子どもたちの学校もいよいよ冬休みに入りました。我が家の「おうち冬期講習」、1日目のカリキュラムは、モーツアルト「魔笛」の鑑賞でした。
さて「魔笛」を鑑賞して、びっくりしたことが2つありました。
一つ目は、ザラストロの家来たちの衣装が浴衣だったこと。「な、な、なぜ浴衣?」と我々親子は衣装にくぎ付けに!(笑)一応舞台はエジプトということになっているはずなのですが、あれは確かに日本の浴衣でした。。
そして二つ目は、次女の友達のAちゃんが子役で出演していたこと。全く聞いていなかったのでびっくり!幕間にパパに聞いたところ、毎週土曜日に劇団に通って3時間のレッスンを受けているとのことでした。歌1時間、ダンス1時間、演技1時間というカリキュラムだそうです。ヨーロッパのオペラ人材はこうやって幼少時から育成されていくんだなと感じました。
劇場ではインターのほかのご家族にもばったり会いました。ママいわく「去年も同じ時期に家族で魔笛を見たのよ。やっぱりいいわよね」とのこと。お子さんは7歳の男の子なんですが、「ドイツ語だけど、ストーリーわかった?僕が教えてあげるよ!えとね、まず最初にね・・で、すごいところはね・・・」と、解説してくれました。7歳で魔笛について語れるとは!
子どもとの鑑賞に向いているオペラの演目
ヨーロッパに住んでいると、オペラは身近な娯楽です。日本では考えられないくらいお手軽な料金で鑑賞することができます。
ただし子供向けの作品は意外に少ないです。昔の庶民の娯楽ということもあり、ロマンスが題材になっているものが多いですし、そうでなくても微妙にエロチックな演出がなされていることがあったりします。
オペラをのべ500回以上も鑑賞しているという「オペラおたく」の友人に言わせると、子供と一緒に楽しめるおすすめの演目は、ずばり2つ。モーツアルトの「魔笛」と、フンパーディンクの「ヘンゼルとグレーテル」だそうです。他にも色々あるようですが、鉄板はこの2つだとか。
モーツアルト「魔笛」
これはもう、紹介の必要すらないかもしれませんね。異国のイケメン王子が、ひとめぼれした夜の女王の娘を救いに行くという物語です。メルヘンチックな設定でコミカルなシーンが多く、子どもでも楽しめます。
超絶ソプラノの「夜の女王のアリア」が有名です。
フンパーディンク「ヘンゼルとグレーテル」
こちらは日本での知名度は低いかもしれませんが、欧州、特にドイツ語圏では抜群の人気を誇るメジャーな演目です。なぜかわかりませんが、毎年上演は12月~1月と決まっている模様。我が家は一昨年、見に行きました。グリム童話の「ヘンゼルとグレーテル」をベースにしたストーリーですが、お母さんが実母で善人なところがちょっと違います。
子どもとオペラを鑑賞する際の注意点
・席のチョイス
オペラを見る劇場は客席が緩やかに傾斜しており、基本的に大人であればどの席でも快適に鑑賞できるようになっています。そう、「大人」なら。ロンドンなどに多いミュージカル専用劇場などと違って、歌劇場の場合、席に置く高さ調整用のクッションもないことが多いですから、席のチョイスは事前によく情報収集をした方がよいです。
・ドレスコード
これは劇場によってかなり異なります。格式高い劇場の場合、大人の社交の場ですから、大人はもちろん子どもでもフォーマルスタイルの子が多く、カジュアルな恰好だと浮いてしまいます。逆に小さな劇場や新しい劇場の場合、フォーマルで行くと、これまた場違い感が半端ないです。事前に調べておくことが望ましいですが、迷ったら少しだけきれいめな恰好をしていけばよいと思います。
・事前に予習を
映画を見るときはストーリーの予習なんてもちろんNGですが、オペラの場合はしっかり予習して行って、ストーリーそのものよりも、歌や演出を楽しむ方がいいと思います。ちなみに字幕はウィーン歌劇場は日本語に対応していますが、その他多くのヨーロッパの歌劇場は対応していないのではと思います。ストーリーを追うために、英語の字幕を頭の中で必死に日本語に訳していたら、楽しめません。また、有名な曲をいくつかyoutubeで聞かせておくのがおすすめです。いくつかある「山場」は他の聴衆も楽しみにしていて、盛り上がりますので、その雰囲気に一緒についていけると鑑賞を楽しめると思います。
以上、子どもとオペラ鑑賞をする場合のコツなどについて紹介してみました。しばらくオペラのシーズンが続くので、近いうちにもう一演目、子どもと見に行きたいなと思っています。