ブログを書くことのメリットのひとつは、過去に自分が考えていたことを容易にトレースできることかなと思っています。自分の書いた文章を読んで、「そうそう、そうだよね」と思ったり、「それ違うだろ」とつっこんだり。意外に「それ違うだろ」も多かったりします。
下記は、自分のブログのちょうど1年くらい前の記事です。

「もしも英語教育をやり直せるなら、①やっぱり英語圏の学校に行かせたい、②低学年の間だけ日本のインターに行かせるというのもありだったかも?」ということが書いてありました。
1年経過した現在、どう思っているかというと、両方とも「ないな!」という感じ。(←オイ・・)
英語圏の学校にこだわるべきか
短期の留学などであれば、やはり英語圏の方がベターと思います。ただ、滞在3年以上になってくると、どちらでも変わらないような気がします。上達具合をグラフ曲線にしたとき、最初にぐっとあがるか、緩やかにあがっていくか、そこは違うのでしょうが、ある程度の期間になると、あまり違いはなくなってくるのかなと感じるようになりました。
むしろ英語圏の現地校より、非英語圏のインターの方が、多種多様な人たちがいてマルチカルチュラルな体験をすることができるし、第二外国語も学ぶことができる。日本人にも比較的なじみやすいというメリットもあります。また、欧州の場合、芸術や文化のクオリティがアメリカに比べて高いのも魅力的です。そんなわけで、アメリカ駐在希望→想定外の欧州非英語圏への海外転勤で「えー!」となった我が家ですが、今となってみれば逆に欧州非英語圏でよかったなと思っています。
ここ1年でそのような考えに至ったのには、もうひとつ理由があります。実は少し前に、夫にロンドン転勤の話があったのです。家族で相談し、ロンドンへ転居することのメリットとデメリットを慎重に分析した結果、ロンドンには行かないことにしました。
<メリット>
①現地校に行かせれば学費がほとんどかからない
②きれいなイギリス英語を身につけさせられる
③子どもたちも新しい場所でまた沢山の新しい出会いがあり、新しいことを学ぶことができるだろう
<デメリット>
①学校探しが極めて大変
②グラマースクール受験→帰国後日本の中学受験と、長女の負荷が重くなる
③新しい学校になじむまでに時間がかかる
びっくりしたのが、ロンドンでの学校探しの大変さ。公立校は、各校の教育レベル(共通テストの結果や第三者機関によるリサーチ結果等)が公開されており、ネットで閲覧可能です。これが便利といえば便利なのですが、その便利さゆえに一部の優良校に人気が集中するという事態になっているようです。住む場所を決めてからでないと応募もできないようで、よい公立校が多いエリアを見定めてエイッと引っ越し、それから応募することが必要な模様。引っ越し後のタイミングで狙った学校に空きかあるかどうかは運次第。正直、2人の子供を評判のいい同じ公立校に入れるのは非常にハードルが高いと感じました。また、公立の場合、中学からはレベルの高い子が行くグラマースクールとそれ以外の学校に分かれるので、もし公立に行くならば、長女はグラマースクール受験対策もしなければいけないということが分かりました。
公立一本に絞るのはリスクがありそうだったので、公立と並行して私立校・インターも調べましたが、評判のいい私立はどこも学費が200万円前後、IB系インターに至っては300万円超の出費を覚悟しなければならないという状況でした。
憧れのロンドン駐在でしたが、小学校高学年の子連れで行くのは現実問題としてかなり大変だと感じました。多くの方が日本人学校を選択するというのも納得です。ロンドンに行ったら行ったで色々収穫はあったのでしょうが、わざわざリスクを取る必要もないと判断し、現在の場所への残留で希望を出すことになったのでした。
日本国内のインターに一定期間通わせるという選択肢は?
小学校低学年のみインターに通わせ、高学年から日本の公立小学校に戻すというプラン。これも今となってみれば「ないな」という感じ。
小学校低学年は、外国語の習得が効率的にできる時期であることは確かなのですが、その一方で、母語の発達にとっても非常に重要な時期です。我が家でも、日本語が確立してから英語に触れさせた長女はともかく、次女については、やはり日本語力が心もとない部分があり、試行錯誤を繰り返しています。
それでも今は、私が家にいるので、子どもたちの日本語学習をある程度しっかり見ることができています。ところが日本にいながらインターに通わせるということになると、私もフルタイム勤務となるので、十分なフォローアップができません。ちなみにインターのなかには日本語の授業があるところもあるようですが、そういう「日本人向け」に門戸を広げているインターに入れても、色々と中途半端になってしまいそうな予感がします。また、インターに通わせることは就学義務違反になるので、途中から公立校へ転校させるというルートがうまく機能しない可能性もありそうでした。
色々考えると、もし日本で教育を受けさせるならば、インターに入れて中途半端に英語で学ばせるより、日本語でしっかり義務教育を受けさせながら、日常のなかで英語に触れる機会を少しずつ作って、中高のどこかでエイッと1年くらい単身留学させるという道を選んだほうがいいのだろうなと感じるようになりました。
以上、1年前の記事では「もしも英語教育をやり直せるなら」と題してあれこれ書いてみましたが、その後だいぶ考えが変わったので、改めて今考えていることを書いてみました。
もしかしたら1年後はまた違うことを感じているかもしれません。「それ違うだろ!」と、またまた自分で自分に突っ込んでいるかもしれない。あるいは、いつの間にかロンドンに住んでいて、「ロンドン最高!ヒャッホー!!」と言っているかも。こればっかりはわかりませんが、そういう部分も含めて、海外生活を楽しめればいいなと思っています。