バイリンガル教育と左利き

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うちの次女は左利き。スプーンを持つときに左ばかりを使っていて、それで「ああ、この子は左利きなんだな~」と、かなり小さいうちに気が付いたように記憶しています。

そこで悩んだのが、右利きに矯正すべきかどうかという点でした。無理に矯正するのはよくないという意見が多い一方で、左利きは不便だから直した方がいいという意見もありました。ざっくりまとめると、以下のような感じでした。

 

右利きに直すことにより起こりうる問題

①無理強いをすると精神的に不安定になる→どもり、夜尿症等の原因に
②左右がわからなくなる
③鏡文字を書いてしまう

左利きのままであることにより起こりうる問題

①英語の筆記体がうまく書けない
②日本語の文字もうまく書けない(特に習字)
③左利き対応の道具や楽器などがない場合に不便

 

結局我が家は、「文字だけは右手で書けるようにする」という方針にしました。強制して本人にプレッシャーをかけることは回避すべきと思われたので、公文をはじめさせて「ずんずん」(運筆の練習)をさせ、右手でうまく書けたら家族と公文の先生とで褒めて褒めて褒めまくるという作戦でいったところ、数か月で右手でも左手とほぼ同様に鉛筆を使いこなせるようになりました。

ただ、右で文字が書けるようになってからも、「やっぱり矯正しなかった方がよかったのでは」と悩みました。今のところ、矯正をしたことによる弊害などは特に出ていないように思いますが、文字以外は基本すべて左なので、やっぱりこの子にとっては文字も左手で書くのが本来は自然なことなんでしょうね。ちょっとかわいそうなことをしてしまったのかもしれません。

 

そんな後悔もあって、英語については、一切何も言わず、自然のままにさせてみました。結局どうなっているかですが、面白いことに、ブロック体で書くとき→左、筆記体で書くとき→右です。別に先生にそのようにするように指導を受けたわけではなく、本人いわく、それが一番書きやすいということで、自然にそうなったようです。(ちなみに次女の学校では、1年生のうちから、筆記体をドリルで練習させているようです。詳しくは以下の記事にて。)

Nelson Handwriting:筆記体練習用のドリル
英語は日本語に比べると文字数が少なく、文字の練習をする機会は日本語に比べると少ないと思います。 とはいえ、文字をきれいに書く...

 

 

整理すると、次女の場合、現時点での左右の手の使い分けは、以下のようになっています。
【右】日本語の文字、数字、英語の筆記体
【左】英語のブロック体、お絵かき、塗り絵、その他食事など生活周り全部

きき手(handedness)についてはまだ研究でも分からないことが色々あるようです。普通、文字を書くとき、右利きの人は左脳を、左利きの人は右脳を使うそうですが、最近の研究によれば、小さいころに左利きから右に矯正した人が右で文字を書くときには、両方の脳を使っていることが分かったようです(Siebnerほか “Long-term consequences of switching handedness: a positron emission tomography study on handwriting in “converted” left-handers”, 2007)。それがいいことなのか悪いことなのかというのはまだよくわかっていないようです。「将来ぼけにくくなる」くらいの効果はあってもよさそうな気がしますが、どうなんでしょうね?(笑)

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