次女に続き、現在11歳の長女のインター入学後3年6か月の日本語力についても、備忘録を兼ねてまとめておこうと思います。
この半年の取り組み
今年の2月から日系の塾で国語を見てもらっています。使っているのは四谷大塚のテキスト、「漢字とことば」と「予習シリーズ」です。
この半年、「漢字とことば」はしっかり取り組みました。といっても「我が家にしては」という前提付きです。とりあえず一通りやったというレベルで、間違った問題の解きなおしなどはあまりできていません。
読解は「予習シリーズ」を使用。通常、日本の塾に通っていると、予習シリーズ+演習問題集+週テストの過去問集+週テストを受けて復習・・・という感じで、かなり演習量があるようなのですが、我が家は予習シリーズのみ、しかもそれすら全問こなせていな状況です。おそらく読解の演習量としては、一般的な受験生の3分の1程度なのではと思います。
読書については、ここ1年ほどすっかり洋書中心になってしまっていて、和書の読書量は激減しました。2~6月で読んだ日本の本はわずか数冊です。ところが7月に一時帰国をしたところ、今度は和書ばかり読むように。一気に10冊くらい読んでいました。本人にとっては英語だとか日本語だとかは関係なく、手の届くところに面白そうなものがあったら片っぱしから読むという感じです。長女向けの児童書を40冊くらい新たに仕入れてきたので、しばらくは和書の読書を楽しんでくれるといいなと思います。といっても学校がはじまれば友達から「本のおすすめ」を聞いてくると思うので、また洋書中心に戻りそうな予感がします。
現在の国語力
7月の一時帰国中、大手塾のテストを二回受けました。早稲田アカデミーの入塾テストと四谷大塚の組み分けテストです。
国語の偏差値は、早稲アカ入塾テスト>65>四谷組み分け>60 という感じでした。2つのテストの偏差値の差は受験層の差から来るものと思われます。親ばかですが、日本の公教育を受けておらず、日本語に触れる時間が圧倒的に少ない割には、なかなか健闘していると思います。この半年で漢字や語彙で着実に点数が取れるようになってきたのが大きいですね。
さて模試の偏差値だけみると十分な国語力があるように見える長女ですが、話す/書くという場面では、表現に稚拙な面が見受けられ、語彙が不足しているのを感じます。この夏は幼馴染のお友達と何度かお出かけしましたが、お友達が「●●は××なところが印象的だったね」なんて大人びた言い方をするところ、長女は「すごいじゃん!」「すご~い」「すっご!」と、「すごい」のバリエーションを変えるだけで会話をしているという・・・。もうちょっと色々な言い方ができるんじゃないかな~。これは家庭での会話に原因がありそうなので、親の私が注意しなくてはと思いました。
それから久しぶりに長女が日本語で書いた文章をみたのですが、あまりにひどくて愕然としました。美しくない上、わかりにくい文章になってしまっています。とりあえず私からは下記のようなことを指導しました。分かりやすい文章を書くコツって、別に誰かに教えられなくても自然に身につくものだと思っていたのですが、彼女の場合はそうではなかったようでした。英語だと比較的論理明快な文章を書く長女ですが、日本語だとだめですね。。。
<日本語で文章を書くときの注意点>
・一文は可能な限り短くする
・使う接続詞は厳選する
・「の」を3回以上連続してつかわない
・一つの文章のなかで同じ単語を二度使わない
・主語と述語、修飾語と被修飾語はできる限り近づける
次の半年の取り組み
基本的には次の半年も、「漢字とことば」を使った基礎知識の底上げに重点を置いて、これまで通りの取り組みを継続する予定です。
本当は「書く」ことも取り入れたいのですが、なかなか難しいですね。次女のように書くことを楽しむタイプではなく、家庭学習で「書く」ことを取り入れるのはちょっと難しい気がしています。さてどうするか・・・。
そして1年半後に迫った帰国子女受験。どこまで国語に時間を割くか、非常に悩ましいです。というのも、帰国枠受験の場合、①そもそも国語が受験科目にない学校、②国語が受験科目にあるものの重視されない学校、③国語についてもしっかり評価対象になる学校と、学校によって傾向と対策がかなり異なるのです。そして①や②を第一志望とした場合、英語に注力して受験対策を進めるのが一般的です。ちなみに帰国子女用の塾も、①②に強い塾と③に強い塾は全く別なのだとか。。。め、めんどくさ~。
我が家はまだ志望校を絞り切れていない段階ですが、せっかく勉強をするなら、長期的な視野に立って将来役立つことを学ばせたいと思っています。となると、国語を捨てるという選択肢はないです。ちなみに本人はドイツ語も中国語も頑張りたいそうで。。。こんな調子では英語に絞って対策してくる英語圏の帰国生に①②で立ち向かうのは難しいでしょうね。二兎を追う者は・・とよくいいますので、不安がないわけでなありません。ただ受験までまだ1年半あるので、次の半年は、まだ自由に四兎を追いかけさせてもいいかなと思っています。
語学教育に思うこと
2人の娘を比べてみると、同じ親から生まれた姉妹+同じ環境で教育を受けていても、日本語の運用能力にかなりの違いが出ているのを感じます。少ない勉強量で日本にいる受験生に負けない成績を出せる長女と、親の私が色々頑張ってみても成果がなかなか見えてこない次女。本当に違います。
この違いはどこからくるのか。身も蓋もありませんが、個人的には、「生まれ持ったものの違い」が大きいと感じています。といっても、長女>次女というわけではなく、特性の違いという感じです。よく本を読み、記憶力と事務処理能力に長けた長女は、テストでは本領を発揮しますが、作文など創造性が求められるものは大の苦手です。一方次女の方は、本は読みたがらないし、テストは苦手ですが、書くことは好き。自由な発想でキラキラしたクリエイティブな文章を書き、自己表現に長けています。ちなみに長女の特性は間違いなく私から受け継いだものです。次女については謎ですが、遺伝的な要因に加えて独特な生育環境が影響を与え、こうなっているのかなと思います。
語学学習についてはいろいろなノウハウが書籍や個人のブログなどで書かれていますが、たぶん絶対的な正解肢はないのでしょう。子供としっかり向き合い、長所を伸ばしながら短所を補う教育を施す必要があるのだろうと思います。