留学で得られるのは語学力だけではない

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海外で子どもをインターに通わせているという話をすると、「子どもは将来英語ペラペラ?いいねー」とよく言われます。はたして本当に「ぺらぺら」になれるのか?そもそも「ぺらぺら」って何なんだろう?という点はさておき、個人的にひっかかるのは、「帰国子女=英語ができる」という点に、まわりの知人や友人の関心がフォーカスされている点です。

我が家が海外に出ることを選んだ理由の第一は、もちろん英語教育なのですが、それだけではありません。海外生活によって、子どもが持つ「ひきだし」をたくさん増やしてあげたい、色々な友達を作って視野を広げてほしい、ということも考えていました。

私自身、20代後半で、アメリカに2年間ほど留学をしました。日本から一歩出たことにより、これまでの自分が、温室の中から曇りガラスを通じて世界を見ていたことに気づかされました。自分の価値観や考え方を180度変えてしまうような出会いや経験もありました。私の場合は20代後半と遅かったけど、このような経験を子ども時代にできたら、世界はまた違った景色に見えるに違いない、そしてそれによって、今後の彼女たちの人生の歩み方も変わってくるに違いないと思ったのです。

 

実際に海外に出てみてどうだったかということですが、子ども達の内面的な成長にどのような影響があったのかは、正直なところよくわかりません。ただ、何となくですが、子ども達の話を聞いていると、友達とのやりとりを通じて、いつの間にか世界について様々な知識を得ていることに驚かされます。そして、その知識をもとに、ニュートラルかつ多角的な視点で物事を見ることができるようになってきているなと思うことが時折あります。

たとえば、少し前の話になりますが、夫婦別姓のニュースをみた長女が、「結婚したらどっちかの苗字にしないといけないなんて、なんか変だねー」と言っていました。どうしてそう思ったのか聞いたところ、次のようなことを言っていました。

・中国人のWちゃんちに遊びに行ったら、表札に、お父さんとお母さんの苗字が書いてあった。中国ではお父さんとお母さんの苗字が別なんだって。けど、Wちゃんちには何も問題は起きていないよ。
・スペイン人のMちゃんは、名前がすごく長い。どうしてか聞いたら、お父さんとお母さんの苗字が別々で、子どもが生まれると両方の苗字を名前につけるから、長くなってしまうんだって。名前を書くときに長いから大変だけど、それ以外は別に問題ないみたいだよ。
・だからお父さんとお母さんの苗字が違うというのも別におかしなことではない。というか、逆にどうして日本では同じ苗字にしなきゃいけないのかが分からない。

うむむ。親ばかで恐縮ですが、一部の国会議員の先生方の意見よりも、うちの8歳児の言うことの方が、説得力があるような気がします。

 

また、友達になるのに、国籍や肌の色、宗教なんて関係ないということを、実体験を通じてわかってくれているのもうれしいところです。

ちなみに長女は、上記Wちゃんとはとても仲良しです。運動も勉強もでき、英語も完璧なWちゃんのことを長女は尊敬していて、「私もWみたいになれるように頑張る!」とよく言っています。日中関係が悪化していることは知っていますが、どこの国の人であろうが、仲良くなれることを知っています。

 

我が家の場合、駐在に伴う海外移転ですので、いつかは日本に戻ることになります。それまでの間に、子ども達に、たくさんの出会い、たくさんの経験をさせてあげたいなと思っています。

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