日本からは遠いヨーロッパですが、子ども連れで楽しめる旅行先がたくさんあります。個人的なおすすめは、英語での体験を重視するならロンドン、歴史を学ぶならべルリン、リゾートでのんびりならカンヌやプロバンス、街歩きを楽しむならベネチア、そして現代芸術を満喫するならバルセロナ。
今回紹介するバルセロナは、スペイン1の観光都市です。バルセロナ在住の友人によると、最近は観光客が増えすぎてしまってAirbnb物件が激増し、そのあおりで一般市民向け住居が減少して、深刻な社会問題になっているとか・・・。裏返せば、観光客にはそれだけ魅力的な都市ということになるでしょうか。
バルセロナには様々な観光スポットがありますが、一番の目玉はガウディの建築物。破天荒なデザインで有名なガウディですが、実はその作品には機能性も兼ね備えたものが多く、実際に建築物を訪れてみると、彼が唯一無二の天才だったことがよくわかります。
サグラダ・ファミリア
言わずと知れたバルセロナの象徴。以前は完成まで150年とか300年かかると言われていたのですが、今はなんと、2026年完成予定になっています。
今でも十分巨大なサグラダ・ファミリアですが、中央部分の一番高い尖塔の建築はこれから。完成した後も楽しみですが、完成前に見学に行くのもいいと思います。下は今後の工事の流れの分かる動画。これが10年でできるとは。
超人気の観光スポットなので、チケットは事前購入が必須です。追加料金を払うと尖塔に上ることができます。尖塔にのぼる場合、生誕のファサードか受難のファサードのいずれかを選ぶことができますが、既に完成している生誕のファサードの方が人気です。私たちは生誕のファサードの券が売り切れで受難のファサードになってしまいましたが、建築中の様子を間近で見れるという点、受難のファサードも悪くないと思いました。ちなみに塔はエレベーターでのぼって螺旋階段(下記写真)でおりる形になりますが、長いこの螺旋階段はちょっと危険なので、6歳未満のお子さんは入れません。こういうところはヨーロッパの施設は厳しくて、パスポートでの年齢チェックが入りますので、注意が必要です。
バルセロナ一の観光名所ということもあり、とにかくすごい人ですが、教会内部は割と広いので、懸念していたほどの混雑ぶりではありませんでした(下記写真ご参照)。ただ、スリがいるといわれているので、持ち物には気を付けた方がいいです。ちなみに以前は、教会のまわりにロマの物乞いが多くて治安が悪かったようなのですが、いまは大丈夫です。
グエル邸
一番のお勧めスポットはサグラダ・ファミリアですが、その次にお勧めするとしたら、グエル邸。ここはガウディの支援者であり友人でもあったグエル氏の邸宅です。ちょっと地味な扱いのグエル邸ですが、比較的すいていること、入場料がリーズナブルであることから、子連れでどこかもう一つ回るなら、私はグエル邸をお薦めしたいと思います。
内部は華美ではないものの、高級な素材を使って丁寧に作られている感じ。家族の生活を考え機能的に作られていることもよくわかります。一方で煙突が立ち並ぶ屋上は、遊び心があってガウディらしさを感じました。下記写真は中央部分の吹き抜けから天井を見上げて撮影したもの。
ちなみにTrip Advisorなどでは、グエル邸より、カサ・ミラやカサ・バトリョの方が高評価です。我が家はカサ・バトリョに行きましたが、正直いまいちでした。理由は以下のとおり。
・狭いうえに大混雑で、常に係員が「前に進んでくださーい!」と叫んでいる。
・階段が狭くて上り下りが結構大変
・トイレが少なく、大混雑
・入場料もグエル邸の数倍!(※グエル邸と異なり、民間団体が管理・運営しているようです)
我が家は次女が「もうこんなところやだー」「外に出るー」と言い出したので、さっと見て、退散しました。小学校低学年くらいまでの子連れで行くのはきついかもしれません。
グエル公園
三番目のおすすめは、グエル公園。ガウディとグエル氏が計画した「理想の住宅地」が全く売れずに、のちに公園となった場所です。
中心部からすこし外れた場所にありますが、公園ですので、子どもは伸び伸び走り回ったりできると思います。
ただし、訪問時間はよく検討された方がいいと思います。我が家は「朝の方が空いているだろう」ということで朝一番に行ったのですが、後悔しました。この時間はアジア系の団体観光客が来る時間だったようで、入場者の8割が東アジア系(日中韓)でした。有名なトカゲの前は、記念写真を取ろうとする某国の方々の場所取り合戦が激しく展開されており、係員が「像にもたれかからないでください!」「離れてください!」と何度も叫んでいました。そんな様子にアジア系ではない方々が眉をひそめており、同じアジア系として気疲れしました。同じ混雑でも、午後などの方がもう少し快適に過ごせたかな・・・という気がします。
ちなみに夜間・早朝は無料で入れるようですが、治安の問題があるので、子連れでこの時間に行くのはお勧めできません。
ガウディお勧め本
ガウディ建築を見に行くにあたり、事前にやっておくべきこと。それはガウディの人生を理解しておくことだろうと思っています。ガウディの成功は、親友であり支援者であったグエルの存在なくしては語れません。このあたりの基礎知識があるかないかで、見方は大きく変わってくると思います。
そんなわけで、英語の子ども向けの伝記を探したのですが、これはというものは見つかりませんでした。日本語も学習漫画のようなものが2種類くらいあるだけ。これだけ有名な人なのになぜなんでしょうね。写真集とか塗り絵とかははあるんですけどね。
そのようななか、友人が「ガウディとおさんぽ」という絵本の日本語版を持っていることがわかり、我が家はそちらを借りて読みました。また、大人向けの日本語のガイドブックを一冊購入し、私が読んで子どもたちに解説しました。「ガウディとおさんぽ」は、結構いい絵本だと思います。バルセロナでは色々な言語に訳されたものが、あちこちの土産店で販売されていますが、Amazonにはないようなので、ぜひ現地で立ち読みをしてみてください(笑)
そういえば、以前別記事で紹介したLittle People, Big Dreamsシリーズの真似をして、Big Names for Small Peopleというシリーズが別の出版社から刊行されたようで、そちらから近々「ガウディ」が出るようです。我が家は購入していないので評価しがたいのですが、お値段も安いので、何か一冊ということであれば、こちらを検討してみてもいいかもしれません。
以上、ガウディ建築物&ガウディ本の紹介でした。