我が家の長女は日本にいれば小学校3年生です。3年生の2月と言えば、大手中学受験塾のカリキュラムが本格的に始まる時期。私の住むエリアにも日本の塾の海外校があり、2月から新講座がはじまっています。周囲につられて長女も入塾テストを受けましたが、色々考えた結果、通塾はしないことにしました。
最近は都心部を中心に中学受験熱がさらなる高まりを見せているとよく聞きます。しかしながら、私自身は、逆の流れを感じています。以前は中学受験をしない理由はもっぱら「経済力」だったように思うのですが、周囲をみると、戦略的に「中学受験をしない」という選択肢を選ぶ家庭が増えてきているような気がするのです。
回避の方法はご家庭によって色々です。幼稚園や小学校から私立の一貫校やインターに入れているご家庭もあれば、海外移住を決めたご家庭もある。公立校のレベルの高い北陸地方や東北地方へのUタ―ン/Iターンを決めたご家庭もあれば、都心の超一等地に自宅を購入し、外国人生徒が多い国際学級併設型の公立校に通わせてお子さんをバイリンガルに育てあげているご家庭もある。小学生時代はスポーツ優先ということで公立一貫校のみ受検というご家庭もある。いずれも中学受験をしない理由は「経済力」ではありません。
中学受験を回避するのは色々な理由があるのでしょうが、第一に考えられるのは、有名私立中→日本の有名大学という学歴の持つ意味が薄れてきていることでしょうか。必要なのは、学歴ではなく、グローバル化と第四次産業革命の波に耐えられる能力。この時期は学力ではなく心身の強さや語学力などを鍛えたい。そう考える層が、中学受験戦線回避に動いている気がします。第二に考えられる理由は、中学受験のための詰め込み教育があまりにも時代遅れな内容だということ。2月から使うつもりで購入した四谷大塚の予習シリーズをみてびっくりしたのですが、中学受験のための勉強内容って、30年前とほとんど変わっていないんですね。時代がこれだけ変わったのにそのままとは・・・ある意味すごい(汗)2020年の大学入試改革とともにこれから変化していくという話もありますが、どうなんでしょう。第三に考えられる理由は、共働きだと子どもの中学受験を親が全面的にサポートするのが難しいということ。私の周囲にはママもバリバリ働いているご家庭が多いのですが、確かに周囲の共働き×中学受験家庭を見ると、本当に大変そうです。中途半端にしか戦えないなら最初から別のルートを模索しようという発想でしょうか。
我が家の場合、私自身が中学受験組で、私立中学に進学してとてもよかったと思っていたこと、ゲーム感覚で楽しく勉強していて学習面で苦労した記憶があまりなかったことから、子どもの私立受験は当然のことと今まで思ってきました。でも、最近は少しずつ考えが変わってきています。中学受験は所詮は通過点。小学校生活後半の大切な時間を「中学受験に100%全力投球」するのはなんだかもったいないなという気がしています。将来役に立つ勉強ならいいのですが、無駄な丸暗記や受験テクニックの習得にかける労力は最小限にしたいところです。
ちなみに長女の入塾テストの結果ですが、100点満点のテストで、算国ともに90点という出来でした。結構落としているなと思ったら、平均点は算数が60点台、国語が50点台だった模様。長女が間違っていたのは、国語は漢字問題2問と読解1問、算数は概数(大きな数)2問でした。両教科とも基礎問題で点を落としたものの、応用問題は国語の読解1問を除き全て正解で、結果としては平均を大きく上回る得点が取れていたようでした。
基本的知識で抜けているところはあるけど、海外在住子女で懸念される日本語力の遅れはないし、応用問題に対応できる読解力・思考力もあるということでしょうか。中学受験という選択肢を完全に切り捨てるわけではないのですが、しばらくの間は、今ある環境を大切に、今まで通り語学×数学×ITの三本柱を中心とした我流の勉強を続けてもいいかなと思いました。
大多数が目指す方向とはちょっと違う方向に進み始めた我が家の長女。その先に何があるのかはちょっとよくわかりませんが、道に迷って遭難しないようにするのは、ガイド兼シェルパの私の役目です。長女と一緒に素敵な景色が見れるよう、私も頑張ろうと思います。
こんにちは!我が家は中学受験させるかはまだ決め手はいないのですが、ここには考えるところがあります。
>有名私立中→日本の有名大学という学歴の持つ意味が薄れてきていること
世界の中で日本の有名大学(それが東大でも)ネームバリュー的にはあまり意味がないので、学歴をみるならその後の大学院がグローバルのメジャーどころかどうかが基準になるような気もします。
あとグローバルに世界が繋がった環境の中においては、日本のどこの大学を出たからどういう将来が歩めるという考えは他の国では通用しないと思われるので、それよりも何を経験させたか、何が出来るようになったかというところを親としてはサポートしたいなぁと思っております。
日本の教育でもいわゆる早慶、東大にいけるような学力を育てつつ、海外にも行ける状態にさせてあげたいですね。余談ですが、私の周りで世界のTOP10 MBAに行っている友人(早慶・東大などの出身)はたくさんいるのですが、TOEFL / IELTSで苦しんでいる人と、1回受けてさらっとスコアを獲得する人たちがいます。後者は学生か幼少時代に海外にいた人たちです。
同じ東大卒でも英語の壁はデカイようなので、セミリンガルにならないよう日本の教育はついて行かせた上で、この英語の壁はクリアさせてあげたいです。どちらか片方は出来ても、両立させようとした瞬間にハードルが上がるんですよね。。。
こんにちは!コメントありがとうございます。
大学院が重要という点、まさにその通りと思います。海外だと、エリートと呼ばれる人は大抵マスター以上をとっているので、どこの大学を出ているかってあまり話題にならないですよね。一方、日本人は、「大学」が最終学歴であることを前提に教育について語っている人が多いので、たまになんだかな~と感じています。
>同じ東大卒でも英語の壁はデカイ
これも同感です。私も留学中に苦労している優秀な友人をたくさん見てきた(+自分も苦労した)ので、そういう苦労を子どもたちにさせたくないなと考え、子どもには英語で教育を受けさせる道を選びました。この数年で多少「日本のお勉強」面で遅れが出ても、中長期的に見ればそれを上回るメリットが得られると考えています。
Sパパさんのコメントを拝読していると、本当に考えていることが自分に近くて、びっくりです。バックグランドでかなり共通点がありそうな気がしています。別途いただいたメールアドレスにメールをお送りいたしますね!
メールありがとうございました。
この両立の上で、私が気を配っているのは「セミリンガルにならない(日本語の学年相当以上の上達(=思考の深さの上達)」と「算数などのアジア人が得意とする分野を他のアジア人と同じレベル以上に保ち、本人に苦手意識を持たせない」というところなのですが、結果として 【学校外】補習校、通信教育、(その他問題集)、(英語塾) 【学校内】学校の宿題 という形になり、常に勉強している感じになるので、長女はたまに毎日ホームワークが多すぎると言っているようです。。。長男の一番仲の良いお友達(ドイツ人)の親御さんからも、うちの長女がホームワークが多いとぼやいていたと言われました。以前にコメントで記載させて頂いたかどうかうる覚えなのですが、ここは、「目一杯遊べる時間も確保して、遊ぶときと勉強する時をきっちり分ける」のと、「このホームワークが長女の夢(医者になりたい)に必要」だということを伝えることで今のところやってきてます。
以前、知り合いから言われたことで心に刺さったのは、子供の将来のために英語環境に入れるというのは、子供のことを思っていると言っても、それはある種、親のエゴでもあるとの言葉でした。来たばかりの当初は気が焦っていたのもあり、日本に関するところからは少し遠ざけていたのですが、この指摘を受けてからは環境がストレスにならないよう、例えば日本人会へ行って日本食を食べつつ、日本の子供たちともそこで遊んだりしてます。ごちゃ混ぜにすると自分が楽な方に流れてしまうと思うので、なるべく明確に分けて、その時、その時に集中(インターの英語環境、英語・国語などの勉強時間、日本人会などで日本のお子さんと目一杯遊ぶ時間)出来るようになるべく環境を作り上げたいなと思ってます。
こんにちは!コメントありがとうございます。
補習校に加えて、通信教育と英語塾も受けられているのですね。我が家は長女:塾(週1)と英語チューター、次女:チャレンジパットと公文(算数)です。我が家の住むエリアの場合、補習校は日本語が第一言語ではないお子さんが多くて勉強にはならない感じなので、カットしてしまっています。ただ、補習校に通っていない分、日本の文化や行事に疎くなってしまっているので、そこがやや心配です。
おっしゃるとおり、きちんと遊ぶ時間と勉強する時間をわけて、勉強するときに集中してやれば、それなりに遊ぶ時間はあるはずなのですが、うちの2人はいつもダラダラ勉強をしているので、平日は気が付くと寝る時間になっていたりします。ストップウォッチを渡して時間を測らせたり、集中させたい方を私の机で勉強させたりと色々やっていますが、なかなかうまくいかず、毎日悪戦苦闘しています。
元帰国子女の友人などと話をしていると、「子どものときは学校の勉強に補習校に塾にと本当に大変だった。でもそのおかげで英語も日本語も不自由なく使えるようになったので、今は親にとても感謝している」とおっしゃる方が多いです。大変ですけど、いつか子どもに感謝してもらえると信じ(笑)、お互い頑張りましょう!