インターのプレゼンの授業#4:プレゼンの評価項目

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今回は、子どもたちのインターで、プレゼンの評価がどのような点に着目して行われるのかを紹介してみようと思います。

こちらは先日長女がGrade 1を対象に行った「絶滅寸前の動物」に関するミニ授業に関する評価シートです。プレゼンの評価は、大きくわけて4つのポイントについて行われていました。

(ちなみにこの紙だけみると、とてもいい評価がついているように見えますが・・・チェック印は長女の自己評価です。まず子供が自己評価をして、その後先生と一緒に個別に振り返りをするそうです。ハイライターは先生が振り返りの際に入れています。)

 

1.Accuracy & Currency

1つ目の評価項目は、プレゼンの内容が正確かつ最新のものになっているかという点です。

リサーチの多くはインターネットでなされますが、その場合、正しくない情報や古い情報が含まれていることもあります。これはプレゼンというよりもリサーチ全般において該当することですが、常に批判的な目でリソースを検証し、正しい情報を見極めることが非常に重要とされています。

2.Copywrite(著作権)

2つ目の評価項目は、文献などの引用が正確に記載されているかという点です。

子どもたちのインターでは、引用はMLA Formatという形式で記載することが必要とされています。MLAフォーマットは、Modern Language Association of America (MLA)という団体が作った論文作成のルールで、大学などのレポートでも幅広く採用されています。

日本と異なり欧米では、きちんとしたcitationの記載が必須です。欧米では学術論文についてもルールに従った引用がなされていない論文は全く評価されません。思えば私自身もアメリカでの修士論文執筆の際にcitationで相当苦労をしました(300ページを超えるcitationのルールブックを辞書のように引きながら執筆する必要がありました)。子どもたちのインターでは小学生からMLAフォーマットを使うようで、驚きました。

3.CARP

これはスライドのレイアウトについての評価項目です。CARPって野球チームみたいですが、スライドやWebデザインの4つの基本要素の頭文字をとったものです。デザインについては以前別記事でまとめているので、そちらをご参照ください。

C  –  contrast
A  –  alignment
R  –  repetition
P  –  proximity

4.Presenting Skills

最後の評価項目が、プレゼンのスキル。具体的には、以下のような項目が評価対象となてちました。

①自信を持っていることが感じられるようなpostureで話せたか。
②クリアで大きな声で話せたか。
③聞き手とアイコンタクトをきちんととることができたか。
④スライドに依拠せずに自分の言葉で話すことができたか。
⑤聞き手に適した言葉を選んで話すことができたか。

面白いなと思ったのは、①のところ。ボディーランゲージではなく、postureが評価対象となっているんですね。Postureはうまく日本語に訳せないのでそのまま記載していますが、「体の置き方」みたいなイメージでしょうか。聞いている人が「この人は自信をもって話をしているな」と感じられるような立ち位置や姿勢、体や顔の向きになっているかという点がチェックされるようです。

 

以上、子供たちのインターで、プレゼンがどのような項目で評価されるかを紹介してみました。

ちなみに長女のプレゼンは動画で私も見たのですが、思ったよりもしっかりと話せていました。動画を見てふと気づいたのは、英語の場合、日本語よりも断然、プレゼンが楽だということ。たとえば、「1.Endangered Animals」というタイトルのスライドを使って話をする場合、日本語のプレゼンだと、「それではまず最初に、絶滅危惧種についてお話をさせていただきたいと思います。」という感じではじまるかと思います。これが英語だと、”Endangered Animals.”と、タイトルをおもむろに読み上げるだけで、それっぽくなるんですよね。すなわち英語の場合、プツプツと単語を言うだけでも、声のトーンやpostureに気を付けるだけで、かっこいいプレゼンができるのです。日本語だと前後の文脈を考えながら滑らかに話す必要があるので、難易度がぐんとあがる印象です。

海外の人のプレゼンをみているとみんな上手だなーと感心することが多いのですが、プレゼンのテクニック以前に、英語という言語がプレゼンに向いているんだろうなと思いました。子どもたちには、英語でプレゼン能力をしっかり磨いてもらい、将来的には日本語でも上手にプレゼンができるようになってもらいたいなと思っています。

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