昨晩のこと、長女がものすごく神妙な顔をして本を読んでいるので、何を読んでいるのかなと思ったら、こちらでした。
「10才までに知っておきたい 世の中まるごとガイドブック」の「中国や韓国の人は日本のことがきらいなの?」というページでした。8月にクラス替えがあり、仲良しのインド人の友達とは別のクラスになってしまったので、いまクラスでの一番の仲良しは中国人の女の子なんですよね。ご両親もとてもいい方だし、そのお友達も聡明でやさしい子なので、別にお友達に何かを言われたというわけではないと思うのですが、ニュースなどで日中関係の悪化がたびたび話題になっているので、気になっていたようです。
内容としては、過去に日本が中国を侵略したことや領土問題などがあって、中国のなかには日本のことをよく思っていない人もいるということが書かれています。靖国問題や教科書問題もにも軽く触れられていますが、特に思想的なかたよりもなく、子どもが読んでもあたりさわりのない内容です。
この本は、他にも社会にかかわる様々な問題が子ども向けに簡潔に解説されていて、なかなかよいと思います。似たようなコンセプトの本として、「日本と世界のしくみがわかる!よのなかマップ」という本も我が家にあるので、こちらもあわせて紹介してみようと思います。
両方とも、社会のことを子どもに分かりやすく解説するという点で共通していますが、内容はかなり違います。
世の中まるごとガイドブック
「10才までに知っておきたい 世の中まるごとガイドブック基礎編 (きっずジャポニカ・セレクション)」は、キャスターの池上彰氏が監修しており、時事問題に焦点があてられています。上記で紹介した日韓問題のほかにも、「難民ってどんな人たちなの?」「ニートってどんな人たち?」「地球温暖化ってどういうこと?」など、ニュースで出て来るような話題を中心に解説がされています。時事問題って大人でも知識があやふやなことが多いので、大人が読んでも面白いです。
また、センシティブな事柄についても、中立的な立場から解説がなされており、たとえば上記の日中問題なら、子ども達に「隣の国と仲良くするにはどうしたらいいと思う?」と問いかけて、考えさせるようになっている点もすごくいいなと思います。
ただ、問題がひとつ。時事問題を取り扱っている本なのに、2007年の初版以降、改訂がなされていません。扱っているテーマも、「郵政の民営化ってどういうこと?」とか、古いネタがところどころ混じっています。18刷まで行くということはよく売れている本だということなので、改訂版を出してくれてもいいと思うんですけどね~。一部のデータは重販の際に新しいものに差し替えているようですが、それも徹底はしておらず、2005年ころのデータがそのまま記載されている箇所も散見されます。
よのなかマップ
一方、「日本と世界のしくみがわかる! よのなかマップ (新版)」は、中学受験塾の日能研と日経新聞が編集しています。全ページカラー刷で、とても見やすいです。「毎日食べる食料はどこからくるの?」「エネルギー問題ってなに?」「政治ってなに?」など、社会の構造や現代社会が抱えているジェネラルな問題について幅広く解説しています。日能研が編者になっていることからもわかるとおり、中学受験対策として子どもにそれとなく社会についての基礎知識をつけさせるにはいい本だと思います。
問題点はそれほどありませんが(2014年に2版が出ているので記載されているデータも新しいです)、あえていえば、「世の中まるごと~」のようなエッジの効いたネタは取り扱っていないので、やや面白味にかけるという点でしょうか。うちの子どもも、自分から手に取るのは、どちらかというと「世の中まるごと~」の方ですね。
以上、社会の勉強に役立つ本2冊のご紹介でした。なんか褒めているのかけなしているのか分からない書評になってしまいましたが、この種の本は、子どもから質問があったときにそのページを開いて渡せばいいので、とてもお役立ちです。我が家はどちらも重宝しています!