夏休みもいよいよ終盤、来週から新学期がはじまります。
今年の夏休みも、我が家はクルーズに参加しました。今回乗ったのは、東地中海をめぐる船。乗客定員約2,700人と中規模のクルーズ船だったのですが、サントリーニとミコノスが入った人気のギリシャ航路だったため、170人もの日本人が乗っていたそうです。大半は欧州駐在のファミリー層で、我が家同様、小さなお子さん連れのご家族が多かったです。船内ではあちこちから日本語が聞こえ、なんとも不思議な感じでした。
クルーズ旅行のPros & Cons
クルーズのいいところは、なんといっても「楽」なこと。食事や移動にあれこれ悩む必要がなく、寝ている間に次の場所に運んでくれるので、すごく楽ちんです。毎日数時間だけ観光して、後は船でダラダラ。プールに浸かったり、読書したり、ショーを見たり、おやつを食べたり、昼寝したり。子どもに負担がかからず、マイペースに旅を楽しめるので、助かります。
カジュアル船を選べば、料金もリーズナブル。我が家の場合、今回は7泊8日でトータル35万円くらいの出費でした。クルーズ旅行の場合、宿泊、移動、食事すべて込みです。部屋にこだわったり寄港地でのオプショナルツアーに参加したりするともっと高くなりますが、我が家は部屋は寝る場所と考えているし、寄港地での移動も自力なので、このくらいに収まります。夏のピーク時の値段ですので、オフシーズンならもっと安くなります。
一方マイナス面としてあげられるのは、サービスが全体的にいまいちなところ。(※手軽な値段のカジュアル船の場合です。高い船だと違うと思います。)一日中食べ放題なビュッフェはいつも混んでいるし、天気がいい日はプールサイドのデッキチェア争奪戦も激しいです。夜は指定された席でゆっくりフルコースの食事ができますが、食事の質はあまり期待できません。船という限られた空間で快適に過ごすには、サバイバルスキルorお金が必要なので、ストレスを感じる方もいると思います。
また、クルーズ船が立ち寄る寄港地は、観光地化されているところばかりです。ヨーロッパは観光地化が進んでいない歴史のある小さな街の方が味わい深いので、旅慣れている方は物足りなさを感じるかも。
(真夏の太陽が大好きなヨーロッパ人。プールサイドの混雑ぶりが分かりますでしょうか?行列はきらいなはずの人たちなのに、ジャグジーには行列が・・。)
以上、ProsもあればConsもあるクルーズ旅行。我が家は気に入っていて今回で3回目の参加となりましたが、欧州駐在でもリピートしている家庭は少なく、人によって合う/合わないがあるようです。今回のクルーズでも、船長主催のカクテルパーティー(リピーターのみ招待)に参加していた日本人はわずか2家族で、リピート率の低さを感じました。
クルーズ船の選び方
JTBなど多くの旅行会社は、クルーズ船を、①カジュアル・クラス、②プレミアム・クラス、③ラグジュアリー・クラスの3段階に分けています。
我が家が利用しているMSCやCOSTAは、カジュアル・クラス。このクラスは子ども料金が基本無料になっていることが多く、家族連れがとても多いです。ちなみによく議論されるのが、MSCとCOSTAのどっちがいいかという点ですが、個人的にはどちらでもそんなに変わらない気がします。両方イタリアの会社なので雰囲気も料理も客層も大差ありません。むしろ着目すべきは「船」だと思います。新しくて大きな船ほど、設備が充実していて子連れには楽しいです。夏の旅行ならデッキプランでプールの広さも事前にチェックした方がいいかもしれません。
ちなみにインターのお友達などに聞くと、プレミアム・クラスを利用しているご家庭が多いです。長女の仲良しのWちゃんちは、プリンセス・クルーズのリピーター。豪華なドレスを貸してもらってパーティーをしたりとか、ぬいぐるみを作るワークショップがあったりとか、女子向けのイベントが色々あって楽しいそうです。MSC/COSTAクラスだと、ワークショップは塗り絵や折り紙レベルなので、やっぱり値段が高いクルーズは違うのだなあと感じます。
それから日本人率は航路によって大きく異なる印象です。東地中海(エーゲ海、アドリア海)は日本人に人気で、日本人の係員が乗っていることが多いです。船内新聞も日本語版が準備されています。これに対して、昨年乗った北欧クルーズは、乗客3700人のうち日本人は一桁でした。あまりにアジア人が少ないので、夫は何度も船会社の係員と間違えられていました(船員はアジア系が多いため)。最初のクルーズですと日本人係員が乗っているメジャーな路線の方が安心かもしれません。
気になるクルーズ船
欧州クルーズは、ここ数年、シリア情勢の悪化に伴い、エキサイティングな航路がかなり減ってしまっています。
2年前に我が家が参加したのは、ギリシャ・トルコをめぐるもの。世界遺産をたくさん見れるとても魅力的な航路だったのですが、今はないです。アフリカに寄港する航路も、チュニジアでのテロ発生以降、なくなっていると思います。一度は行ってみたい、でもわざわざ飛行機に乗っていくほどでもない、という場所をめぐるのにクルーズはちょうどいいので、こういう航路がなくなってしまったのは、仕方がないとはいえ、残念ですね。
一方、最近はMSCを中心に新規大型船の就航が相次いでおり、「船」選びは楽しくなっています。
個人的に気になっているのは、来年3月デビューのMSCベリッシマ。乗客定員は5700人程度(すごい!!)、シルク・ド・ソレイユが乗っているそうです。現在販売されているのは西地中海をまわるルートのみ。この航路はナポリが寄港地に入っており、子連れ旅行におすすめです(ナポリは近隣にポンペイ遺跡があるのですが、個人で行くのはかなり大変です)。
昨年就航したAIDA Primaも気になっています。これは日本の三菱重工が長崎の造船所で造ったクルーズ船。日本で造られたクルーズ船のなかで過去最大とのこと。納期遅れにより三菱重工が1600億円もの特別損失を出したいわくつきの船でもあります。ちなみにAIDAはドイツの会社で、乗船客の多くはドイツ語圏の人。船頭に大きな目玉が書いてある外観がインパクト大です。子どものドイツ語の勉強になるかな~と以前から気になっているのですが、私がドイツ語を話せないのと、日系旅行会社での取り扱いがないのとで、ハードルが高いです。バルセロナ~カナリア諸島のルートが面白そう。
以上、クルーズの選び方について書いてみました。
次回は子連れクルーズ旅行の持ち物について書いてみようと思います。