語学力の推移

ドイツ語学習の現在とこれから 1年0カ月

長女9歳 現在のドイツ語力

長女がEALを卒業し、ドイツ語の授業を週5コマ受けるようになってから、ちょうど1年が経過しました。

先日試しに、A1(英検でいうところの3級相当)のドイツ語検定の問題を解かせてみました。listeningとreadingについては、本人いわく、内容はほぼ理解できたとのこと。私がドイツ語を理解していないため、writing とspeakingは判定不能でしたが、なんとなくA1は合格できるのかなという気がしました。

そんななか、ドイツ語の先生に、長女のドイツ語の上達状況についてお話を聞く機会がありました。

【先生のコメント】
・記憶力がすばらしい。スペリングの成績が良好。英単語との混同もなし。
・発音もパーフェクト。ドイツ語特有の音も全て正確に発音できている。
・課題はSpeaking。定冠詞にこだわるところがあるが、定冠詞など間違えていても通じるのだから、現段階ではあまり気にする必要はない。学校外でもドイツ語でのアクティビティーなどに参加すればもっと伸びると思う。

 

長女の学校では「英語の次はドイツ語」と決まっており、それ以外の選択肢はありません。なので、全く期待せずに不承不承はじめたドイツ語学習でしたが、これまでのところ、いい感じで伸びているようです。英語学習への支障も特段生じていません。

日本語、英語共に上達が早かった長女。9歳という年齢を考えると、ここでドイツ語漬けにすれば、トリリンガルも夢ではないかも? 「いっそのこと半年くらい現地校にいれちゃう?」「将来は、ドイツの大学に留学するのもいいかも」「そしてドイツで就職して、ドイツ人と結婚して、めちゃかわいいハーフの孫を・・・」と、どんどん勝手に広がる妄想。(←私の人生じゃないのに~!汗)

というわけで、一度頭をクールダウンさせて、今後の方針を考えてみました。

 

ドイツ語学習のPros & Cons

まずはざっくりとドイツ語学習のプロコン分析を。

Pros(長所):

・海外大学進学の可能性が広がる
将来子どもを海外の大学へ進学させることを考えるのであれば、ドイツ語は大きな武器になるかもしれません。ドイツ、スイス、オーストリアの大学は授業料が無償または格安であり、費用面でのハードルは、英語圏への留学と比べ、非常に低いです。医師や弁護士などの専門職を目指すにあたっても学費の心配は無用です。

・ヨーロッパではやっぱりドイツ語!
ドイツ語は、ドイツだけでなく、オーストリア、スイス東部、イタリア北部、フランス東部、ルクセンブルグなど、かなり広範囲で話されている言語です。ちなみにEU内で母語として話す人が一番多い言語はドイツ語です(1位ドイツ語24%、2位フランス語16%。DAADの資料より)。また、東欧諸国では、ドイツ語が「地域共通語」として話されている場所がかなり多いです。
ヨーロッパ大陸では、経済も社会も、なんだかんだいってドイツを中心に回っています。アメリカもイギリスもぐちゃぐちゃな今、社会も経済も堅実で健全なドイツは、国としてかなり魅力的です。

・優れた文学作品
ドイツ語は優れた文学作品が非常に多いです。ゲーテ、ニーチェ、カフカなど、挙げればきりがありません。ケストナー、プロイスラー、エンデなど、児童文学も充実しています。

・他の帰国子女との差別化
ドイツ語ができるという点は、他の帰国子女と一線を画する特徴となり、日本の中学・高校入試にあたって、有利に働くことがあるかもしれません。

 

Cons(短所):

・難解な文法
ドイツ語と英語を話す人の多くは、「ドイツ語は英語よりも文法が各段に難しい」と言います。日本人はもちろんヨーロッパ人の友人なども大抵同じことを言っています。英語に比べると格変化が複雑で、動詞の位置なども変わるため、細かいルールを覚えるのがとにかく大変なのだそうです。すなわち、高等教育に耐えうるドイツ語力を身に着けるのは、非常にハードルが高いということがいえます。

・帰国後の維持の困難さ
ドイツ語の場合、英語以上に日本への帰国後の維持が困難です。子供向けの維持教室はないため、ゲーテ・インスティテュートなどの上級クラスに入ることが多いようですが、大人のなかに子供が1人という状況ゆえ、なじむのが大変なようです。究極の選択肢として「東京横浜独逸学園」もありますが、実際に通わせていた方の話を聞くと、「う~ん」という感じのようです(諸般の事情があり詳細は割愛します)。

・ドイツの大学への進学に伴うリスク
ドイツ語圏の大学への留学は魅力的ですが、第三言語での高等教育は、様々なリスクが伴います。たとえばドイツの場合、大学卒業率は、なんと3割。3人に一人しか卒業できないのです。日本と逆で、入るのは簡単だけど、出るのは大変です。また、最終学歴をgraduate school(大学院)とする場合、大学時代のGPAも意識する必要がありますが、東欧やロシアから優秀な人材が流れ込むドイツの大学で優れたGPAを獲得するのは、至難の業です。ちなみに英語で授業が行われるコースも一部ありますが、理系の特定分野に限られており、かつインド人などが流れ込んでくるため、競争が厳しいようです。

・社会人になったときに役立つ場面が限定的
ドイツ語の能力が、日本や英語圏での就職に際してプラスに働くことは稀です。実は夫の海外転勤が決まってから、何人かのヘッドハンターの方に、「ドイツ語ができると帰国後の就職活動で有利になるか」と聞いたのですが(これは子どものためではなく、私の帰国後のキャリアを考えて聞いたことでした)、答えは全員「NO」でした。ドイツで高等教育を受けている人はたいてい流暢な英語を話すため、ドイツ企業の日本法人などの求人でも、問われるのはドイツ語力ではなく英語力なのだそうです。欧州(大陸)での就職を目指すのであれば、ドイツ語は武器になりますが、そうでないなら、役立つ場面は限られてきそうです。

 

今後の方針

以上色々考えてみると、ドイツ語を頑張ってドイツ語圏の大学へ進学させるという道は、一見魅力的なものの、語学力向上に要する費用や時間、大学卒業後の進路を考えると、我が家にとっては現実的な選択肢ではないだろうという気がしてきました。国内に秀でた大学がないロシアや東欧などの人が、地理的に近いドイツの大学を目指すのは自然な流れです。でも、日本の場合、地理的にも文化的にも離れたドイツの大学をわざわざ目指す必要性は高くないのかなと思います。特に、大学中退率が非常に高いにもかかわらず、「Plan B」(代替ルート)の策定が非常に難しいという点が、個人的にはかなりひっかかりました。

というわけで、一時は鼻息荒く「もういっそ、ドイツの大学を目指しちゃう・・・?」なんて未来を妄想してみたものの、冷静にプロコン分析をした結果、やめることにしました(笑)

ドイツ語については、高い頂を目指して頑張るのではなく、「日常会話でのコミュニケーション+α」くらいを目標に、学校にお任せでゆるゆると学習を続けるくらいがいいんだろうなと思います。もっとも、今のうちに「ドイツ語耳」は鍛えておいて損はなさそうなので、家でのかけ流しなど、自宅でも少しずつドイツ語環境を作っていってみようかなと思っています。基礎的なコミュニケーション力さえあれば、本人がドイツの大学に行きたくなったとき、自分でどうにかするでしょう。たぶん。

 

1月と2月は、週末にスキー教室の予定がぎっしり詰まっている長女。去年までは「英語が話せるコーチにあたりますように・・・」と思っていましたが、今年は「ドイツ語でガンガン話してくれるコーチにあたりますように・・・」と祈っています。1年後、どこまで上達しているかな~。

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