我が家の夏休み、日本の自宅から日本の学校に通ったほか、ヨーロッパの自宅を拠点に、いろいろなところへ旅行に出かけました。このうち一番楽しくて充実していた旅行は地中海クルーズでした。
クルーズ船にはキッズクラブがあり、追加料金なしで朝から夜まで子どもを預かってくれます。子どもたちが飽きないよう様々なプログラムが毎日組まれているのが通常なので、「キッズクラブをサマーキャンプがわりにつかえるといいな」「子どもたちの英語のリハビリになるといいな」との思惑があったのですが、実際にクルーズ旅行に参加してみてどうだったかということを、今回は書いてみます。
で、いきなり結論から書きますと、
キッズクラブ、使えませんでした(笑)
理由はいくつかあります。
一つ目は、私たちが利用したクルーズ船がイタリア発着の便で、お客さんの半数以上がイタリア人だったこと。長女によると、キッズクラブを利用している子ども達は、8割程度がイタリア人だったとのことで、英語を話す子どもは非常に少なく、子ども同士で英語でコミュニケーションをとるという環境ではなかったとのことです。スタッフの方は全員英語を話せましたが、訛りが強い人が多く、聞き取りにくかったとのことです。Cartoon time(みんなでテレビをみる時間)も、英語でなくイタリア語のアニメが放映され、うちの2人達にはちんぷんかんぷんだった模様。地中海クルーズはイタリア発着便のほかスペイン発着便もありますが、おそらくこちらも同じような感じなのではないかなと思います。
二つ目は、キッズプログラムがあまり充実していなかったこと。これはクルーズ会社によって差があるのではという気がしますが、私たちが利用したクルーズ船では、「寄港地で親が観光をしている間の託児」という意味合いが強く、プログラム内容にあまり工夫がありませんでした。たとえばArt&Craftというプログラムでは、単に塗り絵が配られるだけとか、そういう感じで、子ども達の満足度はあまり高くありませんでした。スタッフも大学生のアルバイトのようなかんじで、子どもの扱いに長けておらず、乱暴な子供がいてもきちんと注意をしないことに長女は立腹していました。
そんなわけで、我が家では、クルーズ2日目に数時間子どもを預けただけで、あとはキッズクラブを利用しませんでした。
ただ、クルーズ参加で得られたものが全くなかったというわけではありません。子どもの教育という面からみて、よかったことも色々ありました。
よかったことその1は、様々な街をめぐり、たくさんの史蹟を見る機会を与えられたこと。数えてみたところ、うち5つが世界遺産でした。小さな子供には史蹟の意味合いなど難しいことは分からないでしょうが、ヨーロッパでも色々な国があるんだねとか、同じ国でも北と南で街の様子や人々の暮らしぶりはかなり違うんだねとか、そういうことを肌身で感じてもらえたのではと思います。
よかったことその2は、毎日クルーズ船でショーをみて、音楽やダンスって楽しいんだなということを実感してもらえたこと。ショーは毎晩9:30スタートで、子ども達は普段であれば寝ている時間なのですが、ショー見たさに毎晩2人とも頑張って起きていました。今度はミュージカルやオペラにも連れて行ってみようかな。
よかったことその3は、プールでたくさん遊べたこと。クルーズ船は屋上に大きなプールがあり、我が家は毎日数時間、ここで遊んで、2人とも真っ黒になりました。自宅にいたら、毎日プールに連れていくなんて不可能ですから・・・。
よかったことその4は、日本人であることに誇りをもてるようになったこと。クルーズ船ではディナーの際のドレスコードが毎日指定されており、必ず1~2日はフォーマルデーがあります。フォーマルの日に浴衣を着せたところ、これが大好評で、廊下を歩けば皆が振り返り、褒めて下さったり、一緒に写真をとらせてほしいとお願いされたりという状況でした。無理して西洋人の真似をする必要はない、日本人である自分を誇りに思い、日本人らしさを大切にすることが重要なんだと、実体験を通じて理解してもらえたのではと思っています。
以上、よかったことをあげてみました。
うん、どれも英語教育とは全く関係ないです(笑)
英語の勉強という面も考慮するなら、参加者の英語ネイティブ率という点から、地中海クルーズよりは、カリブ海クルーズの方がよさそうです。カリブ海クルーズもいろいろな会社が運行していますが、参加された方の体験談などをみていると、ロイヤルカリビアンやカーニバルといった会社よりも、ディズニークルーズなどお子様向けサービスに定評のある会社の方が、キッズプログラムが充実していて子どもの英語力アップに役立つかもしれません。
ただ、カリブ海クルーズは、寄港地が基本的にビーチ系で、地中海クルーズのように毎日世界遺産を訪れるという経験はできません。加えて、夏のシーズンですとハリケーンの影響で航行ルートが変更になることもしばしば。また、私自身の個人的な経験ですが、からっと晴れた天気なのに、海が荒れ気味で波が高い→クルーズ船が岸に近づけないということで、寄港地に上陸できなかったな~んてこともありました。(→一番楽しみにしていた寄港地だったのでこれは大大ショック!「こんなにいい天気なのに、なんで??」という感じで、いまでも納得いきません~笑) 地中海の場合、春から夏は比較的気候が安定しているので、そのようなリスクは低いと思います。
今回のクルーズ、結局、英語の勉強には全然ならなかったけど、とても楽しくて、家族全員、大満足でした。クルーズというと贅沢な感じがしますが、実は最近はぐっと値段が下がっていて、しかも18歳未満は無料(!)の会社が多いので、家族旅行に向いていたりするんですよね。今回のクルーズ船も、日本人が3桁乗っていましたが、子連れファミリーがとても多かったです。
また行きたいなあ・・・ということで、次回のクルーズの検討をはじめた我が家ですが、なんと12月下旬発のコースは、すでに売り切れが続出している模様で、びっくり。うーん、次は1年後までお預けかな?