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コールデコット賞(Caldecott Medal)の絵本を選ぶ

英語本の表紙についているメダルの正体は

英語の本を読んでいると、表紙にキラキラしたメダルが印刷されたものに出会うことがよくあると思います。これらのメダルは、アメリカで児童書に贈られる有名な2つの賞-ニューベリー賞とコールデコット賞-のものであることが多いです。

ニューべリー賞とコールデコット賞は、いずれもアメリカ図書館協会の下部組織である児童図書館協会(ALSC)が選定しています。通常、ニューベリー賞はチャプターブック、コールデコット賞は絵本に贈られます。今日はこのうち、コールデコット賞について紹介してみようと思います。

コールデコット賞とは

コールデコット賞は、19世紀のイギリスの絵本作家、ランドルフ・コールデコット(Randolph Caldecott)にちなんだ賞です。コールデコットは、躍動感あふれる当時としては画期的な独特の画風で有名で、「近代絵本の父」などと呼ばれています。

コールデコット賞の対象となるのは、前年にアメリカで出版された本。候補5作品の中から選ばれた最優秀作品にMedal(金)、残りの4つにHonor(銀)が贈られます。金も銀も両方とも、メダルといえばメダルなんですが、一般に「Caldecott Medalをとった作品」という時には、金のみを指すようです。

メダルには、馬に乗った人の姿と、その周りを逃げるように飛ぶ鳥たちが書かれています。コールデコットが描いた「ジョン・ギルピン」という絵本の1ページが元になっています。馬に乗っているのは王子様かと思いきや、実はその正体は、頭がツンツルテンのギルピンおじさん!腰に巻き付けてある入れ物の中身はワインだとか。。。


(※画像はWikipediaより著作権フリー画像をお借りしました)

コールデコット賞受賞作から絵本を選ぶ際の注意点

コールデコット賞は非常に権威ある賞であり、子どものための絵本を選ぶ際にも参考になります。ただし、英語教育という観点から見たときには、注意すべき点が2点あります。

・芸術としての完成度の高さを基準に選ばれた賞であること
ニューベリー賞と違って、文学作品としての完成度よりも、イラストも含めた芸術作品としての総合的な完成度が問われる賞です。このため、文字が全くない絵本もあります。英語学習のために買ったのに、タイトル以外英語がないじゃん!ということにならないように、ご注意を。たとえばTuesday(1992年Medal受賞)などは、「火曜日、夜●時」みたいな英語しか出てきません。

・あくまでも「大人が選んだ」素晴らしい絵本であること
大人が選んだ素晴らしい絵本が、子どもに受けるとは限りません。むしろ逆のことの方が多いかも。また、下記This Is Not My Hatのように、ちょっとブラックな結末のものもあります。

おすすめのコールデコット賞受賞作品

以下、個人的におすすめの受賞作品を紹介します。Honorまで対象にするときりがないので、とりあえずMedal獲得作品のみ。Honorのおすすめ作品については、時間があったらまとめます!

Where The Wild Things Are

定番中の定番絵本。1963年出版、世界中で2000万部売れたという超ベストセラーです。いたずらっ子の主人公の冒険物語。どちらかというと男子向けでしょうか。

Make Way for Ducklings

これも定番。鴨の一家の引っ越しの様子を描いた絵本です。舞台はボストン。我が家には日本語版があります。英語は極めて易しいのですが、72ページとそれなりにボリュームあって、自力読みがはじまったばかりのお子さんにちょうどいい感じです。
ちなみに作者のロバート・マックロスキーは、Time Of Wonderという絵本でもコールデコット賞を受賞しています。

The Polar Express

クリスマスの定番絵本。ページ数は少ないのですが、意外に文字が多くて、読み応えがあります。絵がとてもきれいです。トム・ハンクス主演で映画化もされています。

This Is Not My Hat

Hatシリーズの第2作。結末がちょっとブラックなので、好き嫌いが分かれる作品かもしれません。英語は平易で、分量は少なめです。
ちなみにHatシリーズは現在3冊出ています。私はカメが主役の第3作が一番好きで、次に好きなのがクマが主役の第1作です。どうして第2作が受賞したのか?よくわかりません!

【おすすめの絵本】親子での音読に:I Want My Hat Back
今日は、大人も楽しめるシュールな一冊紹介しようと思います。 I Want My Hat Backという本です。 有名な賞をいくつか受賞して...

Grandfather’s Journey

コールデコッド賞をとった絵本で日本を題材にするものは、おそらく後にも先にもこの一冊になるのではないでしょうか。ぜひ読んでいただきたい一冊です。ただ、下記の書評にも書きましたが、たぶん小さいお子さんだとこの本のテーマの深さは理解できないかと。小学校中学年以上向けです。

2017年の受賞作

2017年2月に発表された受賞作は以下のとおり。Medalをとったのは下記のうちRadiant Childという本で、それ以外の4作品がHonorです。
私が読んだことがあるのはDu Iz Tak?のみ。虫たちが虫語で会話をするという絵本で、面白いですが、英語の勉強にはなりません(笑)

以上、長文になってしまいましたが、コールデコット賞の紹介でした。

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