おすすめの児童書

【おすすめの児童書】びりっかすの神さま

今日は「びりっかすの神さま」という本を紹介します。

最近の長女、英語の本よりも日本語の本を手にすることが増えています。ある程度の難易度の本、英語よりも日本語の方が読みやすいと感じる模様、まだ日本語が優勢です。家では、小学校低学年向けの絵本から、中学生向けの文庫本、ちびまるこちゃんにドラえもんまで、色々読んでいます。

こちらも、もともとはこの夏の一時帰国時に長女用に買った本(長女は読了)です。先日の夜、次女に読み聞かせをしたところ、内容がとてもすばらしく、次女が寝入った後に一気に最後まで読んでしまいました。日本の児童書の情報はネットにあふれているので、普段はあまり書かないのですが、ひさしぶりにとても良い本に出会った気がするので、「大人向けの児童書」ということで、紹介します。

 

 

<あらすじ>

主人公の始は小学校4年生。父を突然の病気で亡くし、母親と2人で知らない街へ引っ越してきます。

転校初日、始は、教室の中をフワフワと飛び回る小さな男を発見します。始のクラスは、テストの点数で席順が決まるなど、先生が競争をあおり子どもたちに勉強をさせているのですが、どうやらこの男は、テストでビりをとった子供にだけ見える存在のようです。そのことに気付いた始は、この「びりっかすの神さま」との交流を続けるため、わざとテストでビりをとり続けます。

やがでクラスには他にも「びりっかすの神さま」が見える子がでてきます。そして、子どもたちは、みんながビリの点を目指すようになります。そしてみんながビリの点数をとったとき、事件が起きます。

先生が学校に来なくなってしまったのです。     つづく

 


日本と海外の教育制度を行ったり来たりしている我が家。最近よく、「子供の教育にどこまで競争原理を導入すべきなんだろう?」と考えます。

テストの点数で厳密な成績管理がなされている日本の学校と、個々の生徒の持つ特性とクラス・パーティシペーションを重視するインター。両方とも、いいところもあるし、悪いところもあります。

子どもたちが熱心に勉強しているのは、競争原理が導入された日本の教育制度の方です。負けて悔しい思いをするのは誰だっていやですからね。そして競争のなかで、子どもたちは、努力することの大切さを学び、目標を達成したときの喜びを知り、泣いたり笑ったりしながら、徐々に成長していくわけです。

その一方で、競争どっぷりの世界にいると、失うものもあります。成績だけで人を評価するようになったり。自分は優秀な人間なんだと勘違いしてしまったり。他の子供への思いやりを失ってしまったり。また、「学習」がトップの成績をとるための「手段」と化してしまうと、学ぶことの「喜び」を知らず、要領よくポイントを稼ぐことだけに長けた人間になってしまう側面もあると思っています。

こう書くと、インターの教育の方が優れているようにも聞こえますが、物事はそこまでシンプルではありません。ご存じの方も多いと思いますが、国単位でみたとき、IBの試験で圧倒的にいい成果を出しているのは、シンガポール。タイガー・マザーのさらにその上を行くドラゴン・マザーたちが住む世界です。結局、インターのIBカリキュラムに沿った教育でも、勝者になるのは激しい競争の荒波を乗り越えっていった人たちだという皮肉な現実があるわけです。

そんなわけで、教育制度のはざまで色々悩んでいたわけですが、この本を読んで、なんだかちょっとだけ、目の前の霧が晴れたような気がしています。まだ言葉で説明できるほどに考えは固まっていないので、現段階で言葉にするのは避けますが、同じような悩みを持たれている方がもしいらしたら、一度この本を読んでみるといいかもしれません。もちろん、大人だけでなく、お子さんにもおすすめの一冊です。

 


この本の作者、岡田淳さんは、児童文学者としてたくさんのすばらしい作品を書き、多くの賞を受賞しています。独特のファンタジックな世界観と子どもの心理描写の巧みさが魅力です。

そんな岡田さんですが、実は本業は小学校の図工の先生です。定年まで教職を勤め、副業として作家活動をされていたそうです。普段から子どもに接するご職業だったので、こんなに子供の心に寄り添った文章が書けるのですね。ちなみにこの本では、挿絵もご自身で描かれています。絵本作家ならともかく、児童文学者で挿絵まで描くという方は、非常に珍しいと思います。

岡田さんの主な作品には、他にも以下のようなものがあります。「びりっかすの神さま」がとてもよかったので、いくつか追加で日本から入手して、子どもと一緒に読んでみようと思っています。

  

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