子どもと楽しむナポリ:ポンペイ遺跡

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しばらくブログの更新をストップしていました。その間に行っていたのは、ローマ&ナポリ。名所が多いこのエリアですが、その中でも子どもたちを連れて行きたかったのが、ポンペイ遺跡でした。ポンペイ遺跡は、Magic Tree Houseをはじめとして、様々な英語の児童書で題材として取り上げられているので、ご存じの方も多いかもしれませんね。

今回は、ポンペイ遺跡を簡単に紹介するとともに、この巨大な古代遺跡を子どもと一緒に楽しむコツなどを紹介したいと思います。

<ポンペイが舞台の児童書いろいろ>

  

ポンペイ遺跡とは

ナポリ近郊にある古代都市の遺跡です。79年のヴェスヴィオ火山の噴火により、長い間地中に埋もれていました。1700年代からはじまった発掘は、いまだに続いています。ちなみにトップ画像の左奥に見える山がそのヴェスヴィオ火山です。

長い間大量の火山灰で「封印」された状態になっていたため、2000年前の街並みがそのまま残っており、ここを訪れると、古代ローマ人の生活を追体験することができます。住居や神殿から、各種商店、公衆浴場、劇場、工場など、実に様々な建物が当時の面影をとどめたまま残っています。建物のみではなく、数々の壁画、道路の轍や選挙ポスターまで残っています。

また、この遺跡でとりわけ有名なのが、石膏で作られた人型です。死亡した人の上に火山灰が降り積もり、やがてご遺体が骨だけになって地中に空洞ができた状態になっていたため、そこに石膏を入れて流し固めることにより、最後の「死」の瞬間の人々の姿を復元することに成功しています。スカーフのようなものを口に当ててうずくまったまま亡くなった人、子どもを庇うようにして亡くなっている女性、眠るように亡くなっている人など、生々しい石膏像の数々に圧倒されます。

メインストリート沿いに立ち並ぶ建物(の遺跡)。在りし日の賑わいを想像しながら散策するのが楽しいです。

ポンペイ~ナポリの治安は?

ポンペイ遺跡はナポリの中央駅から電車で30分のところにあります。治安が悪いと言われているナポリですが、空港や中央駅の構内はヨーロッパの他都市とさほど雰囲気は変わらないと思います。ところが中央駅の建物から一歩出ると、空気ががらりと変わります。イタリア人の友人からのアドバイスに基づき、我が家は考古学博物館に行った以外は、ナポリでは一切観光をしませんでした。

私たちが宿泊したのは、ナポリから更に電車で南に1時間ほど行った場所にあるソレントという保養地です。ここはポンペイまで電車で30分で行けるほか、青の洞窟で有名なカプリ島や世界遺産のアマルフィ海岸にも近く、家族旅行での観光拠点に最適です。治安も全く問題ありません。ポンペイ訪問を考えている方には、ナポリよりソレントに滞在することを強くお勧めします。

ナポリからナポリ湾をはさんだ対岸にあるのがソレント。その先にある小さな島がカプリ島です。ポンペイはナポリとソレントのちょうど中間地点にあります。ナポリ空港からソレントへは、タクシーorバスで中央駅まで出て、そこから電車に乗るか、あるいは直行バスで移動することになります。タクシーはぼったくりで有名なので、時間が少々かかりますが、バス利用がおすすめです。

ちなみに我が家は一度だけナポリでタクシーを利用しました。定額料金で16ユーロの距離のところ、「日曜日だから25ユーロ!」と言われ、時間もなかったことから交渉して20ユーロで利用しました。あとから南イタリア出身の友人に「ナポリのタクシーでぼったくられた!」とこの話をしたところ、「・・・え?4ユーロだけ?よかったね」という思わぬ反応が。観光客相手に数倍の金額をふっかけてくる輩も多く、プラス4ユーロなら「地元民価格」だそうです。ナポリ、どんだけ・・(汗)

遺跡内部の回り方

ひとつの都市がまるまる遺跡になっていますので、とにかく広く、きちんと予習をしていかないと効率的に回ることができません。

我が家がどうしたかですが・・・
①まずは子ども向けのプライベートツアー(英語)で回る
②翌日、ツアーで行かなかった見どころを回る
と、2日間にわけて見学をしました。

①は2時間半のツアーで170ユーロ(チップ別)とちょっと値段が張ります。ただ、子どもの興味がありそうなポイントを解説しながら回ってくれ、子どもの質問にもきっちり正確に答えてくれるので、お願いしてよかったです。遺跡にはオリジナルの部分と後から補修された部分がありますが、これもガイドがいないと分からなかったと思います。また、性産業が盛んだったポンペイには娼婦館なども残っていますが、子供向けツアーならそういうポイントを上手に避けてくれるのもいいですね。trip advisorで検索すれば色々出てきますので、そこから子供向け&評判のいい会社を選びました。日本語のツアーはないかもしれません。我が家は英語にしました。

下記の写真はガイドの方が「見て!2000年前のレゴよ♪」と教えてくれたもの。Foroの広場にあります。2時間半の遺跡見学は普通の子供なら退屈してしまうところですが、こんな感じで子どもが「オッ!」と思うようなものを順番に紹介してくれたので、子どもたちの食いつきもよかったです。トイレネタも多く、ガイドさんの説明に長女が”What!?”を連発していたのが面白かったです。


さて、以下では、私たちが子供向けツアーで回った場所を紹介します。ご自身で回られる方の参考になればと思います。ポイントごとに簡単な解説もつけてみました。タイトル右横の☆マークをクリックすれば、ご自身のgoogle mapに情報を追加できるようですので、必要に応じてご利用ください。なお、ポンペイ遺跡は必ずしも管理状態が十分ではなく、崩壊寸前の建物も多いため、公開エリアは年々狭くなっています。よって下記マップの場所が非公開になっている可能性もある点、ご了承ください。

ちなみに2日目は、1日目に回らなかった北部を中心に、秘儀荘にも足を延ばしました。秘儀荘は中心部から少し離れていますが、ポンペイ・レッドの壁画が非常に素晴らしいので、ぜひ訪問を。秘密の儀式の様子を描いたエロティックな壁画と聞いていたので、当初は避けることも考えていましたが、ネットで壁画を事前に検討したところ問題なさそうだったので、我が家は子連れで見学しました。

ちなみにこんな感じの壁画です。壁一面に描かれておりかなり迫力があります。

おすすめの予習素材

ガイド付きでもそうでなくとも、訪問する前にお子さんと一緒にしっかり「予習」をしておくことをおすすめします。

おすすめの本は以下のとおり。左の一冊はイラストや写真が満載の子供向けの解説本です。右の一冊は現地では一番ポピュラーな一冊です。値段は16ユーロで、英語版のみならず日本語版もあります。現地で何か一冊買うならこちらがいいと思います。

あとはBBCやナショジオに色々な動画がありますので、そういうものを見るのもいいと思います。

その他Tips

・道はかなりガタガタしているので、歩きやすい靴で出かけましょう。
・屋根がある場所が少ないので、夏場や雨の日の見学は、かなり大変です。天気や体力と相談して出かけましょう。我が家のように2日に分けるのも一案です。
・水を飲める場所が少ないです。ペットボトルを忘れずに!
・遺跡内にはカフェが一か所あり、軽食をとることができますが、いつもかなり混雑しています。遺跡外にはレストランがいくつかありますが、どれもtripadvisor やgoogleの口コミはいまいち。tourist trapのにおいのするお店が多いので、十分にご注意ください。
・毎月最初の日曜日は入場無料です。

以上、ポンペイ遺跡の紹介でした。

ローマ・ナポリ周辺は、欧米文化の発祥の地であり、他にも見どころがたくさんあります。治安の問題があるのでこれまで避けていましたが、思い切って行ってみてよかったです。ローマについても機会があれば子連れにおすすめのスポットを紹介したいと思います。

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