組と、「海外にいるのに日本人学校で日本の勉強とか、アホみたいよね。せっかくのチャンスなのに」というスタンスのインターママ組の、水面下の対立構造が一部であったりします。他の家庭のことだし、どっちでもいいじゃん・・・という感じですよね(汗)
      お子さんの年齢やご性格、帰国までの期間などを考えて、ベストな選択をなさってくださいね。

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