Open Syllabus Explorerというサイトがあります。The American Assemblyというコロンビア大学の研究機関が立ち上げたサイトで、アメリカをはじめとする英語圏の大学のHPにアップされた膨大な量のシラバスを分析しています。最近β版が公表さればばかりという状況なのですが、大学の授業で使われた本のランキングが発表されていて、その結果がなかなか面白かったので、今日はそのランキングをみながら、子どもに読ませたい本と私が読みたくなった本を紹介してみたいと思います。
こちらがそのランキング。
1位のThe Elements of Styleは、ライティングに関する本で、なんと初版が1918年。100年近くたった現在でも、格調高い文章の書き方を教える本として、知識人の間で広く読まれているのだそうです。シラナカッタ!子どもに英語の書き方を教えるにあたり、自分でも読んでみようと思い、早速ポチしました。大きくなったらうちの子ども達も読んでくれるかな。読んでくれるといいな。
そのほか10位内に入っている本をみると、プラトンの「国家」、マルクスの「共産党宣言」、アリストテレスの「倫理学」、ホッブスの「リヴァイアサン」など、「ちょ・・・私には無理」的な本ばかり。そんななか、ちょっと目立っていたのが5位の「フランケンシュタイン」。あのフランケンシュタインです。ホラーとしての印象が強い作品ですが、生命の神秘を探るべく熱心に研究をして人造人間を作りだしたフランケンシュタイン博士のたどる悲しい運命は、現代科学への警鐘と受け取ることもできます。原作は言葉が難しくて小さいこどもにはとても無理なんですが、集英社から出ているフランケンシュタイン (子どものための世界文学の森 32)が、原作に忠実なストーリーで、かつ小学生にもわかりやすい言葉で書かれていて、おすすめです。本の最後の方に作者がこの本を書いたいきさつや子どもの書いた読書感想文などが載っているのもいいです。ちなみにうちの長女(8歳)がちょうど1~2か月前に読んだところなんですが、本人いわく、「怖かった・・・」ということで、この作品の深さはまだ理解できなかったようです。2年後くらいに読ませてみたら、また違う感想を持つかしら。ちなみにこの「子どものための世界文学の森
」シリーズはどれも結構おすすめです。
シェイクスピア作品からは、「ハムレット」が10位にランクイン。子供たちのインターでも4年生になるとシェイクスピアの勉強が始まるので、そろそろ日本語のシェイクスピアの本や解説書を探し始めようと思っていたところでした。シェイクスピアは作品が多すぎるのでどこから手を付ければいいかなと思っていたのですが、まずはハムレットなのかな。とりあえずAmazonのレビューを見てよさそうだったものをいくつかピックアップ。私もシェイクスピアはよくわからないので、まずは私が勉強しないといけませんね(汗)
Open Syllabus Explorerのことは、NY TimesやWashington Postなどでもとりあげられていました。特にNY Timesの記事(What a Million Syllabuses Can Teach Us )は、色々な角度からランキングを分析しており、読んでいて面白かったです。同記事によれば、Open Syllabus Explorerで上位に食い込んでいた近年のフィクションは以下のとおりとのこと。
What about fiction from the past 50 years? Toni Morrison’s “Beloved” ranks first, at No. 43, followed by William Gibson’s “Neuromancer,” Art Spiegelman’s “Maus,” Ms. Morrison’s “The Bluest Eye,” Sandra Cisneros’s “The House on Mango Street,” Anne Moody’s “Coming of Age in Mississippi,” Leslie Marmon Silko’s “Ceremony” and Alice Walker’s “The Color Purple.”
このなかで比較的簡単な英語で書かれているのは、 The House on Mango Streetでしょうか。英検2級程度の英語力があれば問題なく読めるのではないかと。ちなみに我が家にもあるのですが、スペイン語版です。有名な本だったんですね、知りませんでした。ほかにはThe Color Purple
も日記形式で書かれており英語は平易ですね。ただ、性的虐待の話などが出て来るので、子ども向きではないです。
私が読もうと思っていてまだ読んでいないのはNeuromancer。映画の「マトリックス」の元になったともいわれる有名な長編SF小説です。なんと第1部の舞台が千葉市だとか。なぜ千葉?わかりません。千葉市民は読んだ方がいいかも?(笑)
以上、なんだかまとまりのない投稿ですが、Open Syllabus Explorerをみて、子どもに読ませたい本&私が読みたくなった本を、紹介してみました。