中学受験あれこれ, 教育に関する雑考

小学校低学年 理社の学習方法について考える

最近知人が、とある勉強法のインストラクターの資格(?)をとったらしく、Facebookのフィード欄にやたらとその勉強法の宣伝が流れてきます。

この勉強法を取り入れれば、わずか一週間で自ら勉強する子に変わるのだそうです。

先日流れてきたのは、植物のポスターの無料ダウンロードのお知らせ。我が家は2人ともガーデニングが大好きなので、どんなポスターなのか、今回はその内容をチェックしてみることにしました。紙面一面にカラフルなイラストがちりばめられ、植物の分類が図示されている模様。「合弁花と離弁花の違い」など、結構難しいことが書かれていて、これを小さいお子さんに使うのか~とびっくりしました。

他にも、歴史上の人物の名前、地方の特産物、星座など、理社系のポスターやカードが充実しているようです。こういうポスターで幼児から無理なく勉強をさせておくと、中学受験の理社が楽になるんだとか。そういえば英語のポスターもありました。「英検は3歳からでもできる。先にやっておくと大学受験が楽になる。」のだそうです。へええええ。

 

中学受験の理社学習は有用なのか

中学受験の理社、確かに覚えることが多くて大変です。

私自身も中学受験組で、当時あれこれ覚えさせられました。でも、振り返ってみると、このとき覚えたことで大人になってから役立った知識って・・・あまりないような。ずいぶん無駄なことに時間を使ってしまったな・・と感じます。

大手塾のテキストなどを見ると、社会・理科ともに、30年前から、取り扱うテーマや暗記が必要な項目は変化していないように思います。もちろん細かいところで見ていけば、時代の変遷に伴い、暗記すべき内容が変化している部分はあります。でも、基本的な枠組みは変化していないんですよね。google先生に聞けば瞬時に答えが分かる時代なのになぁ。

地理や歴史が「日本」にフォーカスされている点も気になります。学習指導要領との関係で仕方がないんでしょうけど、もうちょっとグローバルに比重を置いてもいいんじゃないかという気がします。

 

インターの理社の授業:Units of Inquiry

さて、子供たちのインターでは、理社についてどんな形で学んでいるかを、少し紹介してみたいと思います。

まず、そもそも論として、日本の理科・社会に相当する科目がありません。Units of Inquiry(UOI)という総合科目のなかで学んでいきます。UOIは国際バカロレアの初等教育の最大の特徴といってもいいかもしれません。1年に6ユニット、だいたい1.5~2か月かけて、ひとつのテーマに絞って深く学びます。ちなみに今長女がやっているのはEnergy Resources。昨日は原子力発電の仕組みについて何やら調べていました。次女はLandforms。こっちは地震について勉強していました。今回は2人とも「理科」系のテーマですが、宗教、人権、経済など、「社会」系のテーマのこともあります。

UOIのなかでは、たとえばテーマに関連する語彙を学んだり(語学)、絵を描いたり(図工)、数字を使ってシミュレーションをしたり(算数)します。テーマによっては体育や音楽の先生が入ることもありますし、関連する職業についている保護者の方がレクチャーを担当してくれることもあります。

 

子供たちのインターでは、英語や数学は、細かい項目(各10~15個)ごとに成績評価がつきます。音楽や体育も、項目数は各5つ程度ですが、同様にきちんと成績評価がつきます。一方、UOIには、成績評価はありません。ユニットが終わるごとに学校からレポートが届きますが、UOIを通じて学んだことやできるようになったこと、次のユニットで頑張ってほしいことが書いてあるのみです。UOIで特に重視されているのは、Inquiry(探究)。子供によって何に興味を持つかは違いますので、成績という形で評価をするのは妥当でないという配慮なのかなと思います。

 

低学年の理社 自宅での取り組みの理想像

どのような取り組みが望ましいのかは、結局のところ何を目指すのかによって異なってくると思います。4科での中学受験を考えているなら、小さいうちから親主導で遊びの要素も取り入れながら知識を入れていくというのは、有用な方法なのかもしれません。

でも、個人的には、これからの時代、長い目で見れば、幅広い分野についてあれこれ知識を詰め込むことはもはや必要ないのではと感じています。冒頭の例でいえば、低学年なら、「合弁花と離弁花」というワードを覚えるより、「花びらがくっついている花と離れている花がある」という基礎知識を前提に、「どうして違いがあるのだろう?」と疑問を持ち、考えてみることの方が大切なのではないかなという気がします。

ポスターの活用はいいと思いますが、どうせならその子が興味を持ったことについて、図鑑を見ながら一緒にポスターを作る方が、我が家にはあっている気がします。Facebookで「ポスター貼った!覚えた!うちの子●歳でこんなこと知っているのよ!」みたいな投稿が流れてくるたびに、なんだかな~~と思ってしまうのでした。私はそんな知人の投稿を生温かい目で眺めているだけですが、これで不安を覚えて「うちもやらないと」と思ってしまう親御さんもいるんでしょうね。

そういえば最近は日本の小学校でも「自主学習」という宿題が出すところが増えている模様。これはとてもいい取り組みだと思います。ただ、完全に自由に「好きなことについて自宅で調べてきて」と言われても、普通のお子さんは戸惑ってしまうのではないでしょうか。ネタを探すだけで疲弊しそうな予感。結構大変な気がしますが、みなさん一体どうしているんだろう。

ちなみに子供たちのインターでは、低学年のころはこんな宿題が出ていました。学校で学んでいるテーマに関連して疑問点を4つ書きだして、それを自分で調べるというもの。学校でみんなで下に向かって「穴」を掘りつつ、おもしろいものが出てきそうな場所を見つけたら、各自で自由に横に掘っていく感じでしょうか。シャベルを渡して「さあ、勝手に掘ってね♪」ではないのです。こういう形なら、日本の公教育をベースにして、おうちでの取り組みとしてプラスするのも有効なのではと思います。

IB(国際バカロレア)教育:Inquiry(探究)の大切さ

 

以上、低学年の理社の取り組みについて、個人的に考えていることを書いてみました。

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