今回は日本への一時帰国に際して、Tax Free(=消費税免税)制度を利用しました。2014年10月に制度の大幅な変更があり、食料品や化粧品なども対象になりましたので、一時帰国の際に利用する方も増えたのではないでしょうか。しかしながら、新制度下での具体的な手続きの流れ等について書いてあるサイトなどがあまり見当たらず、お店の人に聞いても言うことがバラバラで、都度自分で色々調べなければならなかったのが面倒でした。今後利用される方の参考になればと思い、今回自分が経験したこと&調べたことを記載しておきます。
※なお、税関の対応は、空港や係員によっても異なる可能性がありますので、あくまで参考情報ということでご理解いただければ幸いです。また、居住国に入国する際の関税は別途発生しますので、居住国の免税範囲についても予め調べておくことをお薦め致します。免税ショッピングで日本で買いすぎちゃって、居住国に入国する際にドーンと関税をとられちゃうなんてことになったら、馬鹿らしいですからね。
Tax Freeで買い物ができる人
Tax Freeは主に訪日外国人観光客向けの制度ですが、日本人でも一定の条件を満たせば利用できます。
詳しくは、国交省&経産省が作成した説明資料の32ページをご参照いただければ。本人または家族の駐在で海外に居住しており、一時帰国する場合には、「2年以上海外に滞在する目的で出国し、外国に滞在する者」または「日本出国後、外国に2年以上滞在するに至った者」に該当することが多いと思います。私の場合、居住国のビザの有効期限が3年だったので、ビザを見せて、上記要件を満たすことを免税店で説明しました。
具体的な手続き
①Tax Freeのステッカーのあるお店で一定額以上のお買い物をする
消耗品については5000円、一般の物品については1万円以上(いずれも税抜)を、同一日に同一の店舗で購入した場合に、消費税が免税になります。同一日・同一店舗というところがミソですね。買い忘れがないように計画的にお買い物をする必要があります。
以前の制度では手続き完了後に消費税相当額が還付される仕組みになっていたようですが、今回私が利用したケースでは、いずれも、最初から支払う金額が消費税抜きで、その後の還付手続きは不要でした。
お店の側では、会計の際に、購入者のパスポートを確認して、「購入記録票」という書類をパスポートにホッチキスで止め、割印をします。購入記録票に領収書の控えが添付されているケースと、されていないケースがあり、疑問に思って調べたところ、購入品目がたくさんあっていちいち購入記録票に品目を記載するのが手間になるときには、領収書の控えを添付するというルールになっているようでした。なので領収書の控えがついてなくとも購入記録票に品目がきちんと記載されていれば問題なしです。
②出国時に税関カウンターでパスポートを提示し、購入記録票を回収してもらう。
羽田空港の場合、保安検査場と出国審査の間に、税関のカウンターがあります。そこで係の方にパスポートを見せ、購入記録票を回収してもらいます。このときに場合によっては現物の確認もしているようです。
購入した品物をスーツケースなどにいれて預入荷物にしたい場合、税務署作成のリーフレットの説明では、「航空会社へ預ける前に必ず税関の確認を受けてください。」となっています。しかしながら、実際にどこに行って確認してもらえばよいのかがよくわからなかったので、ANAの国際線窓口に電話で聞いたところ、「すみません、分からないので羽田空港に聞いてください」と言われ、羽田空港のインフォメーションに電話で聞いたところ、「税関の情報ひろば(保安検査場の右横にあります)にインターフォンがあるので、ご搭乗の当日に、税関の担当者に質問してみてください。」とのこと。(ANAの国際線窓口の担当者の「空港に聞け」発言にはちょっとびっくり。預り荷物の取扱いに関すること=航空会社の業務にも関連することだと思うんですが、なんで全く調べようとせず、空港に丸投げするんだろう?) そこで、当日空港に着いてから、情報ひろばでインターフォンを使って聞いたところ、「何をいくらくらい購入されましたか?PCと服で6万?あー、じゃあ、今回は(現物を)確認する必要はないので、そのまま預入荷物に入れていただいてOKです。保安検査後に税関カウンターで購入記録票をパスポートから外してもらってくださいね。」とのことでした。現物の確認が必要なのはどのような場合なのか聞いてみたところ、「係員によっても違いますが、100万円以上だと現物を確認させてもらうことが多いです。今回くらいの金額であれば預入荷物に入れてそのまま税関の出国カウンターに行ってもらって大丈夫です。」とのことでした。
そんなわけで、私の場合、保安検査場通過後に税関のカウンターで購入記録票を回収してもらっておしまい(→現物のチェックはなし)、でした。税関のカウンターはぼーっとしていると通り過ぎてしまうような場所にあります。税関のカウンターの係の方に、「これって税関のカウンターに立ち寄るのを失念して出国してしまったらどうなるんですか?」と聞いてみたところ、「実はそういう方が結構多いんですよね。今は、出国手続のところでも購入記録票がついてないか確認してもらって、ついていたらかわりに回収してもらうようにお願いしています」とのことでした。
賢くお買い物をするコツ
・消耗品については日本国内で使用してはいけない。一般物品はOK.。
食料や化粧品などの消耗品については日本国内での使用はNGです。封がしてあり、これを開封してはいけないということになっています。一方、一般物品の場合は、日本国内での使用について制限はありません。私は当初、この違いをよく把握しておらず、ユニクロで、日本で滞在中に着たい服をわざわざ別会計で消費税を支払って購入してしまいました。服については、消耗品ではないですから、使用してもOKだったんですね。また、PCについても、使っていいかよくわからず、免税店で聞いたところ、一つ目の店舗では「使っても大丈夫です。でも箱ごと空港に持って行く必要があります。」と言われ、二つ目の店舗では、「日本出国まで使っちゃダメです。箱は開封しなくでください。」と言われました。疑問に思って調べたら、PCは消耗品ではないので、使用しても問題なしと分かった次第です。ちなみに箱が必要というのも私が調べた範囲ではどこにも書いておらず、「?」でした。おそらく、現物確認があった場合に箱があれば購入品の確認が容易になるという程度の話なのではと思います。
・免税以外のディスカウント情報もチェックした方がよい。
観光客誘致のため、消費税免税以外のディスカウントを提供している免税店も多いです。特に中国や韓国のクレジットカードや銀行のカードの割引が多いように感じました。これらの地域から一時帰国する方は要チェックと思います。
・パスポートを忘れずに!
パスポートがないと免税での購入はできません。お買い物の際は忘れずにパスポートを携帯しましょう。
・免税の手続きは時間がかかる。
外国人観光客が少ない免税店だと、販売員が手続きに慣れておらず、処理に時間がかかる可能性があります。一方、都心の免税店だと、専用の会計カウンターがあったりしますが、外国人観光客が大量の買い物をしていたりして、自分の番が回ってくるまでにかなり時間がかかる可能性があります。免税ショッピングの際には、予め時間に余裕をもってお出かけされた方がよいと思います。
以上、我が家の場合、トータル6万円ちょっとのお買いもので、約5000円の節約になりました!新制度スタート後、ユニクロ、マツキヨ、イオンなど、たくさんのお店で免税ショッピングが利用できるようになっています。手続きは一度流れを把握してしまえば非常にシンプルなので、おすすめです。