我が家の長女は現在9歳、インターナショナルスクールのGrade 4になります。
以前から噂には聞いていたのですが、ついに学校で性教育がはじまりました。子どもたちの学校では、Personal, Social and Physical Education 、略してPSPEと呼ばれています。
性教育の在り方については、おそらく、日本の公教育とインターとでは違うところが色々あるのではないかと思います。今日は、子どもたちのインターの性教育がどんなものか、紹介してみようと思います。
ちょっと下ネタ風味になりますので、その手の話題が苦手な方は本記事は読み飛ばしてくださいね。
インター(Primary)の性教育
まず、性教育開始に際して、学校でGrade 4・5の保護者向けの説明会があり、教頭先生から詳細なお話がありました。実際に授業で使用するビデオも視聴しました。Grade 5が視聴予定のビデオでは、さまざまな体位でセックスをする男女のアニメーションが表示され、会場のあちこちからパパ・ママの溜息や唸り声が聞こえてきました。
子どもたちの通うインターの場合、Grade 4・5で学ぶことは以下のとおりです。
【Grade 4で学ぶこと】
男性と女性の体の違い
哺乳類とその他の動物との「誕生」プロセスの違い
思春期(puberty)に起きる心身の変化(概論)
【Grade 5で学ぶこと】
思春期(puberty)に起きる心身の変化(より詳しく)
ジェンダーの多様性
セックスとは
Grade 4の段階では、科学的な観点からの学習という色彩が強いです。受精により子どもができることまでは習いますが、実際に受精がどのようなステップでなされるか、詳細な解説まではなされません。ただし生徒からの質問内容によっては、少し踏み込んだ内容まで先生が話をすることもあるようです。
Grade 5になると、セックスという形で受精が行われることを学びます。同時に、ジェンダーの多様性(心身の性の不一致など)についても学んでいくことになります。
また、Grade 4、5を通じて、思春期にどのような心身の変化が起きるのか、それが何故なのかということをしっかり学ぶようになっています。
インターの性教育の特徴
(1)科学的に正しい知識を身につけさせることを重視している
子どもたちの学校では、Unit of Inquiriesという理科と社会の融合科目のなかで、人間の身体について詳しく学びます。性教育はその一環として行われる部分があり、サイエンスの学習という一面を持ちます。
(2)ジェンダーの多様性についても説明する
学校の説明を聞いてびっくりしたのが、小学校の段階でジェンダーの多様性まで教えること。心身の性の不一致がある場合、思春期にそのことに気づいて非常に悩むことが多いので、そういう事態にも対処できるよう、このタイミングで教えているようです。
(3)セックスは素晴らしいものだという価値観に基づいている
人と人が愛し合って、セックスして、そして子供が生まれる。セックスを汚らわしいものとしてとらえるのではなく、素晴らしいものだ(だから尊いものだ)という価値観を子どもたちが持てるよう、工夫しているようです。
保護者として注意すべきこと
教頭先生からは、家庭でのフォローアップについての説明もありました。
・性の話題について子どもと話すことのできる関係・環境をつくること。
・インタ―ネットの使用についてきちんと監視すること。Don’t ask Google!
・弟や妹が年齢不相当な知識を得ることのないよう、注意すること。
ちなみに我が家の場合、長女はいまだに「コウノトリ」を信じています。教頭先生に、「子どもから、『コウノトリの話はうそなのか?』『なぜ本当のことを教えてくれなかったのか?』と言われたら、どのように答えればいいですか?」と質問してみたところ、以下のようなお答えでした。
「異なる年齢の子供には、異なる説明(different stories)が必要です。『あなたは成長して、より正確な情報を得る準備ができたのよ。』と話をしてみてください。」
なるほど~。嘘じゃなくて、different storiesなんですね!
性の話題というのは、なんとなく後ろめたいというか、オープンに語れないような部分がありますが、堂々と「セックスは素晴らしいこと」と話す教頭先生の姿を拝見し、私も勇気づけられ(?)ました。子どもが真実を知って大人になっていくというのは、少し寂しい面もありますが、いずれは通る道。正しい知識を身に着け、ハッピーな人生が送れるよう、サポートするのが親の役割なのでしょうね。
そして・・・ついに知ってしまった!人の出生の秘密
ある日のこと。学校から帰ってきた長女がおもむろに言いました。
「あのねママ、今日学校で習ったことがあってね・・・ちょっと詳しく聞きたいんだけど」「〇〇ちゃん(次女)には内緒の話だから、〇〇ちゃんがいないときにね!」
・・・((((;゚Д゚))))ガクガクブルブル
その後、次女が夫と遊んでいるときに、別室で話をすることに。
部屋に入るやいなや、長女から、
「あのね、今日学校で色々習ったんだけどよくわからないことがあって。セックスってどうやってやるの???」
Grade 4ではまだ深入りしないはず・・・だったのが、子供たちからどんどん突っ込んだ質問が出てきてしまって、先生としてもそれなりに話をしなければならない状況になってしまった模様。まあ、そんな展開になるような予感はしていましたが・・・汗
先生からは、性器と性器をくっつけることをセックスというと説明を受けたようです。ただ、長女はどうやってくっつけるのかが想像できなかったようで、「間をつなげるパイプとかストローみたいなものを買ってきて、それでつなげて精子を子宮に入れるの?」と言っていました。「いや、精子は自分で動くから、普通に直接くっつけば精子は女の人の中に入っていくの」と説明したところ、「え!直接くっつけるの?そうなんだ・・・」と驚いていました。
そのあとも、色々な質問が出てきたので、当たり障りのない範囲(?)で回答しました。「ママとパパもくっつけたこともあるの?」「私が生まれたときはどんな感じでくっつけたの?」と聞くので、「さあ・・・どうだったかな・・・もう10年も前だから忘れちゃったな・・・」とモゴモゴ。だって本当に忘れちゃったしね!!
親子での会話でここまで緊張したのは初めての経験かもしれません。でも、女の子は自分の体を大切にしなければいけないこと、子どもを産むというのはとても素晴らしい体験であることを、長女にはきちんと伝えられたと思っています。
思えば私がこの種の知識を得たのは、中学生になってから。少しエッチなネタが含まれている雑誌を修学旅行の夜にみんなで回し読みして、知識を得ました。う~ん、なつかしい(笑)
私の時と比べると、真実を知るタイミングがだいぶ早いなと思います。でも、インターネットが発達している現代においては、性に関していえば、不健全な情報を得て偏見に染まる前に、正確な知識を得ることがより大切になっている気がします。そういう意味ではいい機会だったのかな。
以上、インターの性教育について、紹介してみました。