インターに通っていても・・・NOと言えない日本人

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最近、長女について、友達がらみで小さなトラブルがありました。内容はほんとに些細なもので、プレイデイトに遊びに来てくれた友達から、家にあったスライム作りの材料を欲しいと言われ、断り切れずにあげてしまったというもの。その場で了承したものの、あとで激しく後悔したようで、お友達が帰った後にシクシクと泣いていました。長女いわく、ダメだといったのに、「お願い!」と何度も言われて根負けしてしまったとのこと、どうやらそれが心底悔しかったようです。

 

グローバルな環境で育っている長女ですが、メンタルは根っからの日本人です。特に、きちんと意見を言えない、そして嫌な時もきちんとNOと言うことができないという点が目立ちます。長女の周囲にはアジア系のお子さんや、欧米人でも比較的性格が穏やかなお子さんが多いので、押しが強い欧米人のお子さんとたまに遊ぶと、こういう小さなトラブルがしばしば起きます。

一方、内気な性格の次女ですが、面白いことに彼女は嫌な時にははっきりNOの意思表示をするようです。次女の周囲は8割以上が欧米人。きちんと意思表示をしないと損をするということを経験からわかっているのでしょう、きっぱりはっきりと「NO」を言います。押しの強い友達にもまれて強くなったんだなー。(こっちはこっちで、日本に帰った時にどうなるか心配ではありますが。。。)

 

今回の件を契機に、こういうときにどうしたらいいのだろう?ということを家族で話し合ってみました。スライムの材料くらいならまだいいのです。でも、彼女が大きくなって男性から言い寄られたときに、「NOと言い切れずに関係を持ってしまった」なんていうことになったら困ります。また大きくなってアメリカなどに留学すれば、薬物の危険も隣り合わせです。グローバルな世界で生きていくなら、きちんと「NO」と言えることは、とても大切だと思います。

さて、長女には、欧米人の場合、とりあえず自分の要望を相手にぶつけてみるという思考回路で、断られる可能性があることが分かった上で要望を出すことが多いので、断ったこと自体で相手が不快に思うケースは少ないという話をしました。その上で、友達からの要望の場合には、相手の気持ちを傷つけないよう、NOの理由を説明できるとベターだよねと話をしました。たとえば今回のようなケースなら、それが自分にとってどれだけ大切かということを話せば、相手も納得するのではという話をしました。

長女は、「でもそれでも、NOって言ったら、勝手に持って帰っちゃうのでは・・」と言うので、「もしそんなことがあったら、そこからは私が対応する。それは窃盗という犯罪だから。相手の親にも話すし、学校の先生にも話す。そこまでいったら、あなたが一人で抱え込む必要はない。」と伝えたところ、少し安心したようでした。

あとは、こちらから何かオファーをする際には、予め条件を明示することを提案しました。たとえばこの季節になると、私はプレイデイトに来てくれた子たちを近所のジェラートショップに連れていくことが多いのですが、行く前に必ず、「普通のクーゲル(シングル)でいい?うちではそういうルールになっているから。もしそれでいいなら、行こう。」と話すようにしています。でないと、2段3段のジェラートや特殊なトッピングを要求する子が必ず出てきて、私も嫌な思いをするし、遠慮をしてクーゲルにした子も複雑な気持ちになるからです。今回も、スライムの材料を少しあげたら、もっと欲しいと言われて大半をもっていかれたということだったので、「あげるなら最初からどのくらいならOKか言って、その時点で『合意』をとりつけておきなさい」と話をしました。

家族と話をして、長女も気持ちが落ち着いてきたようで、「うーん、わかった!次からは頑張る!」と言っていました。大丈夫かな~。次はきちんとNOといえるかな~。親の私もドキドキです(笑)

 

そういえば長女が、こんな話もしていました。

「●●ちゃん(日本人)のおうちにいってスライムづくりをしたときにね、●●ちゃんがホウ酸(スライムづくりの材料)を持っていたの。●●ちゃんが『ちょっと持って帰る?』って言ってくれて、でも私は悪いなって思ったから、欲しかったけど『いいよ、ありがとう』って断ったの。でもね、家に帰ってきて自分のバッグをあけたら、ホウ酸が入った袋があったの!急いで●●ちゃんにメールしたら、『使ってね♪』って・・。私が欲しいって思っていること、わかってくれたんだ~ってすごくうれしかった!」とのこと。

うわー、なんて素敵な心配り。そしてとっても日本人的ですね。こういう風に相手の気持ちを推し量って行動できるきめ細やかさも、とても大切だと思います。つ~か、これまたスライムの材料かい!(笑)

 

きちんとNOと言えること。相手の気持ちを推し量って行動できること。相手とシチュエーションに応じて両方を使い分けることのできる子になってほしいなと思いますが、さてどうでしょう。

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