教育に関する雑考

バイリンガル教育の第一ゴール 我が家の場合

この1年あまりの間、バイリンガル教育をしながら、「何を目標にすればいいのか」「ゴールをどう設定するか」ということを常に考えていました。最近になってようやく、目指すべき第一のゴールが定まってきた感じがしています。

私が現時点での第一ゴールとして考えているのは、「同年代のネイティブ並みのlistening力とspeaking力の獲得」です。長女についてはゴールがうすぼんやりと見えてきたかな。次女はまだまだ時間がかかりそうです。夫の海外駐在が終わり日本へ帰国することとなったときまでに、このゴールが達成できていればいいなと思っています。


listeningとspeakingのみにフォーカスしてゴールを設定したのは、以下の2つの理由からです。(なお、四技能は相互に関連していますので、readingとwritingを鍛えることによりlisteningやspeakingの力も向上するとは思いますが、ここではあくまでも、「ゴール(目標)設定」という観点から検討しています。)

1 ネイティブレベルのlistening/speaking能力は、臨界期以降の取得が難しい

我が家の場合、夫も私もアメリカのgraduate school(大学院)を出ており、仕事でも英語を使っています。よって世間の平均から見れば、英語はそれなりにできる部類に属するのかなと思います。しかしながら、2人とも英語にはそれなりに苦労しました。「英語が話せる」と一口にいっても、「1対1の会話で英語で意思疎通ができるレベル」と、「ネイティブ間の議論に問題なく参加できるレベル」の間には、大きな差があります。私と夫の場合、前者のレベルです。

留学中に周囲を見渡すと、後者のレベルに到達していたのは、帰国子女組ばかり。日本で受験戦争の勝ち組としてエリート街道を歩んできた人たちの多くは、後者のレベルに達することができず、私たち同様の挫折感を味わっていました。そこには、地頭の良さや個人の努力では乗り越えることが不可能な「大きな壁」がありました。そのときの経験から、私としては、多少無理をしても、臨界期前にlisteningとspeakingを鍛え、壁の向こう側に行かせてあげたいと思っています。

ちなみに、readingやwritingの場合には、大人になってからの勉強でも十分間に合うし、多少能力に足りない点があっても、時間をかけて取り組むことにより、ノンネイティブでもそれなりのパフォーマンスを残せます。なので今から焦る必要はないと思っています。

2 speakingは瞬間芸、コンピュータによる自動化が難しい

ここ数年の間に、コンピュータによる自動翻訳の精度がどんどん上がっています。

我が家はドイツ語圏に住んでいますが、普段の生活のなかで、ドイツ語の学習が必要だと感じることがほとんどありません。スマホに入れたgoogle translateが大活躍してくれているからです。ちなみにドイツ語→日本語の精度はいまいちで、奇妙な日本語になってしまいますが、ドイツ語→英語への翻訳をかけると、びっくりするくらい正確に訳してくれます。google translateは、文法が似ている言語間の翻訳についていえば、既にかなり高精度なものになっているのを実感します。おそらくあと10年もすれば、日本語と英語の間の翻訳の精度も大幅に向上しているでしょう。言葉をかえれば、readingとwritingについては、頑張って勉強しても、子どもたちが大人になるころにはAI(人工知能)で代替できるようになっている可能性が高いということです。そうすると、英語と日本語、両方について平均レベルのreading & writing力がある人より、どちらかについて平均以上の能力を持つ人の方が、AIの助力を得ることによって高いパフォーマンスを残せることになりそうです。となると、英語のreadingやwritingを鍛える時間があったら、その分母語である日本語のreadingとwritingを鍛えた方がよいのではなどと考えています。

【イメージ図】
AIによる高精度翻訳が実現すれば(オレンジ部分)、モノリンガルのBさんが、トータルパフォーマンスではバイリンガルのAさんを上回ることになる可能性がある。

graph

一方、speakingについては、高精度の自動化はまだまだ先の話になるのではと予測しています。通訳を入れた会話程度のスピード感のものであれば、おそらく近い将来に実現するでしょう。ただ、ネイティブ間の議論のようなスピードでの翻訳は当分の間は実現困難です。

そんなわけで、同じ投資をするなら、writingやreadingよりも、speakingに注力した方が、長期的な視点でみたときのROI(投資対効果)が優れているということになるのではと思っています。ちなみにlisteningはspeakingとセットで「オーラル・コミュニケーション能力」を形成するので、speaking同様に伸ばしていきたいと考えています。


私は、勉強であれ仕事であれビジネスであれ、目標を設定することは非常に大切だと思っています。なぜなら、明確に目標を設定することによって、たくさんあるtaskに優先順位をつけて効率的に取り組むことができるようになるからです。

なお、第2、第3のゴールについては、まだ考え中です。これは子どもの進路によっても変わってくるので、現時点で設定するのは難しいかな。ただ、色々考えていることはあるので、ある程度考えがまとまったら、自分の備忘録もかねて記事を書こうと思っています。

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