日本の学校と違い、飛び級や落第もあるといわれているインターナショナルスクール。今日は、インターの飛び級&落第事情について、実際のところどうなのか、書いてみたいと思います。
飛び級
「インターはどんどん飛び級させる」というイメージを持っている方も多いと思いますが、実は飛び級はそれほど多くありません。もともと一学年下げて入学させていて、語学力がついてきたので元の学年に戻すという意味での「飛び級」はしばしばあります。また、誕生日が上の学年の子に近い場合(9~12月生まれの場合)には、親から希望があれば、学力をチェックした上でひとつ上の学年に入れることもあるようです。それ以外の場合、飛び級は不可能ではありませんが、学校側はかなり慎重です。
なぜかというと、子どもは同じ年齢の子供たちの間で社会性を身に着けるのが望ましいと考えられているからです。また、インターの場合、MathやReading、Spellingなどは、クラスのなかでレベル別にグループ学習をすることが多いので、無理に飛び級をさせる必要性もあまりないということも言えるかと思います。
以下は日本のKインターナショナルスクールのHPの説明です。子どもたちのインターの先生がおっしゃっていることと同じようなことが書かれているので、参考までに貼っておきます。おそらくIBインターはこのような考え方の学校が多いのではないかと思います。
Q. 該当する年齢以外の学年に出願することはできますか。
A. 原則として、入学案内でご案内している生年月日、年齢の該当する学年に在籍していただくことになっています。K2 – Grade 1につきましては、年齢相応の社会性の発達、ニーズへ配慮し、こちらを基本としています。これまでの経験により、同年齢の仲間とかかわり、生活していくことがよりよい社会性の発達にとって大切であると考えています。年齢の近いお子さんは、同じように遊びを楽しみ、コミュニケーションを図り、年齢相応の行動、反応を示します。そのため、このような環境づくりの一環として、同年齢の子ども達によるクラス編成を行っています。実際にお子さんが年齢以上のクラスにおいて、最年少となった場合、仲間づくりや社会性の発達、集団生活のあり方などとまどわれることがあるでしょう。お子さん、親御さんともに新たな文化にふれ、カルチャーショックを経験されるような場合は、安心することのできる環境が提供されることがなおさら必要であると考えています。また、社会性のみならず、お子さんの学習面での発達も考慮しています。
KISTでは、教員がクラスおける生徒それぞれの様々なニーズに合わせ、カリキュラムを準備し、展開しています。よって、すでにスキルが身につき、コンセプトを理解することのできている生徒には、再度同じ内容を学習させるのではなく、学年にかかわらず、次の段階へと学習がすすめられていくことになります。Grade 1-10につきましては、お子さんのこれまでの学習状況などをふまえ、該当する学年の前後1学年において、在籍について考慮させていただくことがあります。なお、Grade 11では、対象となる年齢を2年以上上回るお子さんの出願は受け付けておりません。
落第
インターの場合、最初から自主的に一学年落として入学させているご家庭も多いです。欧米人のなかには、非常に学歴の高いご両親が、あえて子どもの学年を下げている例も見受けられます。おそらく、一つ下げて余裕をもたせて学習させた方が長期的にみればよい効果がでると判断されているのだろうと思います。また、英語が母語でないお子さんがSecondary(6年生以上)から入学するケースで、語学力に不安がある場合、1~2学年下げることが通常です。
また、インターの場合、落第(留年)もそれなりにあります。日本の学校と違うのは、「落第」がさほど不名誉なことではない点です。もう一度きちんと学習した方がいいから同じ学年を繰り返す、それだけのことです。ただし、子供たちのインターの場合、二度留年すると自動的に退学になります。
「落第」にマイナスのイメージがあまりないからか、学校側も容赦ないです。小学生でも落第は普通にあります。数年前には、子供たちのインターで、某国の王子さまがGrade 3から4にあがれず、Grade 3を二回やっていました。そして彼は二度目のGrade 3が終わる前に学校から姿を消しました・・。おそらく、退学になる前に他校に転校した方がいいという判断があったのだろうと思います。
(余談になりますが、リアル王子のダメンズぶりを知っているわが子たち、すでにこの年齢で、「王子さまと結婚するより、自分で頑張ったほうがずっといいよね」という価値観を持つように・・・。)
以上、インターの飛び級&落第事情について書いてみました。
クレマチスさん、はじめまして。
さくらと申します。
以前からクレマチスさんのブログを拝読させていただき、お考えやご経験を参考にさせていただいていました。
私も海外在住、子どもをインターに通わせています。この生活も、薄っすらとですが終わりが見え始め、日本での生活をイメージし始めているところです。
クレマチスさんは本帰国後、二人のお嬢様の進路をどのようにお考えですか?
私は首都圏に戻る予定で、持ち家も無いので、子どもの学校を第一に考え住居を決める予定です。
私立の帰国子女枠編入、公立の帰国子女受け入れ校、国際学級、インターへの転校等いろいろな選択肢があるかと思いますが、クレマチスさんのお考えをご教示いただけたら幸いです。よろしくお願い致します。
さくらさん
こんにちは!コメントありがとうございます。
(2つ目のコメントの件、了解いたしました。わざわざありがとうございます!)
子どもたちの進路、難しいですよね・・・。
まだ色々迷っていますが、2人とも、公立小から、
帰国枠で中学受験をさせることになる可能性が高そうです。
我が家の場合、帰国後に住むエリアが決まっているのですが
(日本の自宅は賃貸にも出さずそのままの状態で置いてあります)、
周囲に編入募集がある私立小があまりありません。
インターはいくつか有名なところがあるのですが
学費がかなり高いことに加えて、
あまりにも「自由」すぎる教育ゆえに
基礎的な学力や日本人としての社会性に欠けるところが出てきそうで
ちょっと不安だな・・・と思っています。
我が家は2人の性格がかなり違って、
長女はバイタリティがあり、受験も頑張れそうなタイプなのですが、
次女は人と競うことが何より嫌いで、受験には全くもって向かない性格です。
なので、長女は海外大学への進学も視野に入れた学校を、
次女はのんびりできる大学までの一貫校がいいかなと考えています。
我が家の場合、色々頑張って「理想の学校」に入れたとしても
また夫の海外転勤で日本を離れる可能性が多分にあるので、
あまり意気込まず、ご縁があった学校にお世話になれば
いいかなと思っています。
あ、できれば、長女が高校2年生くらいになったときに
今度は夫にアメリカへ転勤してもらって(笑)、
「州内在住者」扱いで2人をアメリカの州立大学に
行かせてあげられたら最高だな~とも思います。
そんなうまくはいかないでしょうけどね(汗)
クレマチスさん、お忙しい中、返信ありがとうございます。
子どもの進路、悩みますよね。。
現在ネットを駆使し、色々と調べてはいますが、実際見てみないと決められない事が多く、夏に一時帰国した時に学校と街の見学をしたいと思います。(城南エリア、横浜、川崎で探しています)
クレマチスさんの周りの方の進路など、もし、ご存知の事があればいつか日記に書いていただけないでしょうか。どうぞよろしくお願いします。
返信ありがとうございました。これからも更新、楽しみにしています。
学校選びは難しいですよね。子どもの通っているインターはもともと日本人があまり多くなく、ご帰国された後に「進路どうなった?」とわざわざ聞くのもなんだか憚られて、実際に通っている方の話を聞く機会は私もあまりなかったりします。
そういえば最近では、お友達のお子さん(低年齢帰国子女)が桜蔭と渋渋に合格され、渋渋を選ばれていました。贅沢すぎる選択肢で我が家には全く参考になりませんでした(笑)
学校は実際に見ないと分からないことが多いので、我が家も一時帰国の際に可能な限りで見学してみたいと思います。また何かお役に立てそうな情報などがありましたら記事にしますね!
はじめまして。日本のインターナショナルスクール事情検索中にClematisさんんのページにたどり着きました。海外駐在経験あり(米国&英国)、中学生と小学生の子供がおります。渋渋は特に広々とした環境からの帰国(カナダやアメリカ郊外)の場合は好まれないお子さん・親御さんも多いです。お子さんが中学受験で帰国後に生まれて初めて親の送迎なしで通学と言うご家庭でも、一時間ほど電車通学させてでも本人の希望の学校へと言うケースが多いです。女子校になりますが女学館、頌栄、洗足。共学だと広尾学園や男子だと都市大学附属校も人気上昇中のようです。
こんにちは!コメント&おすすめ学校情報、ありがとうございます。
渋渋、渋谷のど真ん中ですものね・・・(汗) 我が家の子供たちはスポーツはやらないので、校庭がないのは全く問題なしなのですが、やっぱり場所が場所ゆえに、通わせるのはちょっと躊躇します。試験もテスト+英語のディスカッション面接のみで、第二外国語や課外活動などは評価対象外なので、できればその辺でポイントを稼ぎたい我が家には厳しそうです。
広尾学園は一度見学に行ってみたいなと思っています。おっしゃるとおり、最近どんどん難易度が上がっているみたいですね。帰国子女向けの集団説明会のときに話を聞いたところ、英検1級保持でも不合格になる子がいると先生がおっしゃっていました。帰国枠受験は、どこまでやれば「合格ライン」に達するのか、読むのが難しくて大変だなあと感じます・・・。
女学館、頌栄、都市大学付属の情報もありがとうございます!来夏の一時帰国のときに機会があれば、訪問してみたいなと思います。
知人が広尾学園の見学に行った際は英語での学校説明が行われ、お子さんは好印象を抱かれたようです。英語以外にも英語による授業が設けられている点も英語圏やインターナショナルスクールでの生活が長いお子さんには魅力のようです。頌栄は帰国子女受け入れ数が多く、また試験は英語筆記と英語面接のみ。英語が得意なお子さんが多く、学校でも英語で会話をしている帰国生が結構いるそうです。
海外の日系塾等で受験準備するお子さんが多く、自分たちで自分たちの首を絞めている=レベルを上げているように思います。とは言え学力レベルの高い学校は日本で厳しい受験戦争を勝ち抜いてきた生徒達の集まり。入学後に授業についていくために、事前に努力していると考えと良いかもしれません。おっしゃる通り、帰国子女枠の受験準備はどの程度すべきか判断が難しいですね。まずは親御さんが通わせたい・お子さんが通いたい学校を幾つか絞るのが良いかと思います。もしお近くに日系塾があればそこで、あるいは海外子女教育振興財団等で、ご希望の学校に入学するためにどの程度の準備が必要かアドバイスを請われると良いのではないでしょうか。みなさん頑張って下さい!
アドバイスありがとうございます。
広尾学園、私のまわりでもよく話題にのぼります。学校説明会も英語なんですね。7月に体験授業などもあったようなのですが、我が家は気づくのが遅くて参加できずでした。来年はなんとか参加したいと思います。
>海外の日系塾等で受験準備するお子さんが多く、自分たちで自分たちの首を絞めている=レベルを上げているように思います。
そうなんですよね。中国や東南アジア駐在だと、日系の塾も充実しているので、4教科しっかり勉強して最難関に合格してしまうようなお子さんもいるようで、びっくりです。我が家は海外にいるからこそ学べることを大切にしたいと思っているので、そこまでガッツリではないのですが、そういうお子さんたちが中学入試でライバルになるのか―と思うと、不安と焦りを感じます。
いずれにせよ、まずはどういう学校に行かせたいのかをきっちり情報収集して親子で考えることが大切ですね。アドバイスありがとうございます。