IB(国際バカロレア)教育:Inquiry(探究)の大切さ

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先週末、久々に次女が宿題を持って帰ってきました。「動物について、4つのWhyを考えて、それに対する答えをお父さんお母さんと一緒にリサーチして、提出するように」というものでした。

Inquiry(探究)を大切にする国際バカロレアのPYP(Primary Years Programme)では、こういう風に、自分で疑問に思ったことについて、自分でリサーチをして答えを探すという学習を繰り返します。今回もその一環です。日本の教育だと、質問は先生が考えるのが通常ですから、かなり違いますね。


次女が書いてきた質問はこんな感じ。

「どうして動物は人間と違うの?」
「どうして一部の動物は水の中で生きることができるの?」
「どうして一部の動物はふわふわなの?」

ここまでは簡単でした。次女に図鑑やネットの情報を見せながら、サクサク終了。

 

問題は彼女の四つ目の質問。

「どうして動物はかわいいの?」

いやー、それ、どうしてって言われてもね。かわいいって、そもそも個人の主観だし。それを「どうして?」って聞かれても。
猫はかわいい。犬もかわいい。ネズミもかわいい。ゾウもサルもブタも、見方によってはみんなかわいい。そう、動物ってかわいいんですよね。クマなんてリアルでは怖い動物だけど、テディ―ベアは大人気だし。しかし・・・どうして人間は、動物を見て、かわいいと思うんだろう?あれ?そういえば、どうしてなんだろう??

 

最初は、「うちの子、また変なQuestionを書いてきたなー」と思ったわけですが、よく考えると、深い。深すぎる。もはや哲学の世界です。ネットで調べてみたところ、同じような疑問を持つ人が世の中には他にもいるようで、喧々諤々の議論がなされていました。うーん、これ、どうやって次女に説明すればいいんだ?

 

頭を悩ませていたところ、次女がひとこと。
次女 「あっ、わかった~!動物がかわいいのは、動物のママがかわいいからだ!」
私  「えっ。じゃあどうして、ママはかわいいの?」
次女 「そりゃ、ママのママがかわいかったからでしょ?」
私  「・・・・・・。」

こんな答えでいいのかなー。よくわかりませんが、哲学的な議論に深入りするとはまりそうなので、今回は、次女のいう通りに記載させて、提出しました。

 

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最初のころは、「自分で疑問を考えて自分で答えを探す」というIBの学習法に、私はかなりの違和感を抱いていました。「答えを知っている質問を書けば、手抜きできるなー」などと思ってみたり。小学生のころから、テストで効率的に点を取ることを最優先に教育されてきたので、恥ずかしながらこういう思考回路になってしまうんですよね。でも、最近は、この学習法の良さがしみじみと感じられるようになってきました。

人間は年を取るにつれ、日常の周囲のものに「なぜ?」「どうして?」という疑問を持たなくなります。でも、ニュートンとリンゴの話のように、日常のあたりまえの物事に対して疑問を感じることは、とても重要なんですよね。それが新たなインスピレーションのきっかけになるわけです。そしてそんな「ひらめき」が多い人ほど、クリエイティブな活動ができるわけです。

今後AIが進化していけば、さほど遠くない将来、事務作業的な仕事の大半は機械がこなすようになることが予測されます。そうするとこの「ひらめき」の多さというのが、これまで以上にキーを握ってくるような気がしています。

「なぜ?」「どうして?」という子どもの探究心、大切にしてあげたいなと思います。

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