国際バカロレアPYPの集大成:Exhibitionとは

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日本はまだまだ新年度がはじまったばかりの時期。子供たちはようやく新しい先生やお友達に慣れてきたころなのではないでしょうか。

さてうちの子供たちのインターは、6月が年度の終わりとなります。Primaryは5年生までなので、長女は「もうすぐ小学校卒業」ということになります。卒業まであと2か月と思うと、感慨深いです。

国際バカロレア(IB)の場合、この時期の最大の目玉は、卒業式とその準備・・・ではなく、卒業研究とその発表(Exhibition)です。

 

国際バカロレア PYP Exhibitonの特徴

国際バカロレアのプログラムは、PYP(~5年生)、MYP(6~10年生)、DP(11~12年生)という3段階に分かれており、各過程の総まとめとして、卒業研究をやります。この3つの卒業研究をきっちり時間をかけて行うので、国際バカロレアのプログラムで学んだ子供たちは、大学に入ってから論文を書くのに苦労しないのだとか。

卒業研究と、その発表の場であるExhibition。子供たちの学校のExhibitionの写真は手元にないのですが、他校のもので非常に似た感じのものがあったので、リンクを貼っておきます。
Yokohama International School PYP Exhibition

 

卒業研究は、一見、日本の学校の「調べ学習」や「自由研究」に似ているように見えますが、実はかなり違います。違いをざっとまとめると以下のとおり。(※インターによっては内容に異なる部分があるかもしれません。あくまでも子供たちの学校の場合です。)

・テーマは、世界や身の回りで起きている問題にかかわるものであること。
・最初から最後まで一人でやるのではなく、クラスメイトや先生、保護者などと適宜コラボレートしながら進めること。たとえば研究テーマに関し専門知識を有する人が保護者の中にいれば、先生経由でメンターをお願いしたり、インタビューをアレンジしてもらうことも可能。
・単に興味を持ったことについて調べるだけではなく、その結果を生かして、社会を変えるアクションを何か起こさなければならない
・成果はExhibition(展示会)で各自が発表する。(学校内に生徒ごとにブースを立てて、ブースを訪問した他の生徒や親御さん、先生たちに対して、自分の研究成果をプレゼンをするというスタイルです)

 

一番ハードルが高いのは、「何かアクションを起こす」という点でしょうか。「調べて終わり」ではなく、「調べた結果、どんなアクションを起こしたか」が重視されるのです。多いのは、環境保護や動物保護→ファンドレイジング(募金活動)というパターンですが、これはあまりにも平凡すぎるということで、歓迎されていない模様。

思えば私自身は、親から、「子どもの仕事はしっかり勉強すること!」と教えられて育ちました。だから、子供のころ、社会のために自らアクションを起こすという発想になったことはありませんでした。社会貢献は大人がやることで、まずは「立派な大人」になれるよう、きちんと勉強をしなければと思っていました。

けれども考えてみれば、「大人になってから社会貢献しよう」などと考えていたのでは、結局なにもできない可能性が高いのです。成人して社会人になったら「もう少し仕事に慣れて余裕ができてから何かやろう」と考え、次は「今は子育てが忙しいから、子育てが社会貢献ということにしておこう」と考え、次は「親の介護が忙しいから、そのあとで」と・・・。子供のころから、社会のために今、自分に何ができるか真剣に考えるのは、とてもいいことだと思います。

現実問題として、小学生の子供にできる社会貢献は限られてきますが、一生懸命自分なりの方法を考え、実践していくことができれば、本人の大きな内面的成長につながるのではないかと期待しています。国際バカロレアのプログラム、知れば知るほど、よく考えられていて素晴らしいなと感じます。

 

長女との会話

そんなわけでこの2か月は大忙しになりそうな長女。以下は最近の長女との会話です。

長女「あー、学校の宿題も塾の宿題もあるのに、Exhibitionもあるなんて!絶対無理だよ~。いそがしすぎるよ~。」

私 「塾の宿題?やらなくていいよ。学校の宿題はちゃんとやってね。」

長女「え?やらなくていいの?宿題だよ??」

私 「いいよ。塾の先生に話をして、減らしてもらうよ。だけどExhibitionは大切よ。2か月きっちり全力でやれば、得るものがたくさんあると思う。興味を持ったことについて、学校と親ががっちりサポートして、2か月かけてプロジェクトをやるなんて、もう一生ないかもしれないからね。だからその3つのなかだとExhibitionが最優先。わかった?」

長女「えー!そうなの?えーと、塾の宿題もできると思う。やるよ。」

私 「いやいやいや、やらなくていいから!やらないで!」

長女「やる!やるってば!」

私 「うーん。まあ、無理しないでね。タスクはちゃんと優先順位つけてやらないとダメよ。無理そうだったらすぐに言うのよ。わかった?」

長女「うん、わかった。ありがとね。あっ!そういえばさ~、AちゃんBちゃんと3人で、大人抜きでお買い物に行きたいねって話をしていて。今度の土曜日、行っていいでしょ?交通費とごはん代だけちょうだいね。それと、Cちゃんとマイクラのプレイデイトやる約束もしているんだよね。平日は忙しいから、週末がいいかな。あとさ、Dちゃんとのプレイデイト、次の水曜日だったよね。行きたいけど、行くと塾の宿題が終わらなくなりそう・・・。あっ、Eちゃんと化石堀りに行こうって話もあったよね。この間天気が悪くて延期になっちゃったけど、絶対行きたいから、ママ、Eちゃんのママに、連絡してくれる?あーー、忙しすぎる!もう、どれを優先すればいいんだろう?」

私 「知らんがな!!!つか、自分の誕生日会、もしかして忘れてない・・?そろそろインビテーション準備しないと。」

長女「あっ!!忘れてた~。

私 「化石堀りは、天気よかったらこの日曜日に行こうって話をしているよ。それと別の日に、白アスパラ掘りも行こうって話になって、Eちゃんママが予約とってくれたよ。白アスパラもアンモナイトも、両方がっつり掘ろうね!楽しみ~♪」

長女「ええええええ!ママ、遊びすぎ!」

 

宿題をやるなという親と、宿題はやるべきと主張する子供。長女のこの意固地なところは、はてさて、いったい誰に似たのやら。

塾では基礎的なところをしっかり教えてもらって、普段の勉強はインター中心にと考えていたのですが、「みんながんばったね~」的なインターよりも、頑張ればきちんと数値で結果が返ってくる塾の勉強の方が、本人はやる気がでるみたいなのです。そんなわけで、最近ちょっと迷走中の我が家です(汗

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