知らないと損をする!EUの航空便遅延補償制度

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夏休みにアイスランドに旅行にいったときのこと。

帰りの飛行機の出発時刻が大幅に遅延してしまいました。搭乗開始のアナウンスがあった後も、なかなか列が進まず、周囲のみなさんのイライラはマックスモードに。

そんなとき、列の後ろに並んでいた人と雑談がはじまり、相手が「なかなか搭乗がはじまらないわね。早く飛んでほしいわ。」というので、「そうですね、でもあと30分遅れたら遅延補償が貰えそうだから、私はそっちの方がうれしいです。」と答えたら、「えっ?それなに?そんなのあるの!?」という話に。

ヨーロッパ人も知らなかったりする、航空券の補償制度。今日は、この補償制度について、私が調べたことや、我が家の経験などを記しておこうと思います。

EU規定261/04号の概要

EU内から出発する又はEU内に到着する航空便の場合、キャンセルや遅延、オーバーブッキングの場合等の補償が法律で定められています。日本の航空会社でも会社ごとに補償の定めがなされていますし、場合によってはクレジットカードの保険を使って補償を受けられることもありますが、EUの場合、EU規定261/04号という法律があって、全キャリア共通の条件で、かつ比較的大きな金額の補償を受けられることが特徴です。

ちなみにEU非加盟のスイス、ノルウェー、アイスランドについても、このルールは適用されます。LLCについても適用されますし、日系の航空会社であっても、EU離発着の便については適用対象となります。

さて、航空便をめぐるトラブルのうち、一番起きる可能性があるのは遅延ではないかと思いますので、遅延に関する規定を紹介します。簡単にいえば、「3時間以上到着が遅れた場合には飛行距離に応じて補償金が支払われる」という内容になっています。補償金の額は下記のとおり。たとえば日本~EU間のフライトの場合、1人あたり600ユーロが支払われるということに!取らぬ狸の皮算用ですが、家族4人での旅行であれば、600×4=2400ユーロ(約30万円)が支払われるという計算になります。

available at https://europa.eu/youreurope/citizens/travel/passenger-rights/air/index_en.htm

ただし、すべての遅延の場合に補償がなされるわけではありません。悪天候による遅延など、航空会社の責に帰さない事由による遅延は補償対象外です。これに対して、よくある「機材故障」の類による遅延は、補償対象です。

どのようなケースでどのような補償が受けられるのか、細かいことはEUのHPにきっちり記載されていますので、そちらをご覧いただけるとよいかなと思います。

我が家のケース

さて、冒頭で紹介したアイスランド旅行。結局は、2時間10分程度の遅延でした。3時間以上遅れれば、250ユーロ×4人で1000ユーロの補償を受けることができたんですけどね。残念!

家族旅行で大幅な遅延に巻き込まれたのはこの時くらいですが、一度、夫が海外出張の際に、出発が3時間以上遅れたことがありました。これはいけるだろうと思ってワクワクしながら補償の申請をしたのでしたが、ダメでした。下記はそのときにルフトハンザからいただいたメールです。

なんと「2時間59分の遅延なので補償対象外」とのことでした。ひ、ひどい(笑)

悔しくていろいろ調べてみましたが、オフィシャルレコードでは確かに2時間59分の遅延となっており、争っても勝ち目はなさそうでした。この「3時間」はあくまでも到着時刻(着陸時間)で判断されるというルールになっているので、仮に出発が3時間以上遅延しても、到着が3時間未満の遅延なら、補償対象外なんですね。

ちなみに夫によると、出発は3時間半以上遅れたはずとのこと。到着遅延が3時間を超えると航空会社も大損害ですから、燃料ガンガン燃やしてハイスピードで飛行したんでしょうね・・・。残念!!

 

鉄道の場合は

ヨーロッパでは鉄道の場合も遅延補償があるのですが、こちらはどうやら国や鉄道会社によっていろいろ違いがあるようです。

航空便についてはいまだ補償をいただいたことのない我が家ですが、実は鉄道に関しては補償を受けたことが2度ほどあります。細かいことは失念してしまいましたが、1度は50%の返金、もう1度は25%の返金だったように思います。家族4人、長距離での移動でしたので、いずれも結構な金額だったような。当日、駅の窓口で用紙をもらって必要事項を記入して、チケットと一緒に提出したところ、銀行振り込みできっちり返ってきました。念のため駅で電光掲示板の発着一覧を写真に取っておきましたが、不要でした。

 

以上、今回は、ヨーロッパの航空便の遅延補償について書いてみました。航空会社によっては、遅延が生じた場合、この補償について丁寧にアナウンスしてくれるところもあるようなのですが、どうやら乗客への告知は義務ではないようで、全くアナウンスしてくれない会社もあるようです。「知らなかった」で大損しないよう、ヨーロッパ旅行で航空便が遅れたときには、補償対象になるかどうかをチェックすることをお勧めします。

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