インターの学校生活, 教育に関する雑考

インターナショナルスクールの選び方 我が家の経験から

最近は日本にもインターナショナルスクールが増えてきました。ただ、通わせている方の数が絶対的に少ないので、色々と情報が不足しているように思います。

私自身、夫の赴任に伴い子どもを実際にインターに入れるまでは、「インター」ということでひとくくりに考えていたので、学校の特徴や選び方などは、よく理解していませんでした。子どもの入学後にはじめて、IBのカリキュラムの内容や特徴、学校ごとの違いなどが分かるようになりました。また、子どものインターには日本にいたことがある先生が複数いたので、日本のインター情報などもちょこちょこと頂くようになりました。

そこで今回は、自分の経験や教えていただいたことなどを踏まえ、インターナショナルスクールに子どもを通わせる場合にはどのような点に着目して学校を選べばいいか、整理してみたいと思います。

 

1 IB(国際バカロレア)認定校か否か

まずチェックが必要なのは、IB認定校かどうかという点です。(※ほかにも国際的な認証として、WASC、CIS、ACSIなどがありますが、あまり一般的ではないのと、私自身があまりよく知らないことから、本稿では省略させていただきます。)

IBのプログラムは、年齢で以下の3つに分かれます。
・PYP (Primary Years Programme):3歳~12歳
・MYP(Middle Years Programme):11歳~16歳
・DP(Diploma Programme):16歳~19歳

卒業までその学校に通わせることを考えているのであれば、一番重要なのはDPの有無です。DPを一定の成績で終了すれば、国際的に広く認められている大学入学資格を取得できます。逆にDPがない学校だと、行く大学に困ってしまいます。

教育の連続性を考えれば、PYPとMYPもあるところの方が望ましいと思います。子どもの学校はPYPですが、やっぱりいい教育だなと思います(PYPについては書き始めると長くなるので詳細はまた別記事にします)。ただ、日本では、3つ全ての認定を受けているインターはまだ数が少なく、東京都でもわずか1校だけなんですよね。なので、PYPやMYPの有無については、さほど拘らなくてもいい・・というかそこに拘ると選択肢がなくなってしまうのではと思います。

ちなみに、IB認定校の一覧は、下記にて最新のものがチェックできます。認定校のなかには日本語でのIBプログラムを提供している学校もあり、これらはいわゆる「インター」ではありませんので、ご注意を。
国際バカロレア認定校一覧(文科省HP)

 

2 DP統一試験の平均点

DPがあるといっても、教育レベルは学校によってまちまちです。というわけで、次にチェックが必要なのは、その学校の近年のDP統一試験の平均点です。これはきちんとしたインターであれば必ずHPに書いてあります。書いてない学校は書けないから書いてないと考えた方がよさそうです。

「ええっ、インターって、偏差値とか無関係で自由な学びができる場所じゃないの?」と思われる方もいるかもしれませんが・・・う~ん、世の中そんなに甘くない。DPの高い学校はそれだけで人気校になります。Secondaryの先生方の評価も受け持った生徒のDPの成績で決まってきたりしますので、先生たちも必死です。というわけで、DPの点数(特に平均点)は、そのインターの実績を評価するための数値として、非常に重要視されています。

DP統一試験は45点満点で、合格点は24点。全世界の平均点は30点くらいで、トップ大学(アイビーリーグの学校やオックスブリッジ)に入ることができる目安は39点(だいたい上位15%)くらいです。これを目安にその学校の平均点を見れば、だいたいの教育レベルが推察できます。個人的な感覚ですが、平均が34~35くらいあれば一応安心、37以上あれば「すご!」です。

ただしここで注意が必要な点がひとつあります。それは、学校によっては、平均点をあげるために、DP統一試験を受験する生徒を絞っている可能性があるという点です。成績がいまいちの子を受験させなければ、平均点はあがりますよね。トリッキーですが、実際にはこのような方法で平均点をあげている学校が相当数あるようです。よって単に平均点を見るだけではなく、12年生の生徒が全部で何人いて、そのうち何人が試験を受け、その平均点がどのくらいだったのか、多角的に情報を収集し分析することが必要になります。

なお、駐在などに伴い数年程度Primaryに通わせるようなケースの場合には、DPよりもISAの平均スコアをチェックした方がよいと思います。ISAというのは、インタ―ナショナルスクールを対象とする世界統一試験のことです。多くのIB系インターでは1~2年に一回、生徒にISAを受験させ、学校の教育レベルを確認しています。ISAのスコアがいい学校は、自校のHPで、世界平均スコアと自校平均スコアの比較表を掲載していたりしますし、掲載されていなくても聞けば教えてくれるはずです。インターはDPの点数をあげるためにSecondaryにリソースを割く傾向にあるので、Primaryのレベル把握にはISAのスコアの方が参考になると思います。

 

3 人種構成

日本のインターに通わせる場合、人種構成、特に日本人がどの程度いるかという点は、一番注意が必要なポイントかもしれません。子ども達の学校にも日本で教えたことのある先生が何人かおり、日本のインターの話をちょこちょこと聞くのですが、日本人が多くてまるで英会話学校のようになってしまっているインターが結構多いのだそうです。特に東日本大震災以降、日本へ赴任をする外国人が減少したことに伴い、今までは日本人の数を厳しく制限していた一部の老舗インターが、財政難から日本人を積極的に受け入れるようになったそうで、ここ数年で人種構成に大きな変化が見られる学校も少なくないようです。よって日本人がどのくらいいるかは、最新の情報をチェックする必要があります。

最近は老舗インターでも、「日本人は2割に抑えている」としながら、日本語を母語とする生徒が5割を超えているところもあったりします。「2割ルール」を維持したのでは生徒数の確保ができないため、重国籍者は外国人としてカウントしている模様です。よって、日本国内のインターを考えている場合には、アドミの説明を鵜呑みにせず、実際に通学されている生徒の様子をつぶさに観察した方がいいです。

ちなみに日本人がやたらと多いインターだとどうなるかですが・・・中途半端な日本語と中途半端な英語しか話せない子ども達のなかで学校生活を送ることになるので、語学力はもちろんのこと学力も低空飛行になってしまいます。このような状況のため、日本人への門戸を広げた一部の老舗インターでは、以前から在籍していた生徒が他校へどんどんトランスファーしてしまう→空いた枠を埋めるためさらに日本人への門戸を広げる(必要な英語力のハードルを下げる)→ますます学校のレベルが下がる・・・という悪循環になってしまっているそうです。我々日本人にとっては、インターに入りやすくなったというのはうれしいことなんですが、難しい問題ですね。

なお、海外インターの場合ですが、多少は日本人がいるところの方がいいと私は思います。その方が子ども達も心強いし、ママ間で色々な情報をやりとりしたり助け合ったりすることもできます。子どもたちの学校の場合、日本人率は4~5%程度で、日本人とべったりというわけではないけど、たまに日本語でおしゃべりもできるという感じで、個人的にはちょうどいいと思っています。ちなみにヨーロッパはエリアによって日本人の人口にばらつきがあり、インターの日本人率も0から10%を超えるところまで色々です。日本人が多いインターだと、日本の大学がわざわざやってきて説明会を開催してくれたりするそうですが、うちの子どもの学校ではそれはなく、高校生のお子さんをもつ親御さんは情報収集に非常に苦労しているようです。また、日本人が少ない学校だと、日本語の授業がない=DPの外国語科目で日本語を選択できないことになります。以上からすると、学年が低いうちは、日本人が少ないところでどっぷり英語環境につかる方がいいと思うのですが、逆に学年があがってくると、日本人率が高いところの方がメリットが増えるように思います。

 

4 EALの充実度

ノンネイティブに対しての英語教育がどの程度充実しているかも、要チェックです。多くのインターは、「しっかりした英語教育を実施しています」とアピールしますが、学校によってかなり差があります。

ノンネイティブが多い=EAL(English as Additional Language)が充実している、とは限りません。学校によっては、限られた人員でEALを運営している関係から、ある程度のレベルになると心太方式で押し出されてしまうこともあります。DPの平均点が高い=EALがしっかりしているという公式も成り立ちません。逆に、「うちは英語学校じゃないので」というスタンスのところが多いかも。ちなみにうちの子ども達のインターは、このパターンですね。このあたりの見極めは、実際に通っている人に話を聞かないと、分からないと思います。

 

5 学校の雰囲気や教育方針

これは日本の学校選びでも当てはまることですね。子どもによって、合う・合わないがあると思います。厳しい学則がある学校なのか、自由な雰囲気の学校なのか。学業に力を入れている学校なのか、課外活動重視で多様な人材育成を目標に掲げる学校なのか。お子さんと一緒に訪問し、先生たちと話をして、その学校がその子に合うかどうか、きちんと確認することが重要だと思います。

また、駐在員家庭が多いのか、いわゆるスーパーリッチな人が多いのかという点も、把握しておいた方がいいです。学校によってカラーがあります。我が家が住んでいる場所には大きなインターがふたつあり、うちの子ども達が通っているインターは駐在員家庭が多い比較的新しいインター、もう片方は高級住宅地のそばにあってヨーロッパの富裕層が多い老舗のインターです。他のご父兄と話していると、ふたつのインターでどうしてこちらを選んだのかが話題にのぼることがよくあるのですが、「うちは駐在員家庭だからこっちの方が合うと思った」とおっしゃる方が結構多いです。

 

6 ブリティッシュスクールを選ぶ場合の注意点

インターナショナルスクールにもいろいろな種類がありますが、結構人気があるのがブリティッシュスクール。厳密にいえば、ブリティッシュスクールはナショナルスクールになるのかな?ブリティッシュスクールの場合、英国の学校カリキュラムに準拠して運営されており、先生も生徒もイギリス人が多いので、きれいな「イギリス英語」を身につけることができます。

ブリティッシュスクールの場合、通常のインターと比べると、早くから英語の読み書きを教えるようです。ざっくりした感覚ですが、小学生の場合、通常のインターよりも半年~1年くらい先に進んでいるような感じがします。よって英語力0の日本人にとってはちょっと大変です。

また、インターに比べると国籍に偏りがあるので、日本人にはなじみにくいケースもあるようです。

 

以上、私見になりますが、インターの選び方についてまとめてみました。
IB認定校じゃなくてもいい学校はたくさんあるでしょうし、DPの平均点が低くても子どもの個性を重視した素晴らしい教育をしている学校はあると思います。あくまで学校選びに迷ったときのひとつの指針ということで、参考にしていただければと思います。

インターナショナルスクールの選び方 我が家の経験から” に2件のコメントがあります

  1. こんにちは。早速リンクをたどって訪問させていただきました!
    3の人種構成の下りは、うちの学校の話をしてるの?ってぐらいドンピシャでした!正にうちの子どもが通っているインターは負のスパイラルを下降中です。でもうちだけでなく、近辺のインターもかなり厳しい状況のようです。
    ただ今のところ英語ネイティブの子や全く日本語を話せない子にとってはあまり問題はないように見受けられます。
    英語ネイティブ駐在員が減少し、早期英語教育の影響で日本人は増加するという中で日本のインターも厳しい状況に立たされているんでしょうね。

    1. Norikoさん、コメントありがとうございます。
      ドンピシャでしたか~!負のスパイラルの話をされていたのは、昨年夏まで東京の某老舗インターで教えていた先生でした。もしかして同じ学校だったりして(汗)でも、どこも厳しい状況なんですね。。。
      我が家は日本に本帰国することになったら日本の小学校に戻すつもりでいたのですが、こちらでIBのPYP教育を受けさせていると、やっぱりいい教育だなと思う点が多く、日本でもインターに入れようかと迷いが出てきています。とはいえ、やっぱり日本のインター進学は、リスクが色々大きいんだなあとNorikoさんの投稿をみて思いました。子どもの英語教育、難しいですね。

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