プレシデント社から、「英語子育て大百科」なる雑誌が出ていたので、購入しました。今回はその書評です。
プレシデント社のFamily向け雑誌は書店で見かけることがよくありましたが、表紙に踊る「わが子を東大に!」「賢い子の○○術」みたいな言葉が痛々しくて、今まで買ったことはありませんでした。ただ、今回は、英語教育と銘打っていたので、気になって購入。
結果。これ、かなりいいです。いや、すごくいいかも。
英語教育・教材等についての情報って巷に溢れすぎていて、本当に役立つ情報を集めるのはかなり大変だと思います。この本には、知りたかったけどわざわざ自分で調べるほどの余力もなかったような情報が結構たくさん載っていて、「おお!これこれ!これが知りたかったのよ!!」と何度も思いました。
また、英語教育法などに関する著作って、著者によって内容にかなり偏りがあったりして、読んでみてもあまり役に立たないことが多いように思います。特に言語学者ではない一般の方が書いている体験談ベースの著作については、注意深く読むことが必要だと感じています。
でも、この本では、教育者、親、そして子ども達と、様々な人に取材をした情報が集約されているので、色々な観点から英語教育の在り方を考えることができて、非常に興味深かったです。
私もまだ全体を熟読してはいない段階ですが、以下、ちょっと詳し目に内容を紹介しておきます。独断と偏見によるものですが、私が「使える!」「面白い!」と思った記事の横には、★印をつけてあります。
巻頭企画 世界で活躍する日本人
錦織圭さん、ケント・モリさん等のインタビューが記載されています。
1章 グローバル入門編
英語が喋れると年収が高くなるか?
→答えはYes。英語と年収の関係がデータで解説されています。
一流の家の子はなぜ、英語塾に通っているのか?
→松沢成文さん(国会議員)ほか2名のインタビュー記事です。
2200時間かけて学べば、誰でも英語で考える人になる
→英語学習に関するQ&A集。「どうして日本人は英語が下手なの?」など。
2章 学校選び編
私立小学校の英語授業がスゴイ
→昭和小学校、立教小学校、東洋英和の英語授業の紹介です。
文系も理系も最重要科目 中高一貫校に行くと大学受験は特をする?★
→渋谷教育学園渋谷ほか私立高の授業内容の紹介です。
Facebook創業者を育てた海外トップ校の先生は教え方がすごい★
→軽井沢のISAKのサマースクールの紹介です。
わが子の選択肢が見える最新・進路ルートMAP
→フローチャート式で進路ごとに英語学習との関連性を整理しています。
大学進学と留学 親の不安3 ★
→英語を話せるようになる日本の大学のカリキュラムの紹介など。
3章 家庭教育編
最初の一歩をどうするか うちの子を英語嫌いにしない法 ★
→引っ込み思案な子にはどんな勉強法がいいか?など。
独学でバイリンガルになった子の勉強法
→英語が得意な大学生へのインタビュー記事です。
楽しく上達できる海外ドラマとアニメ ★
→渋谷教育学園渋谷中学校英語ディベート部のチョイスだそうです。
4章 教室・体験編
人気沸騰!英語キャンプの選び方
→英語キャンプの種類や選び方などの解説です。
「リアル教育費」一挙公開!英語を徹底的に鍛えろ!
→英語学童、国内サマーキャンプなどの内容と費用の紹介。
巷で話題の「英語入門道場」にお邪魔します!
→演劇等を通して英語を学ぶ方法の紹介。
個人的には、、教材選びという点では、「最初の一歩をどうするか うちの子を英語嫌いにしない法」(3章)がとても参考になりました。「引っ込み思案な子にはどんな勉強法がいいか?」って・・・まさにうちの次女のための記事だわ(笑) ここに掲載されていた教材など、買って試してみようと思っています。
渋渋の中学生たちが選んだ「楽しく上達できる海外ドラマとアニメ」(3章)もいいですね。子どもが選んだっていうのがポイント高し!英語勉強に使える海外ドラマって、「フレンズ」くらいしか知らなったので。うちの子ども達はまだ小さいですが、自分の勉強用に、色々試してみようかなと思います。
また、帰国後の子どもの進路については色々悩んでいるところですが、うちの子ども達の場合、英語のプログラムや交換留学の制度が充実している学校に進学させ、高校や大学で1~2年海外留学を経験させるのが、リスクも出費も比較的少なく、効率的なように思いました。軽井沢のISAKも面白そうですね。今回この本で得たヒントをもとに、これからじっくり考えていきたいと思います。
最後にマイナス点をひとつ。
記事の合間に学校や英会話教室などの広告が入っているのですが、記事本体との見分けがつきにくいです。よく見ると、「PR」とか「特別広告企画」とか、小さく書かれていますが、非常に分かりにくいです。最近は、インターネットで、記事と見せかけた広告(いわゆるネイティブ広告)のあり方が大きな問題になっています。なので、知識層向けの少し格調高い雑誌(?)を目指すなら、広告の入れ方にもう少し気をつかってほしいところです。せっかく記事の内容がいいのに、これでは勿体ない。また、読む側も、学校紹介等については、広告なのか記事なのか、注意しながら読んだ方がよさそうです。