日本の公立小学校のいいところ 7つ

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先日、日本のお友達から長女に、お手紙が届きました。

最近クラスに、うちの長女が住んでいるのがどんな国なのか、調べて発表する係ができたとのこと。一時帰国で2週間お世話になっただけなのに、うちの子のことを時折みんなで思い出してくれているのかな・・・と考えると、ちょっと目頭が熱くなってしまいました。

インターにもいい点が色々ありますが、その一方で、日本の公立小学校も素晴らしいところがたくさんあります。欠点を色々述べるより、いいところを書く方が個人的にはスキなので、今日は、日本の公立小学校のここがイイ!という点を、紹介してみようと思います。(といいつつ、結局はインターとの比較になってしまうので、ちょっと愚痴っぽい部分も出てきてしまいますが、その点はお許しを。)

1 カリキュラムがしっかりしており、何を学んでいるか親からもよくわかる

日本の義務教育のカリキュラムは練りに練られており、かつ、それに沿った教科書が存在しているので、親からみても、いまどこを勉強しているのかが分かりやすく、予習・復習がしやすいです。教科書も、検定の在り方について色々議論はあるかもしれませんが、よく考えられたバランスのよいコンテンツになっていると思います。

インターの授業では、教科書はないですし、時間割もラフなので、学校で何をやっているか親にはさっぱり分かりません。(学校によっては、毎日こまめに報告をくれるところもあるようですが、うちのインターの場合、週末に先生がブログの記事をあげるだけなので、「????」です。)

2 学習到達度を適宜把握できる

日本の場合、低学年でも定期的にテストがありますし、また毎日のように宿題があってそのフィードバックも先生からありますので、子どもの学習到達度を把握しやすいです。それにあわせて家庭学習の内容を工夫することにより、基礎的な学力をしっかりつけることができます。

インターの場合、成績表をもらえばだいたいの到達度は分かりますが、それまでは、「?」です。面談などで先生に質問しても、「彼女はすばらしい」とか「どんどん進歩している」とか前向きの言葉しか戻ってこないことが多く、学習到達度を正確に把握することは難しいです。加えて語学の壁もあり、他の子どもと学力を比較するのが困難です。比較なんてしない方がいいんだよという考え方もあると思いますが、ある程度勉強ができる子どもにとっては、自分の立ち位置を確認できる方が、モチベアップにつながるし、自分に自信も持ちやすいように思います。

3 組織がしっかりしている

日本の公立小学校は、文科省の作った学習指導要領に基づき、教育委員会の管理のもと、運営されています。なにか学校の対応に問題があったときにも、外部の組織に相談することができます。学校運営についてもきちんとマニュアル化されており、「この学校、なんかヘン」ということは普通はあまりないのではないでしょうか。

インターの場合どうか?ちょっとよくわかりません。ただ、授業のことについては担任、学校運営については校長と話をすることになり、学校外の相談窓口などはないのではないかと思います。学校運営についても、特に規模が小さい学校の場合、行きあたりばったりのところが多そうです。創立者一族が学校を牛耳っていて・・・みたいな話も時折小耳にはさみます。

ちなみに、「教育内容に不満があったら、みんなどうしてるの?」と他のママに聞いてみたことがあるのですが、驚くべき答えが。「一応先生や校長に相談したりしてみるけど・・・解決しそうにないなら、他のインターにトランスファーする」のだそうです(汗)いやー、それだとまた入学金払い直しじゃないか!!でも現地のリッチ層の場合、入学金なんて大したことはないようで、同じエリア内でのインターをぐるぐる行ったり来たりしているケースが結構あるようです。

4 「思いやり」や「協調性」、日本人としてのマナーなどを学ぶことができる

たとえば日本の小学校の場合、転校生がひとりで休み時間にポツンとしているということは滅多にないと思います。誰かしらが自然に声をかけ、だんだんクラスの一員になっていくようなところがあります。「困っている人がいたら助けよう」「みんな仲良く」というのが道徳の時間などで繰り返し教えられているからかな。これがインターの場合どうかというと、学校によるとも思いますが、転入生に「バディー」というお世話係をつけてくれるケースが多いと思います。バディーは優等生のなかから選ばれます。これだけ聞くといい仕組みに聞こえますが、裏返して言えば、バディーをつけないと、お世話をしてくれる子がいないんですよね。転入生の側が勇気を出して「仲間に入れて!」と言っても、「今日は○○ちゃんと遊ぶからダメ!」なんてすげなく断られることもよくあるようです。

マナーについても、日本の小学校の教育は素晴らしいと思います。ごみをゴミ箱にすてる、人の話をきちんと聞く、順番を待つときはきちんと並んで横入りはしない、授業中はきちんと椅子にすわって学習するなど、社会のなかのルールを学校生活のなかできちんと教えてくれています。これがインターの場合どうかというと・・・まあなんていうか、みんな自由奔放好き勝手にやってます(笑)。インターの出身者が日本社会になじめないことが多いのは、いわゆるダブルリミテッドの問題のほか、日本社会の基本ルールを学校で習っていないことも原因だろうと思います。

5 栄養バランスのとれた給食

日本の小学校の給食については好き嫌いがあるでしょうが、私は大好きでした!値段もリーズナブルで、栄養バランスもとれていますよね。子どものころを思い出すと、私が特に好きだったのは、カレー&ソフトメンと、揚げパン、ちくわの磯部揚げ、冷凍ミカンだったな~(←えっ?誰も聞いてない?)

うちの子の学校にも給食(Hot lunch)がありますが、高くてまずく、栄養バランスも悪いです。だいたいどの献立も、5種類くらいの食材しか使ってないような。フィッシュ&チップスで600円とか、そんな感じですね。なので我が家は基本的にお弁当です。

6 いろいろなお友達がいる

インターは多様性を学ぶことができる場所だという人がいます。国籍とか人種という意味でいえばそうなんでしょうけど、経済的に恵まれた家のお子さんばかりで、ある意味特殊な集団なんですよね。周りの子ども達が贅沢な生活をしているので、それが普通のような感覚になると困るなと危惧しています。

一方、日本の公立小学校には、色々なご家庭のお子さんがいます。親の職業だって色々だし、どんな所に住んでどんな生活をしているのかも色々。我が家は中学校からは私立を考えていますが、そうすると、周囲にいるのは似たような家庭環境の子ばかりになると思います。小学校時代は、違う環境のお友達と交流できる最後のチャンスなんですよね。自宅を中心とする地域コミュニティのなかで、色々な家庭の子どもと机を並べて学習するのは、実体験を通じて社会の構造を把握するという点で、とてもいい経験になるのではと思います。

7 授業料がタダ

最後になりますが、これだけの教育をタダで受けれるって、すごいと思います。給食費とか多少の実費はかかりますが、基本タダですものね。

インターはなにせ学費が高い。授業料に入学金、各種経費や寄付、スクールバスの費用など、本当に色々かかります。学校以外にも、サマースクールやスキースクール、習い事等、あげればキリがありません。学習内容が親が教えるのが困難なレベルになってくると、tutorもつけなければいけません。日本人の場合、本帰国に備えて塾に通わせるご家庭も多いのですが、海外だと選択肢も限られるので、これがまた非常に高くつくようです。ちなみに我が家の場合、この1年で、一人あたり300万円近い出費になっているのではと思います。

 

 

以上、日本の公立小学校のいいところをあげてみました。こうやって書いてみると、日本の公立小学校も、色々いいところがありますね。最近は日本でもインター熱が高まっているようですが、本当に高額な学費をかけて様々なリスクをとって子どもをインターにいれるメリットがあるのか、よくよく考えてみた方がいいんじゃないかなと思います。

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