教育に関する雑考

中学受験のダークサイド

少し前になりますが、小学生のときに中学受験塾で一緒だった友人3人と夜中にチャットをしたことがありました。小学校時代、毎日のように顔をあわせ、一緒に勉強していた友人たち。みんなで集まることは最近はほとんどないけど、時折ネットを介してやりとりをしています。

子どもが中学受験を考える年代となり、先日のチャットでは、なぜ自分自身が中学受験をすることになったのか、中学受験がその後の人生にどのような影響を与えたか・・・取り留めもなくそんな話をしました。色々と話をしているうち、中学受験に潜む2つのダークサイドに気付きました。

 

ひとつは、中学受験でがむしゃらに勉強する子供というのは、何かコンプレックスを抱えていて、自己肯定感を得るため(周囲に褒めてもらって、自分の成績に自分で満足するため)に勉強している側面があること。イメージとしては、コンプレックスと競争心を両輪に、自己肯定感というニンジンを前にぶらさげられた状態で、前だけ見て走っている感じですね。小学生の子供というのは、まだ人生の目標とか夢とかを考えて突っ走れるほど精神的に成熟してはいないので、日々必死で勉強するというのは、本来は不自然なことなのです。その不自然さを乗り越えて勉強するのには、理由がある。その最たるものが、「自己肯定感の欠如」だったんだなと、改めて気づかされました。

そしてもうひとつは、成績優秀者の場合、「自分は他の人とは違う優秀な人間だ」という歪んだ優越感を持つようになり、ここから開放されるのに相当の時間がかかること。別に脳みそが優秀だから成績が良かったわけではなく、努力したからいい成績がとれただけなんですが、子供にはそこの違いが判らないので、周囲の大人からちやほやされるうちに、自分はスペシャルな人間だと勘違いしてしまうのです。この歪んだ優越感は、その後の人格形成にも影響を与えますし、人間関係の幅も狭めることになります。

以上の2点は、自分自身がそうだったということはかなり前から認識していていたのですが、友人と話をしてみたら、びっくりするくらい共通点が多く、「ああ、みんなそうだったんだ・・・」と驚きました。


もちろん中学受験にはいろいろプラスの側面もあります。受験勉強は大変だけど、それを乗り越えることができれば、学力のみならず、自信や忍耐力がつきます。そして何より、同じ学力レベルの友人たちと切磋琢磨しながら成長できる私立中学の環境は魅力的です。私自身も、中学受験をさせてくれた親にとても感謝しています。でも、上記のようなダークサイドを知っている身としては、自分の子供の中学受験には、いまいち前向きになれないのです。

うちの長女は現在小学3年生。最近は、日本の友人たちの影響で、「私も中学受験をしたい。4年生になったら、みんなみたいに塾に行ってみたい。」と言っています。「ふーん。じゃあ桜蔭とか目指してみる?必死で3年間勉強すれば行けるよ。」と振ってみたら、「うーん。よく分からないけど、『日本で』トップの学校に行く意味はあるのかな?なんか違う気がするんだよね・・・。」とのこと。そう、なにかが、違う気がするのです。

我が家の中学受験、まだまだ迷走が続きそうです。

 

中学受験のダークサイド” に2件のコメントがあります

  1. Clematisさん
    はじめまして、こんにちわ。
    毎回、ほぉ~と思う記事や、微笑ましい記事なので楽しみにしています。

    今回、中学受験の記事、私の中でモヤモヤっとしていたものを
    クリアにさせてくれました。ありがとうございます。
    ウチの長女も小3、お友達の影響で受験希望、通塾希望です。
    中高一貫教育には魅力を感じますが、
    そのためには大切な子ども時代を削り、通塾・勉強・勉強。
    娘はいたって平凡な成績ですが、コツコツタイプであり、長女気質。
    ゆえに「自己肯定感の欠如」のお話、ぴたり納得できました。

    日本しか知らない私たち家族の視界は狭いものですが、
    Clematisさん家族を含む世界を知っているご家族の視界は
    格段に広いものと思います。
    それを小3から感じてらっしゃるお嬢様の今後が楽しみですね(*^_^*)

    因みに、我が家の中学受験も迷走が続きそうです。

    1. こんにちは!コメントありがとうございます。
      中学受験、いろいろ考えちゃいますよね。。。中学受験を成功させるためには、アメと鞭で子どもをうまくマインドコントロールすればいいんだろうなと思うですが、やっぱりそういうのってやりたくないので、なんだかモヤモヤしてしまうんですよね。英語学習が中断してしまうのも気がかりです。

      ねんりんさんのブログ、拝見させていただきました。うちの子と同じ年齢とは、なんだかうれしいです!今後ともどうぞよろしくお願いいたします。

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