今日の日経DUALで出ていた記事。
OECDの調査を分析したところ、コンピューターを早く使い始めた生徒ほど15歳時点における数学の点数が高いことが分かったとのことです。
著者の方いわく
家庭環境(親の教育熱心度、経済力…)を媒介にした疑似相関かもしれませんが、父親の学歴水準は統制しています。もしかすると、早いうちにコンピューターに触れさせることには、思わぬ効用があるのかもしれません
とのこと。
OECDは、コンピューターと教育について様々な調査をしています。上記日経DUALの記事ではOECD調査でわかったプラス面しか触れられていませんが、逆に教育へのコンピュータ導入を推進した国では子供の国語力(特に読解力)が落ちるなど、マイナスの事象も見られます。
コンピューターやインターネットを熟知した人たちの中には、教育へのパソコン導入は早ければいいというものでもないと考える人も多いようです。
たとえば、Appleのスティーブ・ジョブスは、子どものデジタル使用に厳しい制限を課していたといいます。iPad発売時のインタービューで、「あなたのお子さんもiPadがお好きでしょう?」と聞かれ、「というか、うちの子たちにはiPadは触らせていないんだよね」と答えたとか。Twitterの創業者、クリス・アンダーソンも、「親としてテクノロジー中毒から子どもを守る責任がある」と発言し、子供のパソコン使用には消極的です。
このように、アメリカのIT起業家の多くは、自分の子どものパソコン使用には厳しいルールを課しています。
パソコンもインターネットも所詮は道具ですから、使い方によって毒にも薬にもなります。親としては、こういう記事を読んで、「そっか、パソコンを早く使いはじめれば賢い子に育つんだ!うちの子もやらなくちゃ!」と直ちに飛びつくのではなく、幼い子供をパソコンに触れさせることのデメリットやリスクも把握した上で、パソコンを使って何をさせるのか、そしてその目的は何なのか、よく考えることが必要だと思います。