今日は、子供たちのインターの体育の授業(Physical Education。略してPEと呼ばれています)について書いてみたいと思います。
ちなみに私、大の運動音痴。逆上がり→できません、二重とび→飛べません、徒競走→いつもビリ・・・という感じで、体育の時間のたびに、惨めな思いをしていました。なので、体育の時間は大嫌いでした。だからいつの間にか、運動=楽しくないという意識になってしまっていたように思います。
子どもたちも私同様、運動神経はよくないので、運動よりはアート系の方が好きです。ただそんな彼女たちも、インターのPEの授業は大好きだといいます。みんなで体を動かしてワイワイできるのが楽しいのだそうです。
子どもたちのインターのPEの時間は、まずウォームアップからはじまります。日本と同じような準備運動をやるのですが、日本と違うのは、バックミュージックがかかること。ジャカジャカジャンジャン、大音量の流行の曲と一緒に、体をリズミカルに動かします。
その後は、球技をやったり、ダンスをしたり、マットや跳び箱などを使ったエクササイズをしたり。メニューは日によって色々です。ちなみに球技は、バスケやサッカー、ドッジボールなど日本と同じようなものもありますが、インドアホッケーやテニスなどをやることもあるそうです。
あとは、Units of Inquiries(総合科目)と絡めて、走った後の脈拍を計測するなど、実験に近いことをやることもあります。また、たとえば10本の紐のついたバケツを10人で持ち上げてバランスを保つとか、パラシュートの生地をみんなで持ち上げてボールを上に投げあげるとか、企業のチームビルディング研修でやるようなアクティビティをやることもあります。
ダンスなどは各国で流行しているものを習ったりもします。そういえばちょっと前にPEの先生から「日本で流行っているダンスを教えてくれ」と言われて、妖怪体操とエビカニビクスのyoutubeのリンクをメールで送ったのですが、どうやら採用されなかった模様(笑)。でも、そういう取り組みを検討してくれること自体が、とてもうれしかったです。
総括すると、日本の体育の授業が「実技」に焦点を置いているのに対して、インターのPEの授業は、運動を通した学びやIB Lerner Profileの実現に主眼を置いていると言えます。だからうちの子のような運動が不得手の子でも楽しいんですね。
運動能力は遺伝による部分が大きいので、「できる」「できない」がはっきり分かれます。すぐにできるようになる子もいれば、どれだけ頑張ってもできない子もいる。にもかかわらず、「できる」というゴールに向けた努力が常に要求される日本の体育の授業は、運動能力が劣る子供にとっては、苦痛以外の何物でもないと思います。
「今日もPE、すごく楽しかった!」と目を輝かせる子どもたちの様子を見ていると、ああ、私も子どもたちのインターのような授業が受けたかったな~とつくづく思います。
大人になったときに運動の技量で生計を立てていくことになる人は、ごくごくわずかです。逆上がりができる/できないよりも大切なのは、運動を好きになって、運動を習慣にして、健康な体を維持すること。日本の体育の授業ももっと変わっていくといいのになと思います。