いよいよ年の瀬も間近、明日はクリスマスイブですね。
サンタクロースはキリスト教由来のものだと多くの人が考えていると思いますが、実はそんなに単純なものではありません。日本人のイメージするサンタクロース像は、ドイツの聖ニコラウスがイギリス経由でアメリカに伝播し、コマ―シャリズムの流れで世界に広がったもの。あの赤い衣装はコカ・コーラの宣伝から広まったのだそうです。
ヨーロッパの場合、もともとそれぞれの地域特有の「クリスマス」伝承があり、それにアメリカから戻ってきた「サンタクロース」が加わって、ごちゃごちゃになっています。
このため、子どもたちのインターでは、サンタクロースについて子供たちが語り始めると、色々混乱が起きるようです。例えばこんな感じ。
アメリカ人「今年はサンタクロースに何をお願いしようかしら?」
ドイツ人「サンタクロース?それって聖ニコラウスのことだよね?」
長女 「うちには6日に聖ニコラウスが来て、24日にサンタクロースが来るよ!だから聖ニコラウスとサンタクロースは別人じゃないかな。」
スイス人「うん、聖ニコラウスが来るのは12月6日よね。でもイブにプレゼントをくれるのはクリストキンドル(天使)よ。サンタクロースじゃないわ。」
インド人「うちには何も来ないわよ。だからプレゼントはパパとママにお願いするんだ~。」
イタリア人 「みんなのところにはイブの夜に男が来るの?うちに来るのは魔女よ。いい子にしているとプレゼントをくれるの。」
UAE人 「うちには何も来ないし、親も何も買ってくれないわよ!!みんなサンタクロースとかクリストキンドルとか、本当に信じてるの?」
フランス人「うちはサンタクロースが来るわよ。でも知ってる?6日に学校の靴にチョコを入れているのは、聖ニコラウスじゃなくて先生たちなのよ!」
見事なほど、みんなバラバラなことを言うようです。
イスラム圏やヒンズー圏では、基本的にクリスマス自体を祝いません。キリスト教圏では何等かの形でプレゼントをもらえる家庭が多いのですが、プレゼントをくれるのはサンタクロースとは限らないのです。ドイツ語圏の北部やオランダでは聖ニコラウスだし、イタリア語圏では魔女だし、ドイツ語圏南部やスイスではクリストキンドル。面白いことにフランスではアメリカ流のサンタクロースが来るところが多いのだとか。フランス以外でも最近では徐々にサンタクロースが広まってきていて、聖ニコラウスとサンタクロースが両方来るご家庭も増えているようです。
このため、子供たちのインターでは、
①12月に入ると毎日アドベンドカレンダーをあけてお菓子や小さなプレゼントをもらう
②12月6日には聖ニコラウスにプレゼントをもらう(主にお菓子)
③12月24日にはサンタクロースまたはクリストキンドルにプレゼントをもらう
という、トリプル・プレゼント体制のご家庭が多いです。
やむなく我が家も、トリプル体制で臨んでいます。子どもたちには最高に楽しい一か月ですが、大人は大変です。
我が家のアドベンドカレンダーは、チョコが入っている既製品のものと、上の写真にある袋状のものの2つ。袋の中には、文具やヘアクリップ、入浴剤やリップクリームなどを入れていましたが、最後の方はネタがつきてしまって、「公文やらないでいいよ券4枚セット」を入れたこともありました。ちなみに裕福なご家庭では、アドベンドに50ユーロ札が入っていることもある模様。それを聞いて1ユーロコインを入れた日もあったのですが(お友達の50分の1!)、子供たちは、「ママ、私たちはお金はいらないよ」と私に返してくれました。子供たちの自作のアドベンドカレンダーもあり、それは私と夫が交互にあけていいことになっています。中から出てくるのは子どもたちが作ったクラフトやマッサージ券です。
さて、そんなカオス状態のなかで過ごしているうちの長女。彼女はサンタクロースについてこんな風に考えているようです。
「絵本に載っているようなサンタクロースはいない!だってみんないうことが全然違うもん。」「たぶん、世界中の大人が協力して、サンタクロースを信じる子供たちのために、ボランティアでサンタクロースをしてるんじゃないかな。学校でもシューボックス(寄付用のプレゼントの募集)とかやってたものね。」「だからね~、サンタクロースは本当にいるんだよ!それも、1人じゃなくてたくさんね。」
・・・うん、ある意味、真実です。でも、自分の親がサンタをしているとは全く気づいていない模様。先日も、「うちのパパとママは高いおもちゃとか絶対に買ってくれないでしょ?だからサンタは他の人なんだよ」と妹相手に力説していました(笑)
彼女が真実に気づくのはいつになるのだろう。ちょっと楽しみです。