ひとりごと

ロールモデル

我が家が日本から欧州に引っ越してきて、もうすぐ4年になります。子育てには申し分のない環境であり、家族で欧州生活を堪能しています。

ここでずっと生活していくのもいいなと思いますが、その一方で、長女の中学受験、私の仕事、そして日本で私たちの帰りを心待ちにしている父母のことなどを考えると、そろそろ潮時だろうという思いも強くなってきています。まだ帰任の話は具体化していませんが、VISAの区切りである来年夏に本帰国になるのではと思います。

本帰国が見えてくるにつれて考えてしまうのが、帰国後の自分の働き方です。これまでの自分の働きぶりを振り返ってみると、20代はガッツリ働き、30前後で大学院留学と出産を経験し、30代は育児と両立しながらペースダウンして働き、40前後で夫の海外赴任とともに家事にシフトチェンジし(在宅で仕事も継続中)・・・と、だんだん仕事に割くエネルギーが落ちてきています。本帰国後はギアチェンジする予定ですが、さてどこまでギアをあげるのがいいのか、悩んでいます。

ギアチェンジにあたっては、今後のキャリア展望、収入、子育てとの両立等、いろいろな要素を総合的に考えなければいけません。これらに加えて最近考えるようになったのが、「子供のロールモデル」という要素です。もうすぐ思春期を迎える我が家の娘たち。ロールモデルという言い方より、「身近な参考例」という方が適切かな。母親としてどのような姿を見せるのが彼女たちにとってプラスになるのかだろうと考えています。

さて、そんなときに目にしたのが、日経DUALのこの記事。

異動や転勤も会社がくれる成長の機会と捉える「共働き子育てしやすい企業グランプリ2017」10位・住友生命保険相互会社【前編】/40~70代の営業女性のマネジメント経験し開眼、ロールモデルになりたい

「異動や転勤を通じて、幅広い業務を経験するチャンスをもらえます」

 2009年から同社では20時になると強制的にPCがシャットダウンされる仕組みが導入された。「夫がお迎えに行き、私が朝準備した夕飯を子どもに先に食べさせてもらう。私は20時ギリギリまで猛烈に働き、車を運転して20時40分に帰宅し、21時半に寝かしつける。毎日クタクタでした」

実家から程近い場所に家を借りた。「同居ではないですが、夕飯も両親と一緒に食べさせてもらい、別なのはお風呂ぐらい。日曜は休みましたが、土曜日も出る必要があれば、同様に出社している営業職員さんの子どもと自分の子どもを支部で遊ばせつつ仕事することもありました」。朝7時半には出社し、ルールギリギリの20時まで「毎日思いっきり仕事しました」。

子連れでの地方転勤も厭わず、むしろそれを自分の成長の契機と捉え、ひたすらに仕事に打ち込み成果をあげていった女性が紹介されています。現在小4と中1のお子さんがいらっしゃるとのこと、地方転勤時代に離婚をされ、シングルママとして子育てをされている模様です。とてもパワフルで前向きで、圧倒されます。

ご本人は「ロールモデルになりたい」と控え目なコメントをされていますが、日経からの依頼で会社がインタビュー対象者を選んでいるのでしょうから、すでに社内では女性社員の「ロールモデル」として認識されているのだろうと推察します。

記事を読むと、彼女が有能で責任感が強く、素晴らしい方であることはよく分かります。ただ、その一方で、彼女のような「スーパーウーマン」を会社がロールモデルとして提示することに、私はある種の危うさを感じます。一歩間違えば、他の女性社員に、「君たちももっと頑張れ」「時短?制度があれば当然使えるとでも思ってんの?」「地方転勤がイヤ?成長のチャンスじゃないか、会社に感謝しろよ」という間違ったメッセージを送ることになりかねないのではないかと。会社が示すロールモデルは、もっと多くの女性にとって身近な存在でなければならないし、共感と憧憬を抱かせるものでなければならないと思います。

会社と母親とでは、おそらくロールモデルの示し方は違ってくるだろうとは思います。ただし、いずれの場合も、ロールモデルの示し方を誤ると、間違ったメッセージを発信することになってしまうという点は共通しています。母親として、娘たちに対してどういうメッセージを発信するべきなんだろう?そんなことを考えつつ、今後の自分の働き方について、あれこれ思いをめぐらせる毎日です。

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