子どものレベルにあった本を選ぶために:Book Band Systemを理解する

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先日のこと、学校から帰ってきた次女がうれしそうに私に報告しました。「ママ、今日ね~、リーディングがターコイズになったよ!」

reading のレベルが「色」によって決まっていることは以前から認識していたのですが、最近になってようやく、この「色」の意味が分かってきました。


イギリスでは、リーディングの能力に応じた本を読むことが推奨されており、適切な本を選ぶことができるよう、Book Band Systemというものがあります。Book Band Systemには色々な種類があるようですが、基本はInstitute of Education(IoE)が2000年に公表したもので、ピンクからライムまで11段階に分かれています。8歳までにライム(冒頭の図の右から2番目)をクリアする、というのがひとつの目標になっているようです。Book Bandのなかには、上記をベースにピンクの前にライラックを加えたり、ライムのあとに3~4色を加えたりしたものもあります。

なお、IoEのBook Band Systemについての解説は、有料の出版物になっており、残念ながらIoEの公式サイトで内容を確認することはできませんでした。概要がまとめられた外部サイト(英語)があったので、自分の備忘録も兼ね、リンクを貼っておきます。
IoE Book Band 概要

イギリスの出版社から出ている低学年向けのシリーズ本の場合、この「色」で、本のレベルの判別が可能なことが多いようです。たとえばORTの場合、背表紙の上の方のところに、色のサムネイルが印刷されています。Harper Collinsの本なども、OTR同様に色のサムネイルがついています。Usborneの場合、背表紙の色で分かるようです。サムネイルの印刷はされておらず、HPで対照表をチェックすることが必要です。

なお、ORTの場合、少しトリッキーな部分があります。基本は冒頭の図のようにステージとBook Bandの色が一致するようになっているのですが、Band Systemがはじまる前に出版された本で、ステージと色が一致していないものが一部あるようです。TES(イギリスの学校の先生たちの交流サイト)でも、「どうしてこの本はステージ9なのにターコイズなの?」(通常はステージ9はゴールドです)といった感じのスレッドが散見されます。Book BandとORTのステージは区分けの基準が異なるので、このような齟齬が生じてしまっているのでしょうね。

アメリカの出版社の本や、シリーズものではない絵本の類には、このBandはありません。イギリスの学校では、これらの本には独自の判断で色ラベルのシートを貼って、レベルを分かるようにしていることが多いようです。


子ども達の学校では、このイギリス式のBook Band Systemに沿って、毎日のreading assignmentが出されます。レベルチェックは定期的に先生がやっているようです。ざっくりしたイメージですが、そのレベルの本について、初見で90%以上の単語が問題なく読めていれば、次のレベルに行けるようです。Book Band Systemは、本を選ぶときに便利なだけでなく、子どものリーディング力を把握するのに役立ちますし、また、reading assignmentに毎日付き合う親にとっても、励みになります。

今から考えてみれば、次女について、いつどのレベルにあがったか、きちんと記録をしておけばよかったな・・・と思います。当初は、こどものインター独自のシステムかと思っていたので、記録の必要性をあまり感じていなかったのでした。私の記憶では、次女の場合、ピンクから黄色まで1年程度かかりましたが、黄色からターコイズは4か月くらいでした。最近リーディングが伸びてきたなと感じていましたが、こうやってレベルで見ると、伸び具合が客観的に分かりますね。夏休みに入る前にゴールドまで到達できるといいなと思いますが、さてどうでしょう。

ちなみに、子ども達の学校の場合、2年生以上になると、Book Band Systemによるレベル管理はなくなります。かわりに数字で細かくレベリングされた本を読んでいることがあります。こちらはDRA-Development Reading Assesmentという指標なのではないかと思いますが、長女のクラスではreading assignmentはほとんどないので、詳しいことはよくわかりません。またなにか役立ちそうな情報があったらご報告したいと思います。

 

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