東大生の親は「勉強しなさい」とは言わないらしい
最近教育関連の記事でよく見かけるのが、「東大生は親から『勉強しなさい』と言われたことがない」という話題。東大生対象のアンケートでそういう結果が出ているのだとか。東大生のママのインタビューなどでも、「うちは『勉強しなさい』なんて言ってことはありません(キリッ)」という内容のものが多い気がします。
「勉強しなさい」、確かにいい言葉ではないですよね。でも私、毎日のように子どもたちに言っていると思います。我が家の場合は一日にやる家庭学習の内容が曜日ごとに決まっているので、「今日はまだ公文終わってないよね?」とか「spellingのhomework、明日が提出日だよね?」とか、そんな感じです。
どうしたら「勉強しなさい」って言わずに済むんだろう?と考えみたんですが、よくわかりませんでした。しかしながら、よく考えてみたら、私も親から、「勉強しなさい」と言われた記憶が全くありません。
あれ、どうしてだろう・・・?ということで、改めて考えてみました。
学習環境や勉強の動機は人それぞれ
私の場合、まず、小4から大手の中学受験塾に通っていました。このときは、成績順でヒエラルキーが決まる競争社会のなか、いい成績をとって自分の地位をキープしたかったので、自らすすんで勉強していました。
入った私立中学は大学までの一貫校で、大学受験の心配はありませんでしたが、中高と比較的よく勉強していました。なぜかというと、まわりに、頭がよくて、家がお金持ちで、美人で、運動もできて、ついでにピアノもうまくて・・・みたいなスーパーな人がたくさんいたから。自然に、「何も取り柄がない私は勉強くらいはちゃんとやらないとヤバいな」と考えるようになったのでした。
小学校時代と中学生になってからでは、動機にやや違いがありますが、共通しているのは「自己肯定感を得るため」に勉強したというところでしょうか。別に勉強が好きだったわけでもなければ、探求心が旺盛だったわけでもありません。
「勉強しなさい」と言ったことがないという話だけきくと、いつも笑顔でのびのび子育てしているお母さんが連想されて、それで子どもが東大に入っちゃうなんて素敵だな~いいな~と思ってしまいます。でも、現実はちょっと違うのではという気がしています。東大生の多くは、シビアな中学受験を経験し、進学校から東大に入学しています。ちなみに東大新聞の調査によれば、東大生の65%が小学生時代に塾に通っていたとのことです。だから親のかわりに他の大人が「勉強しろ」と言ってくれる環境だった可能性は高いですね。あるいは私のように、勉強くらいしか取り柄がないからと頑張っていた子もいるかもしれません。
学習環境や勉強の動機は人によってそれぞれ違います。親が「勉強しなさい」と言う必要がなかったという表面的な事実のみ取り上げてあれこれ議論するのは、あまり意味がないのではと思います。
心の安定が学習意欲につながる?
最近Presidentに出ていた下記の記事。やっぱり「東大生の親は勉強しろと言わない」という点が話題になっていました。記事の内容は、親はスマホなどいじらずに子どもの話をきちんと聞くことが大切だというもので、この点は確かにそのとおりだなと思いましたし、私も気を付けなければと思いました。
でも、下記の部分は、どうも私の頭では理解できずでした。「勉強しなさい」などとガミガミいわず、親が子どもの話をじっくり聞く家庭のお子さんは、自主的な学習習慣があるとのこと。言い換えれば、「心の安定」があると、それが「学習意欲」につながる(両者間に因果関係がある)のだとか。
たとえば学習塾や進学校などで過酷な競争にさらされているお子さんの場合、精神状態が落ち着いている方がいい結果は出やすいのかなと思います。でもこの場合、「心の安定」はあくまでも「学習に適した状態」を構成する一要素にすぎません。「話をよく聞いてもらった子」と「学力が高い子」との間に相関関係はあるかもしれないけど、なぜ「心の安定」と「学習意欲」の間に因果関係が認められるのか、上記記事ではその肝心なところが説明されていません。どうも論理に飛躍がある気がします。
「勉強しなさい」と言っていいかは、環境次第では
結局のところ、「勉強しなさい」というべきかどうかは、子どもの置かれた環境次第なのではないかと思います。
受験塾や進学校に通っており、競争状態のなかで常に学習への強烈なプレッシャーがかかっている状態の場合には、親はサポーターに徹するべきで、「勉強しなさい」とさらなるプレッシャーをかけることはマイナスの影響が起きる可能性が高いように思います。
でも、外部からのプレッシャーが全くない状態だったら、話は全く違ってくるのではと思います。特に我が家のように日本の公教育を受けておらず、自宅学習が非常に重要な場合、子どもにあった学習計画をつくり、子どもの学習を見守るのは、親の仕事です。だから私は、子どもを褒めることもあれば、怒ることもあります。
日本のメディアを見ていて強く感じるのは、「優しくて穏やかで明るいお母さん」+「子どもはいい学校に行っている」という姿が、理想的な家族像として完全に定着していること。
でも、母親の子供に対するかかわり方は多種多様で、何か絶対的な正解があるわけではないのではと思います。「勉強しなさい」という言葉ひとつをとっても、善か悪か、簡単に白黒つけられる問題ではない気がします。「勉強しなさい」と言うことが必要な場面もあるんじゃないかな。だから、「『勉強しなさい』と言ってはいけない」なんて言ってはいけないんじゃないかと思います!笑
そんなわけで、私は、今まで通り、「優しくてめっちゃ怖くて明るいお母さん」でいようと思っています。これからも、子どもがさぼったら、容赦なく怒りますよ。「こら~!!!勉強しないなら、おやつ抜きだからね!!」って。
こんにちは。私は横で勉強をみてます。集中力をあげないといけないので、横で一緒に勉強してます。教えながら合間合間に英語の新聞などを読んでいる感じです。あと、少なくとも長女はなりたい職業が昔からあるので、なるには勉強が必要とロジック的にも説明してます。長男はまだ小さいですが、出来たり頑張ったりするとすごい褒めるようにしてます。
コメントありがとうございます。
一緒に勉強、すばらしい。我が家も海外に来てから夫の帰宅時間が早くなったので、夫に子どもの勉強をよくみてもらっています。
私の場合、子どもの勉強をみていると、イラッとしてつい怒ってしまうことが多いのですが、夫は辛抱強く子どもの学習につきあってくれるので、とても感謝しています。きっとSママさんもSパパさんにすごく感謝しているんだろうなと思います。
Primaryの長女はまだいいのですが、Kindergartenの長男(ローカル学校)がまだ勉強癖が付いていないので、私も妻もイラっとすることは多いです。。。何とか集中力つけさせないといけないなと思っているんですが、何かの本を読んだ際に勉強しなさいと言うだけは効果がほとんど出ずに、一緒に横で勉強する(=時間を費やす)と効果が出るというのをみたので、とりあえず実践してます。。。