日本の老舗インターナショナルスクールの見学に行ってみた件

日本の学校 VS インター

日本の小学校に体験入学してもうすぐ2週間。2人とも、日本の学校生活を存分に楽しんでいます。保育園時代からの気の置けない友達とおしゃべりするのがとにかく楽しい模様。来年は長女は5年生になるので、夏に林間学校があるようなのですが、「私も参加したい!!絶対行きたい!」とのこと。さすがに体験入学では林間学校は難しいので、来夏は一旦住民票を日本に戻そうか・・・と考え中です。

そんなわけで日本の小学校にも問題なく馴染んでいる2人ですが、「今のインターと日本の小学校、どっちがいい?」と聞いたところ、2人そろって「インター!!」と即答。去年は「どっちも楽しい」と言っていたはず・・・。ちょっとびっくりしました。

理由を聞いてみたところ、
(長女)インターの方が、授業が面白い。
(次女)インターの方が、細かいルールがなくて気楽。
とのこと。

長女はともかく次女までも、自由にのびのび、自分らしくいられるインターの方が合っていると感じている模様。さあ、困った。うちにはそんなお金はないよー!汗

とりあえず見学に行ってみた

とはいえ、これまで日本のインターには見学に行ったことすらなかったので、まずは見学だけでもしてみようということで、早速、とあるインターナショナルスクールのアポイントをとり、夫と2人で見学に行ってきました。

老舗のIBインターで、なかなか日本人は入学できないといわれているこの学校。メールで学校見学の希望を出したところ、翌日にアドミッションの方が電話をくださり、現在の通っている学校のこと、海外滞在歴など、英語でいくつか質問がありました。海外IBインター在籍中、現在3年目で英語は問題なしと説明したところ、すんなりアポがとれましたが、場合によってはここではじかれるのかなという気がしました。ちなみに後で判明したことですが、このアドミの方、外国籍ながら、日本生まれの日本育ちで、日本語もネイティブレベル。しかし最初の電話のときは、こちらが日本人であることを知っているにもかかわらず、all英語。もしかしたら親の英語力もチェックされていたのかも・・・?汗

見学当日は、1時間半ほどかけて、アドミッションの方が建物内部をくまなく案内してくれました。通常はIBカリキュラムの説明からはじまるようですが、今回は我が家がすでにIB校に通っていることから、カリキュラムの説明は飛ばして、建物の内部をゆっくりと見学しながら、色々とお話をお伺いしました。

以下、よいなと思ったところと、いまいちだなと感じたところを、簡単にまとめてみました。学校名は掲載しませんが、わかる方にはわかるのではと思います。もし通っている方がいて気分を害されたらごめんなさい。「うちの子たちに合うかどうか」、そして「(我が家の資力からすると)非常に高い授業料に見合う価値があるかどうか」という観点からの私個人の意見ですので、その点ご了承いただければと思います。 裕福なご家庭の方から見たら、違うご意見があるだろうと思います。

よいな~と思ったところ

・IBのDP平均点が例年34点前後と安定しているとのことでした。2016年は34点、2017年はさらに上がったとのお話でした。進学実績もすばらしく、相当数が海外有名大に進学している模様。ISAについても平均を上回る結果をコンスタントに残しているとのことでした。
※DPの平均点は、受験する生徒を絞ったり、奨学金を餌に優秀なお子さんを入れることによって、ある程度あげることができます。実際そのような形で実績を作っているインターもあります。ただこの学校の場合そういう「操作」はしておらず、純粋に教育の質のよさがDPの結果につながっているように見受けられました。

・アドミの対応が素晴らしかったです。質問への回答も極めて的確。組織運営がしっかりなされていると感じました。

・Primaryは1クラス15人程度と小規模な編成。このくらいの規模なら担任の先生がひとりひとりの学習状況をよくチェックできそうです。ちなみにうちの子たちのインターでは1クラス20人を超えています。

・Secondaryのアート&デザイン系のクラスが充実している印象でした。服のデザインや3Dプリンター等の「インターあるある」的なクラスはもちろんのこと、日本ならではの陶芸の授業などもあって、うちの子たちが大喜びしそうな感じがしました。

・一等地にありながら、運動場や体育館などの設備もひととおり備わっていて、アクティブな男子生徒でも満足できそうな感じでした。

・夏休み中でも入口に警備員が複数立っていました。随所に地震用のヘルメットや防災頭巾が配備されていて、安全対策にも非常に気を使っているのが感じられました。

いまいちだな~と感じたところ

・全体的に建物や設備の老朽化が進んでいました。ヨーロッパのインターは、古いお城やお屋敷をきれいにリノベした校舎が多く、外見は古くても中身は最新式だったりするのですが・・・今回訪問したインターは、外観も内部も普通にぼろい感じでした。全体的に教室も狭く、備品類も古いものが多くて、息苦しい感じがしました。教室の机が会社の会議室にあるようなものだったのもガッカリでした。

・図書室も狭くて暗かったです。ゆったりくつろいで本を読める快適なスペースではないと感じました。また、英語・日本語ともに、蔵書数が少ない印象。ただ、新しい本も結構きちんと入っていました。英語・日本語以外の言語の書籍はほとんどありませんでした。寄付を募ればあっという間に本は集まるはずと思いますが、スペースがないのか、管理ができないのか・・・。ちなみに子供たちのインターでは図書室のほかに各教室にも本棚1~2個分の図書コーナーがあり、かなりの冊数がそろっているんですが、教室に本はほとんどありませんでした。

・日本人の生徒数を20%以下に制限しているという説明でしたが、Year Bookを見たところ、どうもそういう人種構成ではない模様。少し突っ込んで聞いてみたところ、約半数が日本国籍「保有者」とのこと(約2割が日本国籍のみ保有、約3割が日本と他国の二重国籍者)。要するに重国籍者は外国人としてカウントしているようです。Year Bookでも、日本語と英語のちゃんぽんのギャル語でコメントをしている子が目立ち、気になりました。多分生徒間の会話もこんな感じなんでしょうね・・・。

・上記とも関係しますが、Secondaryになると派手な子と地味な子の差が激しい感じがしました。派手でも地味でもない、おっとり真面目系のうちの子たちには、日本の学校の方が気の合う友達を見つけやすそうな気がしました。

・そして一番のネックは、学費がとても高いこと。授業料だけで年間260万円。他にも入学金や諸経費など色々かかります。初年度は400万の出費を覚悟しなくては・・・。

さあどうするか

とても評判のいいインターでなかなか入れないと聞いていたため、非常に期待して訪問した分、「あれ?」っと思ってしまったというのが正直なところでした。

建物が古いのは仕方がないのですが、個人的には図書室がシャビ―なのが引っかかりました。立派な体育館やサッカーグラウンドは一切要らないから、その分うんと素敵な図書室がある学校が、私の理想です!(笑)

ちなみにインターの予算って、だいたいどこの学校も7割くらいが人件費なのだそうです(子どものインターの先生から聞いた話なので違っていたらスミマセン)。学費が高いということは、いい教員を集めるためにその分お金を使っているということ。このインターの場合、DPの点やクラス規模などを見る限り、きっと教育の質は優れているのだろうと思います。とはいえ、夏休み中で先生や生徒に会えなかったので、この点について確証は得られずでした。

もしインターに進学させるならこちらの学校かなと思っていたのですが、見送り・・・かな?まあ、入りたいといっても、入れてもらえるかどうか分かりませんけどね。

しかしこれでとっても素晴らしい学校だったら、「やっぱりこの学校に進学させてあげようか」となったと思うので、ある意味ホッとしました!(笑)百聞は一見にしかず。見学に行ってよかったなと思いました。

インターナショナルスクールの選び方 我が家の経験から

「日本の老舗インターナショナルスクールの見学に行ってみた件」への2件のフィードバック

  1. 日本での滞在を楽しんでいらっしゃるようで嬉しく思います。今回の記事も興味深く読ませていただきました。
    IBやDPを通してみてみることなど学校評価のポイントがわかりやすかったです。
    うちも老舗インターを見学に行ったことはありますが、日本在住の日本人ということで電話で見学を断られたところもあり、日本で老舗インターへ通うということはだいぶハードルが高い印象でした。
    今年も暑い夏になりそうですが、バテずに素敵なお休みになりますように!

    1. あきさん
      こんにちは!コメントありがとうございます。あきさんのところはお子さんもまだ小さいのに、インターの見学にもいかれているのですね。さすがです。
      日本人はなかなか入れてもらえない+超高額な授業料ということで、妙にプレミア感が漂うインターですが、実際に見学してみると、「うわ、これは素敵!」「さすが老舗インター!」と感じる場面は、ほとんどありませんでした。普通の私学の方が、選択肢が多い分、子どもにあった学校を見つけやすいのかもしれないなと感じました。素敵すぎる学校でここに行きたいという話になると、学費の負担が大変なので、ガッカリしつつも、ほっとしました(笑)
      時間が許せば、比較的新しいインターの見学に行こうと思っていますので、またレポしますね!

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